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世界のオープンイノベーション最新事例 Viva Technology 2018レポ

2018年06月11日 08時00分更新

文● 美谷広海 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP

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 2018年5月24日から26日の3日間、パリで世界最大級のスタートアップとイノベーションに関するイベント、Viva Technology 2018が開催された。Viva Technologyではフランスの各分野を代表する10数社の大企業が中心となり、各企業が事前に解決したいテーマを公募し、そこに応募したスタートアップや、各企業のアクラレータープログラムに参加しているスタートアップから数十社が選抜され、各大企業のブース内にて出展している。

 たとえばフランスの大手通信会社Orange社がIT分野のスタートアップを、航空大手Airbus社がモビリティに関するスタートアップを、ルイヴィトングループがラグジャリーやファッション、顧客体験に関するスタートアップを、世界的な金融グループBNPパリバがフィンテック関連のスタートアップを中心に各々数十社ピックアップし、自社のブース内に展示をさせ、ブース内でピッチコンテストの機会なども設けている。

 最近日本でも広がりを見せるオープンイノベーションの文脈で、業界をリードする大企業を中心に、それぞれの業界でのスタートアップを集めた展示会となっている。日本でいえば、ドコモ、JRグループ、三菱東京UFJ銀行といった大企業が各分野に関するスタートアップをそれぞれ数十社選抜し同時に展示しているような具合だ。こうした大企業を中心としたブースの他に、モロッコ、スイス、といった国によるブースや、フランスの各地方行政区によるブースが設けられ、1000社前後のスタートアップが一同に展示している。

3回目でますます盛り上がりを見せるイベント

 今年でViva Technologyは3回目の開催となり、主催者発表によると125ヵ国から9000社のスタートアップが参加し述べ10万人の参加者となった。筆者は2018年で3回目の参加となり、ほかのスタートアップ関連のイベントとの違いや、2017年までの当イベントとの違いなどについてもお伝えしたい。

 Eurekaパークに多くのハードウェアスタートアップが出展するCES、Pioneers FestivalやSlush Tokyo、WebSummitの系列である香港RISE、4YFN、SXSWなどといった展示会のどれとも異なった雰囲気を持つのが、このViva Technology。このイベントに出展しているスタートアップのほとんどが大企業や特定の産業分野との結びつきで展示し、各大企業との新規事業やイノベーション担当者との結びつきをうながす構造となっている。

 個々のスタートアップを集めるだけではなく、産業ごとのクラスターによって大企業とのゆるい連携によって展示しているスタイルが今までになかった形でおもしろい。各分野ごとに、どんなスタートアップが注目されているのか、自分が興味がある分野を掘り下げてみることもできるし、分野ごとに横断してみてみるのもとても参考になる。2018年は2017年以上に、会場の密度が高くなり、海外からの出展ブースが増えたり、通路幅が狭くなり、明らかに出展者が増えているのが感じられた。また来場者から入場の際に行列で長時間待たされ、なかなか入れなかったという声もあったことから来場者のほうもかなり増えたようだ。

 そのため、いくつかの企業ブースの様子の中でも紹介しているが、残念ながら2017年まであったヨーロッパの展示会ならではのゆるさというのが少し失われてしまったかもしれない。休憩スペースが少なくなり、人が増えたため、ゆったりと参加者同士で話をしたり、各ブースでの担当者とゆっくりと話しができるような雰囲気が減ってしまったように感じた。その分、来場者も増え、話をできる人数自体が増えているのだが、ゆるさの中から生まれてくるつながりや質というのもあるように思うので、次回以降の変化が気になるところだ。

各企業ごとの個性的なブース

 Viva Technologyで、中心となるのがやはり地元の大企業によるブース。通信大手のOrange社のブースでは、昨年まではなかった釣り構造のLED表示装飾が追加されていた。一方で、ブース内にあったピッチステージは今年はなくなっていた。会場内にはピッチ会場がいくつもあり、数多くのスタートアップを見て回るだけでも大変なので、個別ブースへの集客や運営というのは大変かもしれない。

 人気の高い、ルイ・ヴィトン・グループのブース。残念ながら常に人だかりであまりゆっくりと見ることができなかった。講演ステージの近くにあったため、FacebookのCEOザッカーバーグ氏や、フランス大統領のマクロン氏の講演を目当てに入場待ちしていた行列と人の流れが重なってしまったのも影響したのかも。2017年は空いている時間帯ならブース内のソファーにゆったりと身を沈めながらピッチをみたり、無料で配られているコーヒーを飲みながら出展しているスタートアップを確認したりできたが、2018年は遠巻きから見るだけになってしまった。

 2017年、筆者が出展したり、ピッチを行なった会場中央のDiscovery Zone。今年はサーカス小屋をイメージさせる華やかな装飾に。

 最後に紹介するのはエアバス社のブース。アウディとイタルデザインによる次世代モビリティの実物大コンセプトモデル、「POP.UP.NEXT」が展示されていて一際来場者の目を惹いていた。ドローン部分と自動車部分が着脱式となっている。

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