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クラウドネイティブ時代を告げる「AWS Summit 2018」 第1回

「Amazon EFS」東京リージョン提供やスタートアップ拠点「AWS Loft Tokyo」などの新発表も

KDDI、ソニー銀行、SOMPO HDなどが語った「AWS Summit」基調講演

2018年05月31日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 2018年5月30日、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSJ)のプライベートイベント「AWS Summit Tokyo 2018」が東京・品川で開幕した。基調講演では、AWSJ社長の長崎忠雄氏が「Amazon EFS(Elastic File System)」の東京リージョンでの提供開始予定を発表したほか、AWSユーザー企業であるKDDI、ソニー銀行、SOMPOホールディングス、ABEJA、デンソーが登壇し、各社ビジネスを支えるAWS活用の実態を紹介した。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表取締役社長の長崎忠雄氏

基調講演冒頭には俳優の滝藤賢一さんが登場し、AWSの歴史にまつわる朗読でイベントの幕開けを飾った

 今年のAWS Summit Tokyoは事前参加登録者2万5000人以上と、昨年の同 2万人を大きく上回る過去最大規模となっている。セッション数は合計で210で、ユーザー企業によるものが59、パートナーが27、AWSが124。また、展示会場では84のパートナーソリューションを紹介している。6月1日までの開催。

7月「Amazon EFS」東京リージョン提供開始、10月にはスタートアップ拠点開設

 始めに、基調講演の中で長崎氏が発表した新たなサービスなどの開始予定をまとめておく。

 まず、Amazon EC2向けの共有ストレージサービスである「Amazon EFS(Elastic File System)」が東京リージョンでも提供開始されることが発表された。今年7月からの提供開始予定(料金は未発表)。

「Amazon EFS(Elastic File System)」東京リージョンでも提供開始

 Amazon EFSは、NFSv4プロトコルでアクセスできるファイルストレージサービス。EC2インスタンスがマウントして使用する。従来のブロックストレージサービス「Amazon EBS(Elastic Block Store)」とは異なり、複数のEC2インスタンスが同時にマウント/アクセスできる共有ストレージである。

 EFSは事前に容量を設定するのではなく、使用量に応じて容量が自動的にスケールアップ/ダウンする仕組みとなっている。長崎氏は、EFSはペタバイトクラスまで柔軟にスケールでき、容量のスケールアップに応じてスループットやIOPSも向上していく特徴を持つと紹介した。

Amazon EFSはシンプルでスケーラビリティがあり、なおかつ高い可用性や耐障害性を持つと説明した

 また、スタートアップビジネスへの支援拠点となる「AWS Loft Tokyo」が、今年10月に東京・目黒でオープンすることも発表された。AWS Loft(AWS Pop-up Loft)は2014年にサンフランシスコ、2015年にニューヨークでオープンしており、常設拠点としては世界で3カ所目、米国以外の都市では初となる。

 AWS Loftは、AWSソリューションアーキテクト(SA)などの専門技術者が常駐して、技術支援を通じたスタートアップビジネスの成長加速を目指す場。無料かつ予約不要で、新しいアイデアの実装に向けたアドバイスを受けられる。

 加えて、無料/契約不要のコ・ワーキングスペースを設置するほか、テクニカルセッションやトレーニング、セミナーなどの「学びと交流の場」としても活用していく。また、IoTaやAR/VRといった先端的なテクノロジー領域について、ユーザー企業とのワークショップを実施する「Digital Innovation Lab」も併設し、同時にオープンする予定。

基調講演でも披露された「AWS Loft Tokyo」のイメージビデオ

 もうひとつ、日本における「AWS EdStart」の提供開始も発表された。EdStartは、教育テクノロジー(EdTech)分野スタートアップアクセラレータープログラムで、すでに米国、ヨーロッパ、中東、アフリカで展開されている。アジアでは初めての展開となる。

 AWSはEdStartプログラムを通じて、プロモーションクレジット(無料利用枠)やコミュニティへの参加機会、技術トレーニング、マーケティング機会、メンターシップなどを提供していく。米国では2017年初頭のスタートから、すでに200万ドルを超えるプロモーションクレジットを発行しているという。参加申込は無料。

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