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国内では大学、デジタル業界、建設業界でDropbox導入が広がる

Dropbox日本法人、個人利用から企業利用へのボトムアップで勢いに乗る

2018年05月21日 11時00分更新

文● 谷崎朋子 編集● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 コラボレーションプラットフォームを提供するDropboxの日本法人、Dropbox Japanは2018年5月16日、今後の事業戦略に関する記者説明会を行った。

 Dropboxは今年3月23日に米株式市場で上場、終値は新規株式公開(IPO)価格を上回る28.48ドルとなり、順調な滑り出しを切った。同社の第1四半期の実績によると、収益は前年比28%増の3.16億ドル。有料ユーザー数は1150万ユーザーに増加。デバイスやOSに縛られることなく、いつでもどこからでも情報共有できる同社のDropboxは個人ユーザーの間で普及している。今ではコラボレーション促進や生産性向上のツールとして企業に導入されるまで成長した。

 「企業での導入も、ボトムアップから全社展開する流れが主流だ。最初は社員が個々に使い始め、有機的に拡大。最終的にはIT部門の適切な制御と管理の下、全社展開に及ぶ」とDropbox, Inc. COO デニス・ウッドサイド氏は説明する。

Dropbox.Inc. 最高執行責任者 デニス・ウッドサイド氏

Dropboxグローバル収益でトップ5市場に成長したDropbox Japan

 こうした展開モデルは、特に働き方改革やクラウド移行、社内起業などの推進という現代のニーズにマッチしており、Dropbox JapanがDropboxの収益トップ5市場に数えられ、成長率がトップ10市場の1位に入るのもそれが理由だとDropbox Japanの代表取締役社長 五十嵐光喜氏は強調する。

 「操作がシンプルで、高い同期性能からストレスなく使えることは、息長く使われるツールとして必須要素。さまざまなファイル形式の膨大なデータを柔軟にやりとりできることは現場の働きやすさを促進し、生産性向上につながる」(五十嵐氏)。

Dropbox Japan 代表取締役社長 五十嵐光喜氏

 国内の導入事例も多い。クラウドストレージでのデータ共有は当たり前、スマホで論文を書くなどデバイスを問わないデータアクセスを求める超デジタルネイティブ世代を抱える大学(関西大学など)や、ボトムアップ志向の強いデジタル業界(Moneytree、メルカリなど)で導入が進んでいる。さらに、多様かつ大容量、膨大なデータを社員やサブコントラクターなど権限の異なるユーザーと共有し、その長期保存が必須である建設業界でも利用が拡大しているという。

 日本市場での好調な展開は、五十嵐氏が主導するセールスプラクティスが要因の1つに挙げられる。Dropboxはこれまで、アカウントエグゼクティブが複数の業界を抱えて対応してきた。これに対し、五十嵐氏は業界選任の担当者を配置。業界の仕組みや働き方などを、深度を持って理解し、ユーザーが本当に求めている真の価値を提案できるように取り組んだ。この戦略は功を奏し、噂は業界を横断、顧客増大につながった。この戦略は日本発のセールスプラクティスとしてグローバルに採用されることが決まり、今後は技術支援のソリューションアーキテクト、トレーニングでも同様のアプローチを適用したいと検討中という。

 社員が倍増し、今年4月からは広いオフィスに移転したDropbox Japan。今後は、次に挙げる3つを主軸に事業を推進、拡張する。

  • 業種業界に合わせた働き方のデザイン
  • Dropbox Paper(アイディア立案から実行までをドキュメント形式で一元的に管理できるソリューション)とDropbox Showcase(企画書やプレゼンテーションなどを簡単に作成、共有できるツール)の活用推進
  • 日本ネイティブなツールを含めた連携の推進とエコシステムの強化

 1つめについては、「たとえば住宅販売の営業マンは週末も稼働しており、一方のB2B中心の半導体は平日中心で動く。業界によってペインポイントやコラボレーション方法は異なり、それぞれに合った提案を仕掛けていきたい」と五十嵐氏。また、日本ではまだなじみの薄いDropbox Showcaseについては、「ある企業では社内報の作成で使っているが、社内ポータルへ簡単かつ迅速に掲載できるなど、従来のWordを使った制作と比べて作業時間がはるかに短縮したと聞く」とメリットを強調。今後はさらにアピールしていきたいと述べた。

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