このページの本文へ

三井不動産の協力も得て全国に基地局を展開し、1年間で「人口カバー率60%」目指す

「月額30円から」LoRaWAN IoT通信サービス、センスウェイが提供開始

2018年04月16日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 センスウェイは2018年4月13日、LoRaWAN方式によるLPWA(省電力広域)IoT通信サービス「Senseway Mission Connect」の提供を開始した。「初期費用不要、1デバイスあたり月額30円から」の接続サービスを全国に展開していく。まずは2019年3月までに、全国でおよそ2000基地局を設置して「人口カバー率60%」を目指すと同時に、未提供エリアでもすぐに利用できるようレンタル基地局(レンタルゲートウェイ)も提供する。

IoT通信サービス「Senseway Mission Connect」の概要。LoRaWANによるLPWA通信サービスを全国で提供する
センスウェイ 代表取締役の信藤薫氏同 専務取締役の神保雄三氏。横にあるのがLoRaWAN基地局

大量デバイスならば「月額8円」も、業界最安値かつ業界最大エリアを目指す

 Senseway Mission Connectは、個人/法人を問わず誰でも簡単に利用できるIoT通信サービス。ユーザー登録およびデバイス登録はすべてWebポータル上で完結し、登録すればすぐに利用をスタートできる。ポータル上のコンソール画面から、IoTデバイス群の接続ステータス確認も可能。データ蓄積やデータ処理の機能は備えていないため、同サービス基盤から外部のクラウドアプリケーションなどにMQTTで接続して、データ蓄積や処理を行うかたちとなる。

 同サービスに接続できるIoTデバイス/ゲートウェイはLoRaWAN方式のもの。市販されているセンサーデバイスやGPSトラッカーなどのほか、同社が販売しているArduino向けの通信モジュールを使うことで独自開発のデバイスも接続できる。

LoRaWAN対応の各種センサーデバイスが接続できるほか、Arduinoで開発したデバイスのLoRaWAN通信モジュールも用意している

 同サービスは初期費用不要、最低契約期間なしで、通信量(上り/下りの合計接続回数)に応じた従量制課金となっている。1日の接続回数が12回(2時間おきに接続)の場合、1デバイスあたりの月額料金は30円(税抜)。以下同様に、1日144回(10分おき)であれば100円、1日1440回(1分おき)であれば400円、1日8640回(10秒おき)であれば800円などとなっている。

 これに加えて、契約するデバイス台数が多い場合にはボリュームディスカウントを適用してさらに低料金で提供する。同社 専務取締役の神保雄三氏によると、最大(最安値)で1デバイスあたり「月額8円」での提供を計画しているという。「何台からこの価格を適用するのかは現在検討中。たとえば200万台、300万台程度がまとまれば、などと考えている」(神保氏)。

Senseway Mission Connectの料金表(センスウェイのWebサイトより)。ボリュームディスカウントでさらに安価に利用できるようにする計画もある

 LoRaWAN通信サービスの提供エリアについては、サービス開始時点では関東圏(東京都心、八王子、つくば、柏など)の30カ所。これは三井不動産の協力を受け、高層ビル/マンション屋上などに30カ所の基地局を配置したもの。

 今後さらに基地局の設置を進め、2018年8月末に一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の都市部全域、2018年11月末には大阪や名古屋、福岡など全国主要都市圏、2019年3月末には「人口カバー率60%」を実現する計画。最終的には、国内LPWA事業者で最大のサービスエリア実現を目指すとしている。

三井不動産との提携により、遠方まで電波の届きやすい高層ビル/マンションの屋上にLoRaWAN基地局の設置を進めている

 さらに山間部や大規模な工場、倉庫といったサービスエリア外のユーザーでもすぐに利用できるように、月額制で基地局装置のレンタルサービスも行う。この基地局を設置すると、エリア内のユーザーで共有される仕組み。基地局についても、ユーザーのWebポータルからステータス監視が可能となっている。

提供エリア外で利用したいレンタルゲートウェイサービスも提供する

「接続シェア10%」の獲得が目標、多様なパートナーの拡大も図る

 同日の発表会にはセンスウェイ 代表取締役の信藤薫氏、同 専務取締役の神保雄三氏、同 執行役員の福西佐允氏らが出席し、IoTやLPWAをめぐる市場動向と課題、LPWA市場における戦略などを説明した。

 神保氏は、LoRaWANをめぐる海外と日本の市場動向を説明した。フランスでは通信事業者のオレンジが、また韓国ではSKテレコムが、それぞれほぼ全土をカバーするLoRaWAN通信サービスをすでに展開している。一方で、日本では個別案件でLoRaWANが採用されたースはあるものの、全国をカバーする計画を発表しているのはセンスウェイだけだ。

 センスウェイが掲げる目標は「国内流通するIoTデバイスの接続シェア10%獲得」だ。これはデバイス台数で1億5000万台に相当する。この目標を実現するために、神保氏は通信サービスだけでなく、IoTデバイスからアプリケーションまでのコンサルティング、技術支援、パートナーとのマッチングを行い、「顧客と共にIoTビジネスを作っていく」方針で臨むと語った。

 またサービスエリア展開について神保氏は、大量のデバイスを接続するユーザー企業からの要望に基づく特定エリアへの基地局の優先的な設置、欧米では一般的に行われているLoRaWAN事業者間の相互ローミングといったことも考えられると述べた。

 一方、福西氏はパートナープログラムを紹介した。デバイス、クラウド、アプリケーション、セールスなど6つのパートナーカテゴリが用意されており、現時点で50社超のパートナー企業が参画している。

 「SORACOMをはじめとして、(IoTデータの蓄積や処理、アプリケーション実装などを行う)IoTプラットフォームを展開されている企業は多くいるが、そうした企業ともパートナーとして連携を図れるようにしていきたいと考えている」(福西氏)

6つのパートナーカテゴリとパートナー参画企業(一部)

■関連サイト

カテゴリートップへ

ピックアップ