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「ネットカルチャー教室」ただいま開講中第11回

熊本地震発生時にはデマ情報で逮捕者も

島根地震で改めて考える「デマの拡散性」とSNS利用者に求められる「正しい力」

2018年04月10日 17時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda) 編集●ちゅーやん

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 新学期を迎え、進学や進級をきっかけにスマートフォンも持つ子どもたちも多いことでしょう。スマホで写真や動画を撮影するだけでなく、ソーシャルメディアのアカウントを作り、始める人も多いのではないでしょうか。

 その代表的なものは、特定の友だちとのコミュニケーションを目的としたLINE。さらに、スマホで撮影した写真や動画を手軽に投稿することができるInstagram。さらに、有名人や著名人などのつぶやきや、いま起きている出来事やニュースなどの最新情報を得るためにTwitterを、という人もいるのかもしれません。

 LINEやInstagramに比べ、Twitterはどのソーシャルメディアよりも伝達(拡散)のスピードが最も速いとされるメディアのひとつです。それを実感するのは、地震や台風といった自然災害や大きな事件・事故が起きたときです。

熊本地震発災時には1週間で約2610万件の関連ツイートにデマの情報も

 直近では、2018年4月9日未明に最大震度5強を記録した島根県西部を震源とする地震。広い範囲で揺れが観測されたこともあり、突然の大きな揺れに驚いた人たちの反応が深夜の時間帯にもかかわらず、Twitterでたくさん流れました。

 さらに、2年前の2016年4月14日に発災した熊本地震では大きな揺れに驚いた声だけでなく、被災した地域からの被害状況を伝えるもの、さらには救助を求める声もTwitterで多く見受けられました。過去の報道によれば「熊本地震に関連するツイッターへの投稿(ツイート)が1週間で約2610万件」であったことが伝えられています。

 こうしたツイートのなかには、「熊本の動物園からライオンが逃げ出した」という事実に反する噂(デマ)の情報もTwitterで広がりました。

 前者の情報は意図的なデマのツイートで、当該の投稿をした当時20歳の男性は同年7月に熊本市動植物園の業務を妨害したとして偽計業務妨害の疑いで逮捕され、2017年3月に不起訴処分(起訴猶予)となります。

SNSに流れてくる情報が正しい内容なのかを見極める必要がある

 その当時、これらの投稿を目にした人たちの中には、投稿に添えられた画像を目にしてデマであることに気がついた人はいます。しかし、流れてきた情報が本当なのか、デマであるのかを見抜くのは、こうした大きな自然災害が発生し、情報が錯綜すれば錯綜するほど難しくなります。

 それが結果的に、注意喚起を手伝う善意的な気持ちでソーシャルメディアでシェアをしたものが自分の手によってさらに混乱を広げてしまうこともあるのです。

 特に、地震や台風といった自然災害、事件事故などは誤った情報がソーシャルメディアに流れやすくなります。緊急度が高い情報であればあるほど、情報をシェアする前に一旦とどまり「本当に正しいのか?」と情報を選別する必要があるのです。

 これからソーシャルメディアを使い始める子どもだけでなく、既に使っている大人も、常日頃からソーシャルメディアで流れてきた情報は正しいものなのか、それとも誤りなのかを見極める練習を少しずつしておく必要があるでしょう。それではどのようにすれば、誤った情報をほかの人へ広げずに自分の手で食い止めることができるでしょうか。

 それは「2つの心がけ」をすることによって、嘘の情報に惑わされたり、嘘の情報を他の人へ広めたりすることを防げるはずです。

デマを見極めるために必要な2つの心がけ

 ひとつは「情報を投稿した人のプロフィールや過去のツイートにも必ずチェックする」こと。

 どのようなプロフィール(自己紹介)を設定しているのか、さらに、その人はTwitterをいつから始めているのかも情報を投稿した人の「人となり」を知る目安になります。そして日々、どのような内容をTwitterで発信しているのか。これらをチェックすることで、情報を投稿した人はそもそも信頼をできる人なのか、それともそうではないのかをここである程度知る目安になります。

 例えば、Twitterを始めてからの日数が極端に短かったり、プロフィールに設定された文章が適当なものであったり、過去にツイートしている内容に不自然であった場合は、流れてきた情報(ツイート)そのものの信頼性が高くない、と判断することも可能です。

 ふたつめは「同じような情報を他の人も発信(ツイート)していないかをチェックする」ことです。チェックするときには「Twitterの検索機能」を利用します。

 Twitterの検索機能を利用することによって、同じような情報を他の人も発信している場合であれば、多角的に見て、その情報の信頼性は高い可能性があることを意味します。また、その情報に対して「これは嘘の情報である」ことや「既に解決済み(の古い情報)である」ことをTwitterで発信している人を見つけることもあります。

 普段、私たちが気になる情報をTwitterで検索するのと同じように、シェアによって流れてきた情報を検索することによって誤った情報の拡散を食い止める一助にもなり得るのです。それは、緊急度が高い情報に接したときであるときほど心がけなければならない大事なことです。

 緊急時、それこそ自分に直接関わりのある事態のときこそ、現実世界だけでなくSNSでも冷静さが求められるということです。

「必要な情報なのか?」「正しいものなのか?」を判断する自分なりの基準を作る

 Twitterでは本当に数多くの情報が日々流れてきます。たくさんある情報を本当に私たちが正しい情報なのか、それとも誤った情報なのかをきちんと判断できるかどうか心配する人もいることでしょう。

Twitterに流れてくる情報はすべて正しいものとは限らないと心得る
流れてきた情報をやみくも(反射神経的に)にシェアしない
情報を投稿した人のプロフィールや過去のツイートでチェックする
同じような情報を他の人も発信(ツイート)していないかをチェックする

 ということを心にとどめておくだけで、誤った情報を他の人へ自分がシェアをしてしまうことを減らせると思います。

 「これはほかの人にシェアすべき必要な情報なのか?」という情報の取捨選択の力、そして「この情報は正しいものなのか?」という嘘のツイートに惑わされない力を養うことは、Twitterだけに限らず、どのソーシャルメディアにおいても欠かせない必要なことでもあります。

 これらの「必要な情報なのか?」「正しいものなのか?」を判断する(見極める)基準は、他人ではなく「自分」が決めることも大事。これはテレビやラジオ、新聞、雑誌メディアの報道、他人からの伝聞にも同じことが言えると思うのです。

ライブメディアクリエイター
ノダタケオ(Twitter:@noda

 ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。これらの経験に基づいた、ソーシャルメディアやライブ配信・動画メディアに関する執筆やコンサルティングなど、その活動は多岐にわたる。
nodatakeo.com

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