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COMPUTEX TAIPEI 2018レポート 第33回

LTEモジュール搭載のデスクトップPC!? Shuttleが「DL10J」を展示

2018年06月08日 18時45分更新

文● 中山 智 編集● ジサトラショータ

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 「COMPUTEX TAIPEI 2018」のShuttleブースには、M.2カードタイプのLTEモジュールを搭載し、単体でモバイル通信が可能なデスクトップPC「DL10J」が展示されていた。国内では8月頃の発売を予定しており、販売方法や価格は未定とのこと。

LTEモジュール搭載のデスクトップPC「DL10J」

 DL10JはCPUにCeleron J4005を搭載したファンレス仕様のPCで、サイズは約165(W)×190(D)×43(H)mm、重量は1.5kgとコンパクト。メモリーは最大8GB(DDR4 2400MHz×2)で、インターフェースはHDMIやDisplayPort、USB 3.1 Gen1×2、USB 2.0×4などを備える。

フロントを見る限りは、一般的なビジネス向けスリムPC

 最大の特徴は、本体にM.2タイプのLTEモジュールを搭載していることだろう。このLTEモジュールにSIMカードをセットすれば、マシン単体でモバイル通信が可能となる。デスクトップPCながら、本体背面にはモバイル通信用の大きなアンテナを2本装備し、安定した通信を実現している。

本体背面の両サイドからモバイル通信用のアンテナが出ている

 LTEモジュールとマザーボードの接続にはM.2スロットを使用するのだが、一般的なLTEモジュールはM.2でも端子部分が異なるBkeyタイプを採用しており、そもそもデスクトップ用のマザーボードにはBkey対応のスロットがない。

 この問題を解決するため、Wi-FiとBluetoothモジュール用のA・Ekey用スロットにBkey対応のスロット変換アダプターをかませ、そこへLTEモジュールを接続しているとのこと。この変換アダプターはDL10J用に新たに開発したという。

天板は透明のアクリル板だが、これはデモ機のみの仕様

展示機はファーウェイのLTEモジュールを搭載

LTEモジュールの下に、スロットを変換するアダプターがある

 ブースに展示されていたモデルは内部が見やすいように、天板にアクリル板が使われていたが、製品版ではスチール製となるとのこと。樹脂製ではない理由は、工場などでの使用を考えると振動がノイズとなり通信に悪影響を与えるためだ。

ネットワークをチェックすると、台湾のキャリアに接続していた

 展示モデルにはファーウェイ製のLTEモジュールが搭載されていたものの、日本版はシエラワイヤレス製のLTEモジュールが搭載される予定。各国の通信事情に合わせてLTEモジュールは変更されるので、対応バンドやSIMのサイズ、通信速度などはモジュール次第だ。

 ちなみにアダプターを途中にかます関係で、SIMスロット自体は基板側を向いており展示モデルでは確認できず。SIMの挿し替えも、スマートフォンやLTE対応ノートPCのように手軽にアクセスできるようなデザインではなかった。

 Shuttle関係者によると、DL10Jは日本発のアイディアで製品化したモデルとのこと。当初は固定回線を引くのが難しい山間部などでの用途を考えていたが、ネットワーク構築が簡単になることから都心部での使用も引き合いが強いという。またデジタルサイネージやキオスクアプリケーションなど、屋外での展開も想定している。

「DL10J」の主なスペック
CPUGemini Lake J4005 デュアルコア
メモリー最大8GB(DDR4 2400 MHz×2)
映像出力HDMI、DispalyPort、VGA
LANGigabit LAN(有線)、802.11b/g/n(無線)
ストレージインターフェースSATA for HDD/SSD 、SDカード
USBポートUSB3.1 Gen1×2、USB2.0×4
本体サイズおよそ幅165×奥行190×高さ43mm
重量1.5kg
フォームファクター1.3L slim form factor

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