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春のヘッドフォン祭 2018第13回

KSE-1200やRMCE-USBについて聞く

なぜシュアは、静電型/USB Type-C接続にいま取り組んだのか?

2018年05月04日 12時00分更新

文● 山本 敦 編集●ASCII

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インタビューに答えていただいた米Shure Inc.のマット・エングストローム氏(右端)、ショーン・サリバン氏(中央)とトーマス・バンクス氏(左端)

 春のヘッドフォン祭 2018の会場で、シュアはアナログ接続に特化した静電型イヤフォンシステム「KSE1200」を発表した。同時にイヤフォンの「SEシリーズ」用のオプションとして、USB Type-C端子とMMCX端子を持ち、スマートフォンとデジタル接続できるリケーブル製品「RMCE-USB」を発表した。対極のキャラクターを持つ新製品のお披露目だ。

イベントの開催に合わせて来日したシュアの担当者を訪問して、各製品の開発意図やシュアのこれからの製品戦略も聞くことができた。

インタビューに答えてくれたのは米Shure Inc.のプロダクトマネジメント・シニアカテゴリーディレクターであるマット・エングストローム氏、プロダクトマネジメント・シニアマネージャーのショーン・サリバン氏、そしてプロダクトマネジメント・シニアスペシャリストであるトーマス・バンクス氏の3名だ。

シュアのフラグシップサウンドが一段と身近になった「KSE1200」イヤフォンシステム

 シュアは2015年に世界で初めて、ポータブルタイプの静電型イヤフォンシステムを発表した。静電型イヤフォンと専用のアンプをセットにした「KSE1500イヤホンシステム」だ。あれから約2年半の時を経て、今度はアナログ接続に特化した「KSE1200イヤホンシステム」を発売する。

シュアのフラグシップイヤフォンシステムにアナログ専用モデルの「KSE1200」が登場
USB-DACを内蔵するKSE1500イヤフォンシステム

 話が少し複雑なのだが、どちらの製品もイヤフォン部は同等だ。シュアではイヤフォン部単体の名称を「KSE1500」と呼んでいる。実際にはタイプの違う専用高電圧アンプを組み合わせることになり、DAC内蔵の従来版は「KSE1500イヤホンシステム」、アナログ接続のみの新機種は「KSE12000イヤホンシステム」という正式名称になる。本稿では先に発売されているデジタル入力に対応するUSB-DAC内蔵の上位モデルをKSE1500、新製品をKSE1200と呼び分けることにする。

ケーブルも独自に開発。高電圧出力のイヤフォンを安全に楽しむことができる
手のひらサイズのアンプ。KSE1500のアンプからUSB-DACやディスプレイを省いている

 KSE1200はハイレゾ対応の静電型MicroDriver 1基を搭載するカナル型イヤフォン部と、新規に開発されたアナログ専用の高電圧アンプ部を組み合わせたイヤフォンシステムだ。プレーヤー機器との接続には3.5mmプラグのアナログ音声ケーブルを使う。底面のmicro USB端子は充電専用に設けられたものだ。内蔵バッテリーの連続駆動は最大約12時間。このほか、アンプに搭載する機能はアナログ入力に対して0dB/-10dBの2通りからゲインが選べる「入力パッド」のみという、とてもシンプルで割り切った仕様だ。

 筆者はKSE1200をヘッドホン祭の会場と、今回のインタビューでAstell&Kernの「AK70 Mk2」につないで聴く機会を得た。KSE1500からそのまま受け継いだ透明で立体的なサウンドに思わず引き込まれてしまった。鮮明なディティールと圧倒的なリアリティはKSEシリーズのオーナーだけが味わえる特権だと思う。DAPとの接続はケーブルを挿すだけなので何も迷うことはなく楽しめる。

 どちらの製品も価格はオープンだが、市場の想定売価はKSE1500が約36万円前後であるのに対して、KSE1200は19万8000円前後で販売されることになりそうだ。依然高値とはいえ、これならばシュア最強のフラグシップを“一生もののイヤフォン”として、真剣に購入を検討してみたくなるという方も増えるのではないだろうか。

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