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麻倉怜士のハイレゾ真剣勝負 第23回

ジャズ・クラシックスからアニソンまで必聴の10作品

麻倉推薦:中島美嘉のダリフラOPやシン・ゴジラ&エヴァなど盛りだくさん

2018年04月02日 18時00分更新

文● 麻倉怜士 編集●HK(ASCII)

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『People, Hell & Angels』
Jimi Hendrix

 晩年に自分の「エレクトリック・レディランド・スタジオ」にて多数の録音をものしていたジミ・ヘンドリックス。本作は新発見素材をまとめたアルバムだ。逝去後40年にして彼ののニューアルバムが出るというのもびっくりだ。

 ロック的な進行力が強く、熱きソウルが色濃く感じられる。音はヴォーカルとバンドの一体感が強く、音の核がしっかりと描かれる。ギターソロには独特のセクシーさと、感情が聴ける。ソロの表現、演出も説得力が高い。最新録音のように音像的な解像度はそれほど高いわけではないが、音場的な緊密感、力感、安定感は聴きもの。

FLAC:96kHz/24bit
Legacy Recordings、e-onkyo music

『People, Hell & Angels』
Jimi Hendrix

 現代音楽家のデイヴィッド・バーンの久方振りのソロ・アルバム。低音部が偉容なバックバンドを従えて朗々と歌うヴォーカルの確かな存在感と雄暉な表現力は素晴らしい。第1曲「I Dance Like This」は、スローなバラード部分と、ビートが明確なロック部分が交互に登場するというユニークな構成。

 ブライアン・イーノのプロデュースと聞くと。構成の妙が分かる。録音も良い。ヴォーカルを始めとする各音像が明確な位置感と輪郭感を持ち、ピラミッド的に安定したF特世界で、名技が演じられる。

FLAC:96kHz/24bit
Nonesuch Records、e-onkyo music

『シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽』
鷺巣詩郎、天野正道、東京フィルハーモニー交響楽団

 シン・ゴジラとエヴァンゲリオンというSF界のヒット確実なテーマで開かれたオーケストラコンサートのライブ音源。東京フィルハーモニー交響楽団と新国立劇場合唱団という豪華版だ。

 大きな会場でスケールの大きな演奏が繰り広げられる、ドキュメンタリー性の高い作品だ。オケの個々のパートを個別に描くのではなく、全体としてのまとまりのある音の塊感の強靭さが、本ハイレゾの醍醐味だ。東フィルのサウンドは、すべらかにきれいにまとまる。高橋洋子の「残酷な天使のテーゼ」ヴォーカルは、もっと明瞭度が欲しい。2017年3月22日、23日に渋谷オーチャードホールでライブ収録。

FLAC:96kHz/24bit、WAV:96kHz/24bit
キングレコード、e-onkyo music

『TRUE WOMAN』
NOKKO

 2017年に28年ぶりにREBECCAとして全国ツアーを行なったNOKKOが発表したソロアルバム。エッジとビートが聴いたサウンドだ。ボーカルもバンドも音の燦めきが華やかだ。ヴォーカル音像サイズが大きく、そのエッジはカラフルな響きで満ちる。音が勢いよく、飛び出し、躍動するイメージだ。バックの音場は音で充満される。オリンピック応援歌「翼」も力感とメッセージ性が十全に感じられる。

FLAC:96kHz/24bit、WAV:96kHz/24bit
UNIVERSAL SIGMA、e-onkyo music

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