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MoguraVRのゲームとって出し 第78回

VR移植作品としては最高レベルの再現度

名作ゲーム「The Talos Principle」がVR完全対応 独特の世界観が織りなすパズルゲーム

2018年06月01日 14時50分更新

文● やましん/Mogura VR

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 今回紹介するのは奥深いパズル要素がプレイヤーの探究心をくすぐる、VR移植作品「The Talos Principle VR」だ。原作の「The Talos Principle」はSteamでの人気が高く、海外のゲームレビューでも軒並み高評価を受けている作品。開発は「Serious Sam VR」シリーズを送り出したCroteam VRと、開発経験が豊富なスタジオが手がけている。

 プレイヤーはAIを搭載したロボットとして庭園で目を覚ます。プレイヤーはこの世界の創造主から“謎を解けば永遠の命を授ける”と教えられ、それの言葉に従ってステージの謎を解いていく。プレイヤーは庭園に残されたデータやメモから自分自身がいったい誰なのか、なぜこにいるのかを徐々にを思い出していく……、というのが本作のストーリーだ。

 原作「The Talos Principle」のグラフィックがほぼそのまま再現されており、歩き回っているだけでも十分楽しめるほどのクオリティー。

 操作方法は原作から大幅に変わっており、VRコントローラーに適したものになっている。元の作品はそのままプレイするとやや酔いやすかったが、本作ではジャンプしたときに酔いにくくなるような対策が施されているなど、VRへの移植作品としては非常に丁寧に作られている。操作は複雑ではないが、最初のうちに慣れておかないと操作ミスでゲームオーバーになることもありうる。序盤のうちにしっかりと練習しておこう。

 ステージを進めるにあたって重要になるのが、このカメラのようなジャミング装置だ。プレイヤーの動きを阻む青色の光の壁(エナジーゲート)を消したり、敵を動けなくしたりといった使い方ができる。置いただけではジャミングはできず、持った状態で対象に向けて決定ボタンを押すとジャミングが発動する。壁などの障害物がある場合は効果が届かないため注意しよう。このジャミング装置の使い方がクリアの鍵になる。

 プレイヤーの行く手を阻むのはこの空中機雷。一定距離内に近づくと警告音を発し始め、更に近づくと爆発してゲームオーバーになる。ステージのそこかしこに配置されており、これをいかに避けるかがポイント。不用意に近づかなければ良いのだが、パズルゲームでそれができれば苦労はしない。避けて先に進むために、ジャミング装置を使って足止めをしていこう。ほかにもこちらを攻撃してくるタレットも存在するため、ジャミング装置やギミックをうまく使おう。

 このゲームは大きなステージの中に小さなステージがいくつもあるといった構成だ。小さなステージでピースを集め、大きなステージをアンロックしていく。小さなステージに入るとタイトルと共にそのステージで手に入るピースが表示される。ステージのタイトルはヒントも兼ねているため、英語が読めないプレイヤーはあらかじめ日本語設定にしておくとよい。

 小さなステージは立体的なピースを取得すればクリアとなる。ピースの位置も明確にはなっていない場合が多いため、それに目星をつけるのも重要になる。

 集めたピースは特定の場所にはめていく。すべてのピースを使って埋めなくてはいけないので、それが解けなければ先には進めない。もちろん最初は簡単だが、後半は難易度が増していく。また、原作ではマウスで合わせるだけだったが、VRでは手を使ってピースをはめていくVRならではの操作になっている。そのため原作のプレイヤーには少し違和感を覚えることがあるかもしれない。

 原作にも登場したターミナル(端末)は健在だ。ストーリーを理解する上で重要な情報がファイルに残っているためそのまま閲覧できる。操作もタッチパッドを押すような操作に変わっている。ちなみに中のファイルは見なくても先には進める。

 神殿も再現されており、ここから各ステージに移動ができる。ここからアクセスできるステージのほか、エレベーターであがる地上にもステージは存在しており、挑戦するステージの総数はかなりの数。

 非常に人気が高い原作「The Talos Principle」、それを完全にVRで受け継いだ本作。プレイ感も原作をアップグレードしたような作品になっている。VR移植されたタイトルはスペックなどの都合上、グラフィックが劣化したりするケースもみられるのだが、本作は景色の綺麗さがそのまま引き継がれており、すでにプレイした人でも幻滅することなくプレイできだろう。ただし、謎解きの方法は原作とすべて同じ。したがって、既に原作をクリアしたユーザーには作業感が強くなってしまうことが欠点だ。

 VRではない作品をVRへと移植した場合、ビジュアルのクオリティが下がったりゲームバランスが悪くなったりしがちなのだが、本作ではそういったことはほぼ無い。原作をプレイしたことないプレイヤーでも問題なく遊べる。一風変わった謎解きゲームを楽しみたい方にはぜひともおすすめしたい作品だ。

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