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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第102回

端末選びに注意が必要 auネットワークの格安SIMに乗り換えた

2018年05月24日 12時00分更新

文● 正田拓也

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auのMVNO向けのSIMを挿入してみた

auのMVNO向けのSIMを挿入してみた

 格安SIMといえばドコモネットワークしかないような状態だったのは数年前まで。2014年に「mineo」や「UQ mobile」が参入してauネットワークの格安SIMがスタートし、その後も増加。2016年にIIJmio、2017年にBIGLOBE、2018年にイオンモバイルというように、今や同じ値段でネットワークが選べる状況になっている。

ドコモネットワークで遅いと感じるなら
auネットワークを使ってみよう

 ドコモとauのネットワークの違いはカバーエリア。実際には日本のあちこちをカバーしており、都市部ではほぼ変わりはなく、郊外でも人がいるような場所では変わりはない。ただし、山奥などに行けば行くほどエリアの違いが出てくることになる。

 現在では特にどちらが優れていると言えないほど、両者ともエリアは充実しているが、それぞれに電波が弱い“穴”的な場所というのは存在する。

 運悪く自宅がエリアの穴という可能性もあるし、ある家では家の隅々まで安定して使うためには特定の携帯電話会社のネットワークを選んでおかないと使い物にならないという例もある。

 エリア以外での違いはというと、現在auネットワークの格安SIMでは、原則、LTEによる通信に限定される。

 通話についても一部を除いてVoLTEに限定するため、LTEのエリアでないと使えないということになる。

 ただ、ドコモでは地方や電波の弱いところで3Gとなることもあるが、auは3GとLTEではエリアの差はない印象。その点はほとんど不利になっていない。

 通話もすべてLTEに限定されるのは、格安SIMを2枚用意し、DSDS機でも同時待受をする場合に不利になる。特にau系を2回線同時待受をするにはLTE通信を2つ同時にできる「DSDV」機が必要になる。

 そして、肝心な通信の安定度だが、格安SIMでドコモとauのプランがある場合、それぞれ、ネットワークの混雑は別になる可能性がある。ドコモで遅くて困っていた場合にauに乗り換えると混雑が解消する可能性がある。

スマホの選び方に注意
auブランドのスマホはそのまま使えない

 続いて対応機種が問題になることもある。主なポイントはSIMロック、au VoLTE、周波数帯の対応だ。

 au系ネットワークの場合、SIMフリー機のほかauブランドの端末が使用できそう思えるが、問題はSIMロック。ドコモ系はドコモブランドの端末はそのまま利用できたが、au系はそうはいかない。VoLTE以前とごく最近の端末を除けばauブランドのものであってもSIMロック解除が必要になる。

 具体的にはmineoなどの対応機種情報を参考にしてほしいが、手元にauの「Galaxy S8」(SCV36)があったとしてもSIMロック解除しなければau系の格安SIMは利用できない。

 ただ、その制限も総務省のガイドラインによって解除され、2017年秋以降発売の「iPhone 8」や「iPhone X」「Xperia XZ1」(SOV36)など最新機種はSIMロック解除なしにauネットワークの格安SIMが利用できる。

 続いての問題は、音声通話をする場合はauのVoLTEに対応することが不可欠となる。VoLTE以前の機種はmineoやUQ mobileで非VoLTEの音声通話SIMを選べば使えるが、そのほかの事業者の格安SIMではVoLTE契約しかできないため、auのVoLTEに対応する機種を選ぶしかない。

 auのVoLTE対応の可否は、有名なSIMフリー機やauブランドの機種の場合は、格安SIM事業者が検証して対応表に記載されていることもある。

 最後の問題は対応周波数帯。どの機種であってもバンド1には対応するので、まったく使えないということはまずない。しかし、プラチナバンドと称される800または900MHz帯は、ドコモ(バンド19)、au(バンド18または26)、ソフトバンク(バンド8)とバンドが違う。

 そのため、他事業者用のものをSIMロック解除した機種やドコモネットワークを想定したSIMフリー機の場合、使用できるエリアで不利になる。

 実際に800MHz帯の対応がとれてない機種をauネットワークで使った場合、圏外(またはアンテナマークが透明)が出ることや、アンテナマークは立っているものの通信が安定しないことがよくある。

 なお、キャリアモデルの対応バンドについては各社(ドコモauソフトバンク)がウェブで公開している。

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