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柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた 第52回

資料の流用元や前任者などの情報をPDFから削除する方法

2018年04月11日 11時00分更新

文● 柳谷智宣

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本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第52回は、資料の流用元や前任者などの情報をPDFから削除する方法。

 PDFファイルには、表示されているデータ以外に、表示されないデータもたくさんある。しおりや注釈、フォームフィールドなど多岐にわたる。たとえば、紙資料をスキャンする際にOCR処理をして作成したテキストも「非表示テキスト」だ。さらには、ファイルの概要や説明といった項目もある。ここには、タイトルやサブタイトル、キーワード、作成者や役職、説明を記入した人の名前、著作権情報などが入っている。通常表に出てこない項目だけに、存在に気がつかないことも多い。しかし、検索したり、プロパティーを開けば一目瞭然だ。

 そこに、たとえば取引先から受け取ったPDFファイルのメタデータに、「タイトル:○○社様プレゼン資料」などと、同業他社の名前を見つけたらどう思うだろうか。まず、資料は流用かよ! と思うだろうし、あそこに断られてこっちに持ってきた企画だと判断し、即スルーとなることだろう。作成者に、担当者以外の名前が入っていても「?」となる。著作権情報のところに別の企業名が入っていたら、そもそもこのファイルは誰のものなのかが気になってしまう。

文書のプロパティや、そこから表示できる「その他のメタデータ」で隠れた情報をチェックできる

表に出ていなくても、検索すればヒットする

 理想を言えば、すべてのメタデータを常に最新状態にし、確認してから共有すればいい。とはいえ、注意しよう、と思うだけではなかなかミスは減らない。そこでオススメなのが、メタデータの削除。確認のために取引先に送る資料には必要がないことがほとんどなので、それならば削除してしまうのも手だ。

 まずは、「ツール」から「保護」を開き、第2ツールバーの「非表示情報を検索して削除」をクリックする。非表示情報の検索結果が表示されるので、該当項目を開いて確認しよう。削除するのであれば、ステータスの下に表示されている「削除」ボタンをクリックする。

「ツール」から「保護」をクリックする

第2ツールバーの「非表示情報を検索して削除」をクリックする

非表示情報の検索結果が表示される

ステータスの下に表示されている「削除」ボタンをクリックすると確認ダイアログが開く

非表示情報が削除された。「非表示情報を検索して削除」ボタンもグレーアウトしている

 なかには、この手動削除まで忘れてしまう、という人もいるだろう。そんな時は、文書を閉じたり電子メールで送る際に、非表示情報の削除を促すダイアログを表示するようにすればいい。「環境設定」の「文書」を開き、「表示情報」→「文書を閉じるときに非表示情報を検索して削除」にチェックを入れよう。これで、文書の保存の有無にかかわらず、閉じようとすると確認ダイアログが開くようになる。

 同様に「文書を電子メールで送信するときに非表示情報を検索して削除」にチェックすれば、メール送信しようとした時に、確認ダイアログが開く。両方有効にしてもいいし、どちらか片方でもOKだ。

「環境設定」で「文書を閉じるときに非表示情報を検索して削除」や「文書を電子メールで送信するときに非表示情報を検索して削除」にチェックする

文書を閉じようとすると、確認ダイアログが出る

非表示情報を削除した後に、保存の有無を選択する

メール送信する時のみ、非表示情報を削除するかどうかを選ぶこともできる

 とはいえ、非表示情報はしおりや注釈、OCR処理したテキストなど、便利に使うためのものなので、むやみやたらに消せばいいというものでもない。取引先に渡すファイルの非表示情報のみを削除することをオススメする。

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