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仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第31回

そろそろPower BIを使ってみませんか?

無償のデータ可視化ツール「Power BI Desktop」入門

2018年05月07日 12時00分更新

文● 阿久津良和 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

 Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はBIツール「Power BI」に注目する。

 長年Office 365を使っている方でも、「Power BI」はまだ使っていないというケースが多いのではないだろうか。従来Office 365に含まれていた「Power BI for Office 365」は現在Power BIに移行されており、厳密にはOffice 365のサービスではないが、Office 365ユーザーの読者の皆様にはぜひPower BIも使いこなしてほしい。そこで、本稿では改めて、Power BIの概要と基本操作を紹介する。

Webブラウザーからアクセスした「Power BI」

 Power BIは少々複雑な料金体系なので、かいつまんで説明しよう。まず、BIデータを可視化する「Power BI Desktop」や、閲覧するモバイルアプリの「Power BIモバイル」は無償使用可能。企業全体に幅広くレポートを発行する柔軟性を持つ「Power BI Pro」「Power BI Premium」は前者が1090円/月のユーザー単位、後者が容量ベースのライセンス体系を採用する。例えば1000ユーザーであれば約76万3000円/月。このあたりは公式サイトの計算ツールを利用して確認してほしい。

Power BIとPower BI Proの機能差

 肝心の機能差だが、上図で示したように意外と多い。企業内での利用を踏まえると、共同作業に用いるアプリのワークスペースが利用できないのは厳しい。だが、使用頻度の高い利用者だけがPower BI Proを契約すれば、他のユーザーは無償版でも利用できるため、使い方を工夫すれば費用負担はそれほど大きくならない。

データからインパクトを獲るPower BI Desktop

 それではPower BI Desktopを実際に使ってみよう。公式サイトからインストールし、PCで起動すると真っ白な画面が現れる。まずはデータを取り込まないと話が進まない。Power BI Desktopが対応するデータ形式は以下のとおりだ。

Power BIが対応するデータ形式(2018年4月時点)

 今回はWikipediaにある「都道府県の人口」を元にBIデータ化する。下図に示した手順では<データを取得>を利用しているが、Power BI Desktop起動時のスプラッシュ画面の同項目を利用してもよい。Web経由の情報取得はTableタグを抽出して選択する方法を用いる。一見すると各年度のデータを選択してしまうが、基本的には<Table 0>を選んで、取得データを加工した方が早い。適切なデータか否かを判断するにはプレビューを利用しよう。

1.<データの取得>ボタン→<その他>→<Web>→<接続>ボタンと順にクリックする

2.テキストボックスにURLを入力して、<OK>ボタンをクリックする

3.ちなみに<詳細設定>のラジオボタンを選択すると、取得方法の設定が可能になる

4.「表示オプション」から<Table 0>を選択して、<読み込み>ボタンをクリックする

 Webデータの取得を終えたら、次はデータの加工が必要となる。「Power Queryエディター」で不用な行を削除し、データ内容の明示やエラー修正を行う。このあたりはExcelと同じ感覚で操作できるため、細かい説明は不要だろう。

5.<クエリを編集>ボタンをクリックすると起動する「Power Queryエディター」の<行の削除>→<上位の行の削除>と順にクリックする

6.テキストボックスに「1」と入力して、<OK>ボタンをクリックする

7.数値部分をすべて選択して、<データ型>→<整数>と順にクリックする

8.<変換>タブ→<値の置換>→<エラーの置換>と順にクリックする

9.テキストボックスに「0」と入力して、<OK>ボタンをクリックする

10.後は「フィールド」で表示する要素を選択し、「視覚化」で表示方法を選択すれば、情報の可視化が可能となる

 後は<ファイル>タブ→<発行>→<Power BIへ発行>を選択すれば、Office 365のPower BIレポートとしてマイワークスペースに発行できる。前述のとおりアプリのワークスペースへの発行はPower BI Proのライセンスが必要になるが、会議や営業先での提示に活用できるはずだ。

 本稿では、Power BIの機能のほんの一端を紹介した。読者の皆様がPower BIを起動するきっかけになれば嬉しい。

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