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自動導入設定や多拠点一元管理、アプリトラフィック可視化など「Master'sONE CloudWAN セキュアパッケージ」

NTTPC、中堅中小企業向け拠点間閉域網接続+SD-WANを発表

2018年06月12日 15時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NTTPCコミュニケーションズは2018年6月12日、法人向けSD-WANサービスの新たなラインアップとして、同社の閉域網上でSD-WAN機能を提供する「Master'sONE CloudWAN セキュアパッケージ」を発表した。中堅中小企業層をメインターゲットとしたネットワークサービスで、自動設定機能などにより閉域網での多拠点間接続を容易に構築/運用できるほか、同一のアクセス回線でインターネットアクセスも可能にし、回線コストを抑制する。7月5日より提供開始。

 記者発表会には同社 サービスクリエーション本部の三澤響氏が出席し、国内におけるSD-WAN市場の動向や今後の方向性、今回発表したSD-WANサービスの具体的なユースケースなどを説明した。

拠点間閉域網接続+SD-WAN機能を提供する新サービス「Master'sONE CloudWAN セキュアパッケージ」の概要
NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 第二サービスクリエーション部長の三澤響氏。手にしているのはCloudWANの専用エッジ装置

 Master'sONE CloudWAN セキュアパッケージは、中堅中小企業をターゲットとしたSD-WANサービス。現在、多くの中堅中小企業では高速/低遅延でセキュアな拠点間接続を目的としてNTT東西のフレッツ閉域網が利用されているが、同サービスではこの閉域網接続のメリットを残しつつ、運用管理の利便性を持つSD-WAN機能を提供する。

 具体的には、各拠点に配置するCloudWAN専用エッジ装置とクラウド上のオーケストレーター、NTTPCの閉域網を利用して、拠点間接続サービスを提供する。専用エッジ装置はアクセス回線(フレッツ)接続用ルーター機能を備えており、この装置1台で拠点間の閉域網接続ができる。さらに、拠点導入時の自動装置設定(ゼロタッチプロビジョニング)機能やWebコントロールパネルを通じた多拠点の一元管理/設定機能、アプリケーション別のトラフィック可視化機能も提供される。

 加えて、オプションサービスとして特定トラフィックのオフロード(迂回)機能も用意されている。これはCloudWAN閉域網上にインターネットへのゲートウェイを用意することで、「Windows Update」や「Office365」などのインターネットトラフィックを適切に迂回させることのできるオプションとなる。これにより、ユーザー拠点のアクセス回線を増設することなく拠点間接続とインターネットアクセスを同時にまかない、輻輳や遅延も抑制する。

 CloudWAN セキュアパッケージの価格(税抜、スタンダードプランの場合)は、初期料金なし、月額料金は1拠点あたり1万9000円。フレッツアクセス回線(ファイバーライン)は、1アクセス回線あたり初期料金3万円、月額料金5000円。オプションサービスのインターネットオフロードは1契約あたり月額3万円。

 なおNTTPCでは、6月13~15日に開催される「Interop Tokyo 2018」の同社ブースでCloudWAN セキュアパッケージの紹介やデモ展示を行う。

従来のエントリーVPN相当の価格で導入できるSD-WAN

 NTTPCでは昨年1月から、法人向けSD-WANサービスとして「Master'sONE CloudWAN」を提供してきた。これはインターネットやモバイル回線などを介して、専用エッジ装置または仮想エッジ装置(現状ではAWSクラウドに対応)間のオーバーレイネットワークを構成できるサービス。SD-WANならではの多拠点一元管理やトラフィック可視化、セグメンテーションなどの機能を提供する。今年1月には日立製作所のグローバルネットワークにおける採用も発表している。

 三澤氏によると、Master'sONE CloudWANの採用を検討する顧客は大企業が中心。こうした企業の多くでは拠点間でMPLS WANを利用しているが、広帯域なMPLSサービスは高価である。そこで安価なインターネットSD-WANであるCloudWANとMPLSとを併用し、MPLSトラフィックの一部をCloudWANに置き換えることにより、回線コストの削減につなげるという利用法が多いという。

日立におけるCloudWANの導入構成。パブリッククラウドやインターネットへのアクセスをMPLSからオフロードすることで回線コストを削減できる

 その反面、中堅中小企業市場ではSD-WANの認知度は低く、利用検討はまだこれからの状況だという。その要因について三澤氏は、特に日本市場の中堅中小企業ではフレッツなどの閉域網を使った「エントリーVPN」サービスの利用が主流であることを指摘した。富士キメラ総研の調査データによると、国内VPN市場の65%はこのエントリーVPNが占めている。ただし、中堅中小企業でも「Office 365」などのパブリッククラウド利用が増えてきており、このトラフィックが輻輳や遅延の原因となりつつある。

 三澤氏は、国内の中堅中小企業層でSD-WANが普及するには「クラウド利用の拡大に伴う輻輳や遅延を解決すること」「安心度の高い閉域網で利用できること」「エントリーVPN価格相当で導入できること」の3点を満たすことが必要だとまとめ、今回のCloudWAN セキュアパッケージでそれらの実現を目指したことを説明した。

今回のCloudWAN セキュアパッケージがもたらすメリット

 発表会に出席したNTTPCコミュニケーションズ 代表取締役社長の田中基夫氏は、今回のサービスを直接エンドユーザーに販売するだけでなく、「これからITの連携サービスが作られる際の、使いやすいネットワークの部材、部品」のようなサービスとして提供するための整備も進めていると語った。CloudWANはオーケストレーターのAPIを用意しており、SIパートナーなどがソリューションにSD-WAN機能を組み込んで販売することもできる。

 三澤氏も、今回のサービスは「SIベンダーなどのパートナー販売を中心に考えている」と述べ、組み込みソリューションの提案やネットワーク運用管理代行サービスなども含め、今後3~5年間で4~5万拠点での導入を目標としたいと述べた。

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