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用途にあわせてサービスをつなげる「ハイブリッド接続」のメリット

豪雨レーダーのヘビーな処理を支えるさくらの専用サーバ

2018年05月29日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2018年3月30日、さくらインターネットは「さくらのインフラで作る巨大システム」と題したイベントを大阪で開催した。冒頭、登壇したさくらインターネット研究所の大久保修一氏がクラウドと物理サーバーの使い分けを説明するとともに、日本気象協会とtenki.jpを展開するALiNKインターネットCTOの松本修士氏が普段あまり聞けない気象サービスの裏側を披露した。

クラウドと物理サーバーをいいとこどりするハイブリッド接続

 冒頭、「ハイブリッドクラウド接続で実現するさくらのクラウド/専用サーバのいいとこ取り」というタイトルで講演したのはさくらインターネット研究所 上級研究員の大久保修一氏。さくらのクラウドの開発、ハイブリッド接続など閉域網サービスなどを担当しつつ、Vyattaの書籍を執筆した経験もあるネットワークのスペシャリストだ。

さくらインターネット研究所 上級研究員 大久保修一氏

 最初は、さくらのクラウドと専用サーバの使い分けを紹介。さくらのクラウドは言うまでもなく仮想リソースを提供するIaaSで、仮想サーバーはもちろんのこと、ファイアウォールやロードバランサー、各種ネットワークサービス、NFSストレージなどを提供する。サーバーやネットワークのリソースが柔軟に変更できるほか、Infrastracture as Codeを念頭に置いた運用管理が容易になる。たとえば、最近リリースしたTerrraFormのレシピを使えば、コントロールパネルから複数のインフラ構成を一括構築できるという。大久保氏は、「柔軟性や即時性が優れているので、まずはクラウドを前提にシステムを検討していただくのが個人的なオススメ」と語る。

 一方のさくらの専用サーバはCPUやメモリ、ディスクなどを選択できる物理サーバーのサービス。物理サーバーでありながら、標準構成であれば、最短10分で導入できるのが特徴。長期的にサーバーリソースの変動がない、CPUパワーを専有したい、高いI/O・低遅延なストレージを使いたい場合、自前でOpenStackやVMwareの仮想化基盤を構築したい場合などは専用サーバーが向いているという。また、NVIDIAなどのGPUを使いたい場合は、「高火力コンピューティング」のサービスを使うことになる。

専用サーバーが向いている用途

 これらの特徴をいいとこ取りするにはハイブリッド接続がオススメ。ハイブリッド接続は複数のサービスを同一セグメントのL2ネットワークで接続できるサービスで、「それぞれのサーバーが隣にいるような感覚で利用できる」(大久保氏)という。ハイブリッド接続を利用することで、柔軟性が必要な場合はクラウド、データベースなどを使うハイスペックのサーバーは専用サーバーを使うという使い分けが可能になる。

複数のサービスをL2で接続できるハイブリッド接続

マルチクラウドを意識したAWS接続オプションが登場

 ハイブリッド接続は書類申し込みが可能だが、ハウジングを使わないのであれば、コントロールパネルから初期費用なしのブリッジ接続を利用できる。また、年始にリリースしたローカルルーターの機能を利用すれば、他社システムとの閉域接続も可能になるという。

 ハイブリッド接続は2012年頃から徐々に展開してきた。最初は石狩データセンター内でユーザーごとのVLANを変換していただけだったが、その後、各拠点をつなぐことためにVXLANを使った相互接続網を構築した。リージョンのL3VPNルーター間ではMPLS over VXLANの通信を行なっているので、ユーザー側でピア設定を行なえるのが特徴だ。ピアツーピアの通信のみならず、既存のオンプレミスと同じように利用できるネットワークの柔軟性が大きな特徴と言える。

各リージョンのルーターはMPLS over VXLANの通信

 設定も自動化されており、コントロールパネルからクラウドのAPIがたたかれ、ルーティング制御するローカルルーターのAPIとL2のパス制御を行なうハイブリッド接続用のAPIを経由して、コンフィグが流し込まれる仕組みになっているという。

コンパネからの設定でコンフィグが自動的に流し込まれる

 今後の予定としては、他社クラウドとの連携も進める。「最近、マルチクラウドやハイブリッドクラウドが流行、DRやリソース配分などの目的で、複数クラウドが当たり前になっている」(大久保氏)とのことで、4月にAWS接続オプションの提供を開始した。構成としては、ローカルルーターにピア設定を追加するとDirectConnect経由でAWS VPCとつながるという。また、大阪エリアのハイブリッド接続対応も進めており、2018年頃にさくらのVPS大阪リージョンにも対応するという。

いよいよ開始したAWS接続オプションの構成

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