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「3メガで独り負け」のみずほ、反撃に向け縦割りの幹部人事復活

2018年03月27日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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4月1日にみずほフィナンシャルグループ社長に昇格する坂井氏(右)。役員人事も発表され、銀行業界では異例の年次逆転が決まった Photo:REUTERS/アフロ

 業績不振に苦しむみずほフィナンシャルグループ(FG)が、経営体制に大ナタを振るっている。

 今年1月、4月1日付で佐藤康博FG社長(65歳)の後任として、みずほ証券の坂井辰史社長(58歳)を抜てきすると発表、証券社長からFG社長という異例の交代劇にどよめきが起こった。

 さらに臆測を呼んだのが、5人のカンパニー長の去就だった。

 というのも同社は、2016年にFG傘下の子会社である銀行・信託銀行・証券などグループ各社に横串を刺し、個人や法人など顧客別に管理する社内カンパニー制を導入。各カンパニー長に実権を持たせ、佐藤社長が5人を束ねるという構図を描いたからだ。

 ところが次期FG社長の坂井氏は、5人のカンパニー長より年次が下。入行年次に基づくピラミッド型組織が染み付いた銀行にとっては異例の事態だ。そこで、次の役員人事に注目が集まっていた。

 その人事が発表されたのが3月9日。5人のカンパニー長のうち2人が交代して新社長より年次が下になったものの、3人の留任により一部で年次逆転が確定した。

 むろん、目玉はそれだけではない。今回の人事には、みずほの抱える課題が色濃く浮かび上がっている。ポイントとなるのは、カンパニー長人事のうち、FG副社長を兼任する3人のポストだ。

 まず1人目は、岡部俊胤リテール・事業法人カンパニー長。本腰を入れている店舗の統廃合が実行途中なのに加え、「後任の育成が進んでいない」(佐藤社長と親しい銀行関係者)ため留任となった。

 次に、大企業・金融・公共法人カンパニー長の中村康佐氏と、グローバルコーポレートカンパニー長の菅野暁氏の副社長2人の退任だ。両者ともポスト佐藤の有力候補だったが、中村氏はみずほ証券の会長に、菅野氏は資産運用を担うグループ会社社長に就任する。

縦割り復活で稼ぐ力強化

 この人事、出世競争に敗れて2人が外されたとみるのは早計だ。日本銀行の金融緩和策によって本業の融資が苦しい銀行は、金融商品の販売手数料や資産運用を強化し、収益を上げるしか手はない。

 証券から次期社長を連れてくるほど、銀行・証券の連携はみずほにとって重要な課題だ。

 また、佐藤社長はかねて、資産運用を銀行・信託・証券に次ぐ「第4、第5の柱に据えたい」と語っている。資産運用事業の担当役員経験者の菅野氏には、「得意分野を生かせる人事だ」(前出の銀行関係者)との見方が強い。

 すなわち、FG副社長まで上り詰めた実力者たちを手数料事業のトップに移したことは、再び縦割り強化で稼ぐという意思表示とみるべきだろう。横串から再び縦割り強化へのシフトは苦肉の策だが、“3メガで独り負け”のみずほにとって、反転攻勢に向けた背水の陣といえる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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