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基調講演で「企業に必要な4つの変革」「人とマシンの新たな関係」を語る、「Dell Technolgies World 2018」レポート

マイケル・デル氏、デルテクノロジーズの「総合力」を強調

2018年05月07日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 米デルテクノロジーズのプライベートイベント「Dell Technolgies World 2018」が、現地時間の2018年4月30日から5月2日、米国カリフォルニア州ラスベガスで開催された。初日午前の基調講演では同社会長兼CEOのマイケル・デル氏が登壇し、企業のデジタルトランスフォーメーションや、AI/機械学習、IoT活用など、将来に向けたビジョンを語った。

「Dell Technolgies World 2018」1日目の基調講演に登壇した、デルテクノロジーズ 会長兼CEOのマイケル・デル(Michael Dell)氏

「ビジネス=テクノロジーの時代、成功の姿は従来とはまったく違うものになる」

 デルとEMCの統合に伴って誕生し、3回目を迎えた同イベント。昨年までの「Dell EMC World」というイベント名は「Dell Technolgies World」に改称され、Dell EMCやDell,IncだけでなくVMwareやPivotal、Virtustreamといったファミリー企業のプロダクトやサービスも包含する、デルテクノロジーズファミリーのエンドトゥエンドでの“総合力”がこれまで以上に強調される内容となった。

 2016年の「Let the transformation begin.」、2017年の「Realize」に続き、1万4000人超の参加者を集めた今年のイベントテーマには「Make It Real」を掲げた。統合以後、一貫して「顧客企業のトランスフォーメーション(変革)を支えるITインフラの提供企業」というビジョンを掲げてきたデルテクノロジーズだが、多くの顧客企業においてその“変革”が構想から実践、現実のフェーズに進んだことをふまえている。

会場はラスベガスのサンズエキスポ&コンベンションセンター

 デルテクノロジーズが語る変革は「デジタル変革(デジタルトランスフォーメーション、DX)」だけを指すものではない。DX実現の前提となる「IT/データセンターの変革」「ワークフォース(働き方)の変革」「セキュリティの変革」も加えた“4つのトランスフォーメーション”が必要だというのが従来から一貫する主張であり、それらすべてに対してエンドトゥエンドで製品/サービスを提供できるのが、7社で構成されるデルテクノロジーズファミリーの強みだとデル氏は強調する。

今回のイベントでも「“4つのトランスフォーメーション”への道のり」を繰り返し訴えた

 「だからこそ、より多くの顧客がデルテクノロジーズを選択してくれる。2016年の合併以降、ファミリー全体の売上はわれわれの計画を数十億ドル上回っており、当初の予想よりも速いスピードで成長している」

 ごく大まかに分類すれば、デジタル変革がVMwareやPivotal、IT変革がDell EMCやVirtustream、ワークフォース変革がDell,Inc、セキュリティ変革がRSAやSecureWorksの主要ドメインということになるだろう。

デルテクノロジーズファミリーはDell、Dell EMC、Pivotal、RSA、SecureWorks、Virtustream、VMwareの7社で構成される

 「現在の企業では『テクノロジー』がビジネスアジェンダのトップにあり、顧客はそこに(ビジネスの生き残りを)賭けている。テクノロジー戦略こそがビジネス戦略になった」「(テクノロジー=ビジネスの時代になったことで)将来における(ビジネス的な)成功の姿は、過去のそれとはまったく変わったものになる」

「AIという“ロケット”を飛ばすためには、データという“燃料”が必要だ」

 一昨年、昨年の基調講演と比較して、デル氏が今年特に強調したと言えるのが「ビジネスにおけるデータ活用」、そしてそれを支えるAI/機械学習(マシンラーニング)やIoTのテクノロジーだった。これらも現在の企業ビジネス戦略に大きく関わっているものだ。

 デルテクノロジーズファミリーそのものは、IBMやグーグル、マイクロソフトなどのようにAI/機械学習のエンジンやクラウドサービス、アプリケーションを直接的な事業対象とはしていない。ただし、その基盤を支えるインフラ製品/サービスはDell EMC、VMware、Pivotalなどを通じて提供している。

 「90年代の半ば、インターネット市場のことを思い出してほしい。当時の企業は『インターネット製品』『インターネット事業部門』『インターネット担当役員』などと言っていたが、それらは今はどうなったか? 今ではインターネットは当たり前の(特筆すべきものではない)存在になった。クラウドもAIもIoTも同じだ。これらは“イネーブラー”のテクノロジーなのだ」

 ここでデル氏が言う“イネーブラー(enabler)”とは、それ自体が目的ではなく「何らかのビジネス目標を実現するための手段」と理解するのが正しいだろう。実際、AI/機械学習でもIoTでも、具体的なビジネスソリューションでは業種ごとに細分化され、テクノロジーの使い方は大きく異なるものになる。デルテクノロジーズでは、それらに直接関与するアプリケーションやソリューションではなく、顧客企業やパートナー(SIベンダーなど)に対して最良の“イネーブラー”となるインフラ製品/サービスを提供する、という立ち位置だ(これはパブリッククラウド市場における立ち位置と似ている)。

 実際に同ファミリーのインフラ製品/サービスビジネスは、AIなどのテクノロジーを組み込んだ新しいタイプのアプリケーションの成長に強く牽引されていると、デル氏は説明する。

 そして、AIやIoTの取り組みで重要視されているのが「データ」だ。デル氏は「AIエンジンが“ロケット”ならば、データはその“燃料”だ」と述べ、「たとえすばらしいAIアルゴリズムがあっても、データがなければまったく役に立たない」と強調する。

 企業内に分散しているデータを一カ所に集めてデータレイクを構成し、より多くのデータから学習させることで強力なAIアルゴリズムが生まれる。それをまた大量のデータに適用し、推論させることで新たな製品やサービスというビジネス価値を生み出す。「このサイクルを迅速に回すことのできるインフラ製品/サービスの提供がわれわれの役目だ」と、デル氏は断言する。

 今回のイベントでは、NVMe技術をベースにハードウェアを刷新したVMAXオールフラッシュストレージの後継機「PowerMax」、GPU搭載数を強化した「PowerEdge R940xa」サーバーなどが新たに発表されている(そのほかの新製品/サービスも含め、詳細は次回記事でまとめる)。

大量のデータをAI/NN(ニューロネットワーク)/ML(機械学習)で処理することで製品/サービスの価値を向上させ、顧客フィードバックをまたデータとして活用するサイクル。これをスピーディに回すことで企業競争力を高めていく

 IoTについても同様だ。たとえば自動運転車や工場のロボット自動制御などでは、危険を回避するために瞬時の自動判断が必要になるケースがある。そのためにはクラウド側ではなくエッジ側にも危険予測のAI/機械学習エンジンを実装し、常に短いレスポンスタイムで処理できる仕組みにする必要がある。デル氏はこれを「ディストリビューテッドコア」(分散型コア)と表現し、その必要性を強調した。デルテクノロジーズでは、エッジ側へのインテリジェンスの実装を可能にする「Dell Edge Gateway」やHCIの「VxRail」、エッジ環境へのアプリケーション実装を容易にするVMwareやPivotalの仮想化/コンテナ化ソリューション、管理ツールの「VMware Pulse IoT」、セキュアなネットワーク接続を実現する「VMware NSX」などを提供している。

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