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機械学習の適用で多様な帳票形式の読み取りにも対応、「PFU Smart Capture Service」

PFU、RPA連携を考えたクラウド型のOCR/データ抽出サービス発表

2018年04月11日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 PFUは2018年4月11日、クラウド型で紙文書のOCR/データ抽出処理を提供するサービス「PFU Smart Capture Service」の販売を開始した。アップロードされた多種類の紙文書画像からOCR処理で自動的にデータを抽出し、RPAや既存業務システムなどに連携するサービス。無償のトライアルサービスも用意し、RPAとの連携で注目が高まっているOCR導入の敷居を引き下げる狙いがある。

「PFU Smart Capture Service」の概要

 PFU Smart Capture Service(PSCS)は、今回新たにPFUが開発したクラウド上のプラットフォーム「PFU AI Capture Platform」を使って提供されるサービス。アップロードされた画像データから文字データを抽出する「基本サービス」のほか、初期設定や外部システムとのインタフェース開発を行う「インテグレーションサービス」、帳票デザインのチューニングや運用レポートなどの「運用オプションサービス」により構成される。

 PSCSの基本サービスは、スキャナやモバイルデバイスのカメラで取り込まれた紙文書の画像がアップロードされると、自動的に画像補正/帳票識別仕訳/OCR/確認修正の処理を行い、テキストデータ(CSVデータ)として出力するというもの。インテグレーションによって、基幹システムやECM、RPAなど他システムへの連携とデータ登録の自動化もできる。

 PFUではこれまで、オンプレミス型のOCRソリューション構築において、特定業務帳票向けの「DynaEye EX」、汎用業務帳票向けの「ABBYY」という2つのOCRエンジンを採用してきた。今回のPSCSはこの2つのOCRエンジンを備えており、処理対象の紙文書に応じて適切なものを選択できる。さらにPFUでは今後、さらに多様なOCRエンジン(日本語手書き文字対応エンジンなど)をこのプラットフォームに乗せていく方針。

PSCSの管理ポータル画面(イメージ)

 またPSCSでは、PFUがあらかじめ「帳票データバンク」に定義しているおよそ1000種の帳票フォーマットへの対応に加えて、機械学習技術の適用により「準定型帳票」にも対応する。準定型帳票とは、医療領収書や納品書、保険証券、健康診断書など、フォーマットは多様だが記載項目には高い規則性のある帳票を指す。これらの帳票では、ユーザーが事前に帳票フォーマットを定義しなくともデータを抽出できる。修正結果を自動学習する仕組みもあり、読み取りの精度をさらに高めていく。

 PSCS基本サービスの初期設定費用は40万円(税抜、以下同)。利用料金は年額で、年間の読み込み枚数によってプランS(2万枚まで)、プランM(4万枚まで)、プランL(12万枚まで)に分かれている(3000枚単位の追加パックもあり)。プランSは年額60万円、プランMは年額96万円。同日から販売を開始しており、サービス提供開始は5月から。

基本サービス以外にもOCRチューニング、RPAや業務システムとのインテグレーション、運用サポートなど、幅広いオプションサービスを提供する

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