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請求書の電子化にメリット感じる企業は9割以上

2018年05月24日 09時00分更新

文● 上代瑠偉/ASCII

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 コンカーは5月23日、平成27年度から2年連続で改正された電子帳簿保存法の規制緩和を受けて、日本CFO協会に協力し、「請求書電子化に関する企業の取り組み状況の実態調査(日本CFO協会実施)」を実施したと発表。

 請求書の保管・輸送や請求書処理業務の負担軽減に対する期待感が強く、多くの企業が請求書電子化を前向きに検討している。一方で、電子帳簿保存法へのシステム対応や請求書処理プロセスの変更を不安に思う企業の実態が明らかとなったという。

請求書の電子化にメリットを感じる企業は9割以上

 請求書電子化にメリットを感じると回答した企業は全体で92%と非常に多いという。なかでも保管・輸送コストの削減については91%の企業がメリットを感じると回答したとのこと。

 ほかにも、請求書入力業務の負担軽減(73%)、管理部門の請求書内容チェックの負担軽減(70%)、管理職による承認業務の負担軽減(66%)、税務調査時の手間の軽減(69%)と、多数の企業が請求処理業務の負担軽減にメリットを感じているという。

請求書電子化の導入意向は75%で、領収書電子化の導入意向よりも高い

 請求書電子化の導入意向については全体の75%が導入済み・導入中・導入検討と回答。昨年実施した調査における、領収書電子化の導入意向の46%と比較しても、圧倒的に多いことがわかったという。また、3年以内の導入意向も、領収書電子化の36%に比べ、請求書電子化については97%と、導入意向のあるほぼ全企業で電子化導入が実施される見込みとのこと。

 昨年に比べて、電子帳簿保存法の認知度が向上したという。領収書電子化は経費精算をするすべての従業員が対象となるのに対し、請求書は請求書処理をする限られた従業員のみが対象となるため、電子化導入がより容易であることが考えられるとしている。

請求書電子化の導入は、クラウドサービスを活用

 請求書電子化を導入する際に、クラウドサービスを採用すると78%が回答。平成27年度、28年度と2年連続で電子帳簿保存法の規制緩和がされた背景から、頻繁に変わる要件に対応するため、自社で機能開発が不要で、常に法的要件を含む最新機能を提供するクラウドサービスを利用する企業が多いという結果が得られたとのこと。

電子帳簿保存法の制度要件のシステム対応と、業務プロセスの変更に不安

 請求書電子化に着手する際の阻害要因を尋ねたところ、タイムスタンプなどのシステム的な制度要件に対する追加開発が67%、将来的な制度変更に対するシステムの継続的な改変が61%、複合機やスキャナーなどの電子化デバイスと原稿の請求書管理システムの連動が61%と、多くの企業が電子帳簿保存法の制度要件へのシステム対応面に不安を感じていることが見受けられたという。

 また、制度要件に対応した新しい業務プロセスの設計が63%、社内ルールの徹底が60%と、請求書電子化の業務プロセス変更に不安を感じていることがわかったとのこと。

 コンカーの代表取締役社長である三村真宗氏は、「本調査により、多くの日本企業が請求書の電子化に意欲的である一方、電子帳簿保存法の制度要件に即したシステム対応や業務プロセス対応に不安を感じている状況が読み取れます。その不安を払拭するためにも、パートナー企業と連携しながら、SAP Concurソリューションを通して、企業の請求書電子化を業務プロセスの策定からシステム対応まで一気通貫でご支援することで、日本企業の生産性向上と利益体質化に貢献したいと思います」と述べている。

 一般社団法人日本CFO協会専務理事の谷口宏氏は、「今回の調査で驚いたのは、今や経理・財務部門のほぼ全ての方が請求書を『電子化』しようという意思を持っていたということです。『紙』の請求書による支払業務は、効率の悪さだけでなく、承認プロセスを含めた管理の仕組みとしても十分に機能していないということは、すでに昨年の調査でも明らかになっていましたが、今回は電子化に向けた強い手ごたえを感じることができました。海外に目を向ければ、経理・財務部門では新興諸国も含めてデジタル・テクノロジーを駆使して高次元な分析機能をいかに実装していくかという点に関心が集まっています。日本でも電子化の流れが一気に加速し、デジタル化へと飛躍していけるよう、協会としても支援活動を強化していきます」と述べている。

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