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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第557回

江戸時代! 1840年設計のロシア製オールドレンズ「Petzval」で猫を撮る

2018年04月28日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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まずは寝ている猫を撮って慣れていく

 マニュアルフォーカスなので慣れないうちは動かない猫からはじめるのがいい。動かない猫は寝てる猫である。

 京都のお寺の片隅で寝てる猫を狙ってみた。

京都のお寺で、人が通らない閉鎖された門の前で寝てた猫(2018年4月 富士フイルム X-T2)

京都のお寺で、人が通らない閉鎖された門の前で寝てた猫(2018年4月 富士フイルム X-T2)

 モノクロモードで撮るのも似合う。下の写真は自販機の上にちょこんと座ってたキジシロの猫。

青い自販機の上で。周辺に比べて猫が白いのでモノクロにすると猫が際立つのだ(2018年4月 富士フイルム X-T2)

青い自販機の上で。周辺に比べて猫が白いのでモノクロにすると猫が際立つのだ(2018年4月 富士フイルム X-T2)

 自販機の色が派手でちょっと邪魔だったのでモノクロモードで撮影。猫だけが白いのでいい感じに際立ってくれた。

 同じ猫をカラーで。自販機の青があまり目立たないところギリギリまで近寄って撮影。

 こちらは背景の葉っぱがこのレンズ独特のいわゆる「ぐるぐるボケ」を見せてくれたので、その緑を生かしてみた。この猫、目元が可愛くていい。

背景の葉っぱのボケ具合がよかったので緑を生かすように撮ってみた。つぶらな目がチャームポイント(2018年4月 富士フイルム X-T2)

背景の葉っぱのボケ具合がよかったので緑を生かすように撮ってみた。つぶらな目がチャームポイント(2018年4月 富士フイルム X-T2)

 そんな「Petzval」(ペッツバール)レンズをロモグラフィーは「New Petzval 58 Bokeh Control Art Lens」としている。「ボケをコントロールしてアートな写真を撮るためのレンズ」ってわけだ。

 レンズにはボケをコントロールするためのリングがついているのである。これを回して「7」にするといわゆる「ぐるぐるボケ」を楽しめる。

ボケ具合がわかりやすいよう、フェンスを背景にしてみた。背景がぐわんと回転してる様にボケてるのがわかる(2018年4月 富士フイルム X-T2)

ボケ具合がわかりやすいよう、フェンスを背景にしてみた。背景がぐわんと回転してる様にボケてるのがわかる(2018年4月 富士フイルム X-T2)

 逆に「1」にすると、ぐるぐるが少しおさまってほわっとした柔らかいボケになる。

こっちは回転が抑えられてふわっと、でもちょっと個性的なボケをみせてくれた(2018年4月 富士フイルム X-T2)

こっちは回転が抑えられてふわっと、でもちょっと個性的なボケをみせてくれた(2018年4月 富士フイルム X-T2)

 その使い分けも面白い。

 まあ、絞り値を変えるのに専用のプレートが必要だったり、当然ながらフォーカスはマニュアルのみなのでじっとしててくれない猫を撮るには向いてないのだが、だからこそ挑戦したくなるわけである。

お粗末さまでした、って写真で締めてみた(2018年4月 富士フイルム X-T2)

お粗末さまでした、って写真で締めてみた(2018年4月 富士フイルム X-T2)

 レンズを換えて楽しんでこそデジタル一眼、ってことで、時には古い設計の個性的な写りをするレンズに手を出し、現代のレンズでは味わえない写りを目にし、レンズ沼にずぶずぶとハマっていくのもまたゴールデンウィークのよい過ごし方である。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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