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KDDIは、HoloLens対抗のスマートグラスで5G時代をさらに楽しくする

2018年04月26日 17時15分更新

文● オカモト/ASCII編集部

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 KDDIと米サンフランシスコに拠点を持つODG(Osterhout Design Group)は、xR技術を活用したスマートグラスの企画・開発を推進すべく、戦略的パートナーシップを締結したと発表した。KDDIは国内での利用や同社のパートナー企業との実証実験などの面で、実用化に向けてサポートする。

KDDIがスマートグラスの開発で知られるODG社とパートナーシップを締結した

 今回の実証実験で用いられる、ODGが開発した「R-9」は、約181gという軽量な本体に、Snapdragon 835を搭載。単体で位置トラッキングに対応した各種AR/VRアプリを動作させられる。また、50度の広い視野角に加えて、22:9のワイド表示に対応。「THXディスプレイ規格」の認証を取得するなど、高画質なビデオの再生も可能としている。現在は無線LANでの通信機能しか持たないが、今後はモバイル通信への対応も検討するという。

こちらが実際の「R-9」。近視の人には矯正用のグラスを組み合わせて利用する方式を取っている

 質疑応答でも、マイクロソフトの「HoloLens」との違いについてたずねられたが、微妙に方向性が違うのではないと回答。小型軽量が利点で、このサイズで得られる体験価値では非常に優れているのではないかとした。また、Androidベースなので、既存のアプリとの親和性が高く、Androidアプリを開発しているラインがそのまま利用できて非常に効率的だとも説明された。

 なお、ODGはもともとは政府向けに暗視スコープを開発していた企業。スマートグラスへの取り組みを開始して以降は、すでに軍事、ヘルスケア、救急、ロジスティック、建設、エネルギーなどの分野で実績がある。また最近発表されたFedExとの取り組みでは、パイロットの緊急時用酸素マスクにODGの技術を組み込むことで、ハンズフリーでモニター表示を可能にするとのこと。

単体のARグラスの複数モデルをラインアップに持っている。もともとは暗視スコープを開発していたとのこと

 一方のKDDI側のメッセージは「“ワクワク”を提案する」というもの。生活や社会にワクワクを提案するとともに、今回は「バーチャルキャラクター」とのコラボによるビジネス開発についても発表された。具体的には、初音ミクで知られるクリプトン・フューチャー・メディアとの間で開発した、ARアプリ「ミク☆さんぽ」を活用したARビジネスなどがある。

パートナー企業との実証実験で実用化を目指す。今夏にはJALの空港ラウンジで映像視聴の実験を行ない、最終的には機内コンテンツとしての活用も想定

左が「ミク☆さんぽ」。右は遠隔地から作業の指示を出すことを想定した活用例のデモ

 販売時期や価格などはまだ具体的には考えておらず、本格的な普及は5Gも含めて環境が整備される2020年頃と考えているとのこと。他のスマートグラスと同じく、企業ユースが先行されそうだ。


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