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オールフラッシュからエントリーまで10モデル、導入支援サービスも提供「Hitachi VSP F/Gシリーズ」

日立、ハイエンド級の性能/信頼性を持つミッドレンジストレージ新製品

2018年05月10日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日立製作所は2018年5月9日、ストレージアレイ製品群の「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)ファミリー」において、ミッドレンジ向けフラッシュストレージ(合計10モデル)をグローバルで販売開始した。オールフラッシュモデルでは従来のハイエンド向けシリーズを上回るパフォーマンスを実現したほか、高可用性機能も提供する。従来比で25%低価格なエントリーモデルもラインアップされている。

 さらに今回は、ストレージアレイ新製品に加えて、独自の重複排除/圧縮技術を適用したストレージ移行後のストレージ容量を事前検証/提案/保証するサービス、システム管理製品「JP1」で自律運用/管理を可能にするソフトウェアの提供も発表されている。

ラインアップを刷新したミッドレンジ向けストレージアレイの最上位モデル「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP) F900」(左)とエントリーモデル「VSP G150」
発表会に出席した、日立製作所 システム&サービスビジネス サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 プロダクツビジネス本部 本部長の後藤照雄氏

アーキテクチャをフラッシュに最適化、高性能と容量削減を両立する新機能も

 今回販売を開始したのは、オールフラッシュアレイの「VSP Fシリーズ」4モデルと、ハイブリッド(HDD/フラッシュ混載型)アレイの「VSP Gシリーズ」6モデル。搭載する機能は全モデル同一で、16Gbps FC×最小8ポート(エントリーモデルのG130のみ4ポート)を備える。

ラインアップを刷新したミッドレンジアレイ「Hitachi VSP F/Gシリーズ」10モデル

 両シリーズでは、フラッシュメディアの高速性能を引き出すためにデータアクセス処理などの機能を刷新した新アーキテクチャを採用しており、最上位モデルのVSP F900では従来のハイエンドモデルVSP G1000を14%上回るパフォーマンスを、またVSP G350では従来同等モデルを200%上回るパフォーマンスを実現している(数値はいずれも日立調べ)。

 また高性能と容量削減を両立させるため、ストレージI/Oのパターンに基づいて重複排除/圧縮処理を適用するタイミングを自動的に切り替える新機能を搭載している。これは、通常運用時(小容量、ランダムアクセスが主)にはI/O性能への影響が小さいポストプロセス方式で、データ移行時やバッチ処理時(大容量、シーケンシャルアクセスが主)には一時領域が不要なインライン方式で、それぞれ重複排除/圧縮を適用する仕組み。

I/O性能への影響を抑えつつ高い容量削減効果を実現するために、重複排除/圧縮の適用タイミングを自動的に切り替える機能を搭載している

 可用性向上のための機能も搭載している。具体的には、拠点間のデータ二重化によるActive-Activeストレージクラスタ「Global-Active Device」、遠隔サイトにあるストレージへの同期コピー「Hitachi TrueCopy」/非同期コピー「Hitachi Universal Replicator」の各機能が提供される。また、データ移行支援ツール「Hitachi Universal Volume Manager」も提供し、他ベンダー製ストレージからの移行を含むデータ移行作業中の業務継続をサポートする。

訂正とお詫び:上記の高可用性/移行支援機能群について、初出時に「従来ハイエンドモデルでのみ提供してきた」としていましたが、製品発表会での説明が誤っていたことがわかりましたので訂正いたします。これらの機能はこれまでもミッドレンジモデルで提供されていました。(2018年5月15日)

 VSP Gシリーズでは、エントリーモデルとしてVSP G130がラインアップされた。従来のミッドレンジエントリーモデルであるVSP G100の同等構成比で25%の低価格化を実現している。

エントリーモデルのG130では、低価格化と移行ツールの提供により導入しやすさが追求されている

 新モデルの税抜価格は、エントリーモデルのVSP G130が134万8000円から、最上位モデルのVSP F900が4132万6000円から。

顧客のフラッシュ移行を支援するサービス、JP1自動化対応ソフトも

 今回はストレージアレイ新製品だけでなく、顧客のフラッシュストレージへの移行を促す新しいサービスおよびソフトウェアも同時に発表されている。

 「データ容量最適化サービス」は、これまでハードディスクベースのストレージを利用してきた顧客に対し、独自シミュレーションツールを使って重複排除/圧縮の効果と移行後の必要容量を事前検証し、最適なモデル/ドライブ構成を提案するとともに、容量削減効果をあらかじめ保証するというもの。SLA的な保証契約となり、万が一、稼働後にその効果が得られなければ容量追加などの保障策も受けられる。

重複排除/圧縮機能を備えるフラッシュストレージへの移行により、性能向上と容量削減の両方が実現するが、これまでは容量削減効果の見積もりが難しかった。日立の新サービスはその課題を解消する

 加えて、オールフラッシュストレージのスモールスタートを可能にする月額払いプログラムもスタートした。ビジネス成長に合わせてストレージ容量/性能を拡張していくことが可能で、この拡張処理は業務無停止で行うことができる。

 ストレージ運用管理の自動化/自律化を促進するために、新しいソフトウェア「Automatic Storage Operation for JP1」の提供も開始した。JP1コンテンツとして導入することで、ストレージ導入時の設定やVMwareのデータストア作成などの日常的な作業の手作業を削減する。

JP1/AO(Automatic Operation)対応コンテンツの提供により、ストレージ運用作業の自動化/自律化を促進する

 Automatic Storage Operation for JP1の税抜価格は34万円から(7月31日より提供開始)。またデータ容量最適化サービスについては個別見積もりとなっている。

今後の戦略、従量課金型など「サービス指向の事業強化」にも取り組む

 発表会に出席した同社 プロダクツビジネス本部 本部長の後藤照雄氏は、企業においてデータのビジネス活用に注目が集まるなかで、日立ではストレージ領域において「あらゆるデータへの随時・高速データアクセス」「投資の最適化」「システム運用の効率化」を目指すしていることを紹介。今回発表したフラッシュストレージ新モデル、容量最適化サービス、JP1ソフトウェアが、それぞれに対応するものであると説明した。

“データセンターモダナイゼーション”のビジョンに基づき、ストレージではこの3点を目標に掲げる

 また後藤氏は、今後の日立ストレージ事業が取り組んでいく戦略として「サービス指向の事業強化」を挙げた。競争力のあるストレージ製品の開発/販売という従来からの動きに加えて、たとえば「従量課金型でのストレージ販売」など、顧客のビジネス/IT課題に即したサービスメニューを強化していく方針を示した。そのほか「Software-Defined製品の市場投入」「クラウドオーケストレーションの推進」といった、成長分野における開発の強化にも取り組むと述べた。

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