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春のヘッドフォン祭 2018 第10回

ルーマニアMeze Audioによる世界初ドライバー搭載モデル

2年かけた意欲作、Mezeのヘッドフォン「EMPYREAN」の音に驚き

2018年04月29日 06時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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EMPYREAN(エンピリアン)

 中野サンプラザで開催中の「春のヘッドフォン祭 2018」で、テックウィンドが新製品発表会を開催。ルーマニアのMeze Audioによるヘッドフォン「EMPYREAN(エンピリアン)」の詳細を説明した。

 Meze Audioは同イベントのほか、国内の別のオーディオイベントにもたびたび出展しており、「Meze 99 Classics」や「Meze 99 Neo」など、素材にこだわりを見せる製品を展示していた。

 EMPYREANは日本語では「最高天」と訳され、そのまま、古代の宇宙論で、天の最も高い場所を表現した単語だ。Meze Audioの社長兼デザイナーのアントニオ・メゼ氏は、その単語の意味に加え、自身が最も好きなアルバムと話すジョン・フルシアンテの「ザ・エンピリアン」になぞらえてもいると説明した。

 開発にはおよそ2年をかけた。EMPYREANは「平面磁界駆動型ハイブリッドドライバー」を搭載した製品で、同ドライバーを搭載するヘッドフォンとしては、世界初をうたう。

世界初をうたう平面磁界駆動型ハイブリッドドライバー

 ウクライナのRINAROが開発したドライバーで、基本的な仕組みは平面駆動型のドライバーに準ずるが、上部に低域用の「スイッチコイル」を、下部に中高域用の「スパイラルコイル」を配置する。2つの平面駆動型ドライバーを採用することで、特に低域の減衰を減らし(=スイッチコイルで補間)理想的な周波数のバランスを実現したとする。

 アントニオ・メゼ氏は、「オーディオファンに向けたヘッドフォンを作るためには、優れた特性を実現するだけでなく、軽量なドライバーにする必要があった」と説明。この両立を図るために、卵型のドライバーとハウジングを採用。「不要な非活性表面」(説明資料ママ)の削減と、大きな出力の両立を図った。

 また、アントニオ・メゼ氏は、同社がこれまでの製品でも重視してきた「コンフォート」の要素も引き続き取り入れているとし、ドライバーを支えるフレームには航空機グレードのアルミ合金、ヘッドバンド部にカーボンファイバーを採用。高い剛性を得ながら、軽さも実現。「頭部との接地面積が大きい」とするヘッドバンドのパッド部との組み合わせにより、長時間つけていても疲れにくく、つけていることさえ忘れてしまうほどの(アントニオ・メゼ氏)つけ心地のよさを実現したという。

 視聴したところ、同社のほかの製品にも通じる、品のよい音作り。どちらかというと、モニターヘッドフォン的な方向性(特定の帯域を誇張しない)であり、レコーディング段階で記録されたソースに混ざっているノイズなどもクリアに聴き取れる。コイルが2つ入っていることは、説明されなければわからないが、一聴して明らかに良質と感じる音は、ぜひ会場で体感してほしい。

 価格や発売時期の詳細は現時点で不明だが、担当者によれば、6月頃には予約販売が開始できるかもしれないとのことで、ハイエンドクラスに属する価格帯での発売を見込む。なお、国内での代理店は、カスタムIEMのWestoneなども取り扱うテックウィンド。

ハイブリッド型イヤフォン「RAI」

 また、参考出展となるものの、ハイブリッド型イヤフォン「RAI」も紹介された。会場に設置された分解図を見る限り、BAドライバーを2基、ダイナミックドライバーを1基搭載するモデルと思われる。音の導管と思われる、数本のチューブを組み合わせたような内部構造も展示されていた。こちらの価格や発売時期については現時点で不明。

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