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「HP アナリティクス&プロアクティブ管理サービス」

日本HP、機械学習で故障を事前予測できるデバイス管理サービス

2018年05月29日 14時20分更新

文● 小林  編集●ASCII

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 日本HPは5月29日、「HP アナリティクス&プロアクティブ管理サービス」を発表した。機械学習や予測分析の技術を取り入れた、中堅中小企業向けのITデバイス管理サービス。デバイスの利用状況をクラウド上に収集・分析し、潜在的な問題を事前に検出。ITデバイスの故障を事前に予測して警告を出したり、CPU稼働率などをレポートしながら、各デバイスを適切な部署に適切に配置するなど、効率的な運用が可能になるという。

 同社が推し進めている「Device as a Service」と連携しながら、デバイス管理をシンプルにし、事前に故障部品の調達を進めたり、問題が生じた際のダウンタイムを減らすことができる。

 スタンダード、エンハンスド、プレミアムの3つのプランが用意されている。各プラン共通で「ヘルスモニタリング」「予測分析とレポート」など基本的なものが提供される。エンハンスドでは、リモート消去など総合的なセキュリティ機能、プレミアムではモバイルも含んだ統合的なアプリケーション管理が提供される。価格はスタンダードプランの1年プランで8800円(税抜)/1台から。5月31日から提供する。

 発表会では日本HP パーソナルシステム事業本部 クライアントソリューション本部 本部長の村上信武氏、同サポートサービス部 担当マネージャーの中 宏樹氏が登壇した。

 Device as a Serviceは同社が「コア」と呼ぶクライアント製品(PCやタブレット)の運用を、サービス化してより使いやすくするもので「成長」のカテゴリーに位置づけられている。企業では管理が必要なデバイスの数量・種類が爆発的に増加している。ひとり1台ではなく2台、3台のデバイスを使うのが当たり前となり、OSもWindowsだけではなく、AndroidやiOSなど複数にまたがるのが一般的だ。一方でIT部門の人員や予算には制限がある。さらに「攻めのIT」として売上など成果に直結したIT投資と効率化が求められている。デバイスが増えるとで脅威にさらされる危険性は増えるが、その中で業務がストップするような攻撃や情報漏洩を防ぐなどセキュリティーを強化していく必要がある。

 所有から利用へという流れの中で、HPは2年前から Device as a Serviceとして、PCハード、その導入から廃棄までのライフサイクルを回し、専任の相談窓口を用意。これらをまとまった契約単位として月額固定料金で利用できる形にした。国内ではHPのみが提供しているサービスだが、海外では複数社が展開している形態だ。これらのサービスを導入した企業から得た回答としては、全体の71%がハードウェアのコスト削減、67%がソフト関係の費用削減、59%がサービス関連の費用削減を達成できたとする(IDC調べ)。

 目的としてはPCを中心としたデバイスの導入と管理をアウトソース化するもの。ただ現状は細かなカスタマイズに対応した都度見積もりのサービスとなっており、対象は大手企業に限定、提供形態も直販のみとなっている。これを中堅中小企業に拡大するため、可能な限りパッケージ化を進め、リセラー経由でも提供できるようにしたのが今回のサービスだ。

 特徴のひとつは、プロアクティブ(事前対応)の管理。一般的なIT機器のサポートは問題が発生してから対応を検討するリアクティブ(事後対応)が主体になるが、HPの専任サポート担当者(サービスエキスパート)が付き、使用データを分析するため、セキュリティ上問題になりそうな利用方法や、パッチが適用されていないなど問題があれば告知する。(HP製品に限定されるが)部品レベルからのハードの故障予測といった情報も先回りして提供できる。加えて、マルチデバイス、マルチOSの管理やリモート消去といった、MDM関連の管理運用サポートを提供する。導入企業での利用状況を把握して、適切な導入コスト配分なども提案する。

 支払い方法としては、従来のDevice as a Serviceと組み合わせた月額課金および、ハードウェアと一括で一定期間のサービス利用権を購入する一括支払いの両方が選択できる。

 管理コンソールはダッシュボード化されている。導入しているデバイスの台数をタイプ別でグラフ化し、そこからCPUやメモリーの使用率が高いか標準的かを確認するなどより詳しい統計情報が得られる。デバイスの状態としてインシデントの有無(問題の有無)が把握でき、そこからディスク障害の兆候や、メモリーパフォーマンス、OSクラッシュなどより具体的な問題の把握ができる。例えばOSクラッシュでは、ブルースクリーンの発生頻度とエラーコードを統計的に把握できる。セキュリティーパッチやアプリケーションの導入時期と照らし合わせて判断すれば、何が原因でどんな障害が起きたかの傾向を把握するといったことに役立てられるという。

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