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キャリア表示が「IIJ」に! フルMVNOになった訪日観光客向けプリペイドSIMを試す

2018年04月14日 15時00分更新

文● オカモト/ASCII編集部

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 IIJは、フルMVNOとしてのサービスを開始。主に訪日観光客をターゲットにしたプリペイド型データSIM「JAPAN TRAVEL SIM」を発売した。家電量販店などで購入できるので実際に試した。

これまでMVNOのSIMでは「NTT DOCOMO」と表示されていた部分が「IIJ」に!

IIJオリジナルのSIMがパッケージ内に
au MVNO用SIMなどと同じ、1枚で3サイズに対応するタイプ

 IIJがフルMVNOになったことによる最大の変化が、独自のSIMを発行できる点。これまでのMVNOは加入者情報の管理にドコモの設備を用いていたため、SIM自体はドコモから借りて使用する形になっていた。一方フルMVNOになって発売された、新バージョンのJAPAN TRAVEL SIMに入っているのは、IIJ自身が用意したもの。実際、ドコモが提供するSIMには無かった、1枚で標準/micro/nanoの3サイズに対応するタイプのSIMが入っていた。

パッケージの中にはSIMのほかに、屏風型のマニュアルなどが

IIJオリジナルのSIM。au MVNOのSIMなどと同じ、1枚で3サイズに対応するタイプ。購入時に間違えることがなくて便利だ

nanoSIMにして、iPhone Xに挿してみる。「4G」ではなく、「LTE」の表示だ

 といっても、ネットワークにドコモ網を用いているのは変わらないので、ドコモ網に接続可能なSIMフリースマホやタブレットなどと組み合わせて利用できる。混雑時の通信速度は相応に低下することから、帯域は他のIIJのサービスと共用だと想像できる。ただし、ドコモのSIMではないので、従来のドコモ系MVNOのSIMと異なり、ドコモのSIMロックが施された端末では利用できない。その点は注意する必要がある。

SIMロックを解除していないドコモのdtab Compactに挿したところ、ロック解除が求められた

 JAPAN TRAVEL SIMのマニュアルとサポートダイヤルは日本語/英語/中国語(簡体字)に対応し、一部は繁体字/韓国語/タイ語の表記も見られる。また、付属するブラステルのカードでは、050番号によるIP電話やコンビニ/クレジットカード払いによる容量チャージなどが可能だ。

iOS端末でプロファイル入手用のネット接続が不要に
来日してくる知人に購入してあげると◎

 実際にデータ通信を利用するためには、最初にアクティベーションが必要。スマホに差すとキャリア部分に「IIJ」と表示されるので、IIJmioと同じ内容のAPN設定を行ない、レジスト用サイトのURLをブラウザーで開く。ここではパスポート番号の入力も求められる。日本のパスポートでもOKだ。

実際に利用するには専用サイトにアクセスし、名前や誕生日のほか、パスポート番号を入力する必要がある。このサイトにはアクティベーション前でもアクセス可能。必要な作業はそのくらいで、手続き後はすぐに利用可能になった

混雑時間帯はそこそこレベルの速度に落ちる

 またこれまでのMVNOのSIM+iOS端末の場合、APN設定には構成プロファイルのダウンロードが必要なので、最初に使い始める前になんらか別のインターネット接続を用意しないといけないわけだが、今回のSIMではiOS端末でも直接APNを設定できるので手間が省ける。日本に来たばかりの人には楽な仕様となった。

 実際に使い始めると、ごく普通のプリペイド型データSIMなので特筆すべきことは特に無いが、注目したいのは価格だろう。家電量販店での価格は1.5GB版が約2000円、3GB版が約3000円。店頭には同じJAPAN TRAVEL SIMでも、従来からのドコモ発行SIMのパッケージが併存しているが、フルMVNO版の方が容量が多くて1000円程度安価だ。前述のように1つのパッケージで3つのSIMサイズに対応しているのもメリットとなる。

 もちろん、国によってはより安価にプリペイドSIMを入手できる例もあるが、数日の旅行には十分な通信量を2000~3000円程度で利用できるなると、訪日外国人にとっての日本の通信環境もかなり改善されてきたなと感じる。外国の知人が来日する際はあらかじめ購入しておいてあげてもいいのではないだろうか。

SIMフリーのAndroidスマホでも使ってみたが、こちらもキャリア表示は「IIJ」に


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