今回のことば
「2社以上のIaaSを活用しているユーザーは、全世界で67%、日本でも54%を占める。そして、非構造化データの構成比は2020年には98%を占めると予測されている。マルチクラウド活用を前提としたデータ中心の管理が求められている」(ベリタステクノロジーズの大江克哉社長)
ベリタステクノロジーは、2020年度までの3ヵ年で日本における売上高を2倍にする計画を打ち出した。
ベリタステクノロジーズの大江克哉社長は「これまでのベリタスは、データ保護ソフトウェアでナンバーワンの企業というイメージが定着しているが、2020年度に向けて、マルチクラウドのデータ管理ナンバーワン企業を目指す。顧客がデータ活用をマルチクラウドで簡単にできるように支援する企業になる」と語る。
マルチクラウドは、企業のITシステムにおいて今後の標準環境になるとの見方が支配的だ。
市場調査によると、クラウドファーストを標榜する企業は世界で56%。日本でも45%を占めている。また、2社以上のIaaSを利用している企業は全世界で67%、日本でも54%を占める。3社以上とした場合には、世界で42%、日本では32%。そして、5社以上とした場合にも、世界で16%、日本で9%の企業が占めるという。
「マルチクラウド活用を前提としたデータ中心の管理が求められている。しかも、2020年には扱われるデータの98%が非構造データになると予測されている。データ管理もこうした時代の変化に対応する必要がある」とする。
成長の柱であるアプライアンスをNECが取り扱い開始
ベリタスでは、マルチクラウド市場に対するアプローチとして、これまで以上にエンタープライズビジネスに力を注ぐ一方、日本では、NEC、富士通、日立の3社とのOEMビジネスを強化。アプライアンス、ソフトウェアデファインド、クラウド、コンサルティングの4つの領域にフォーカスすることで、事業成長を加速させる。
富士通、日立とは、ストレージに関する新たなプロジェクトを推進しており、近々発表できるという。
「エンタープライズユーザー向けに直接ハイタッチ営業体制を強化するが、パートナーを通じた協業ビジネスが100%である体制は変えない。また、売上高を2倍にするためには、アプライアンスのビジネス成長が大きな柱になってくる」とする。
売上高の倍増にともない、人員の増加にも取り組み、コンサルティングや直接営業部門での陣容強化を図ることになるという。
また、ビジネス成長の柱と位置づけるアプライアンスでは、新たにNECが、ネットバックアップアプライアンスの取り扱いを開始。同製品に関する保守窓口もNECがワンストップで対応することで、全国規模でカバー。販売に弾みをつけたい考えだ。NECが持つ大手企業や官公庁への高い実績をもとに、新たな顧客層を開拓していくことになる。
さらに、大規模でフレキシブルなアプライアンスの発表や、大容量、長期保存向けのSDSによるアプライアンスを提供することにも言及。具体的には、バックアップ、ストレージ、重複排除に必要なすべての機能を単一アプライアンスに統合するとともに、耐障害性に優れた「Veritas Flex アプライアンス」と、長期間のデータ保存に最適な「Veritas Access アプライアンス」を新たに投入する。
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