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業界人の《ことば》から第287回

30年前、家電は憧れだった 今パナソニックは憧れを作れるか

2018年03月23日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

  「30年前の家電は憧れの存在であった。いま、パナソニックのアプライアンス社について、なにを作っている会社なのかと聞かれれば、私は『憧れを作っている会社』だと答えたい」(パナソニック 専務執行役員 アプライアンス社の本間哲朗社長)

 パナソニックが2018年3月7日、創業100周年を迎えた。あわせて、大阪府門真市に、パナソニックミュージアムをオープンした。

大阪府門真市にあるパナソニックミュージアム

 パナソニックミュージアムは3つの構成に分かれている。100年間の膨大な歴史データをもとに、パナソニックの創業者である松下幸之助氏の経営観や人生観に触れることができる「松下幸之助歴史館」。白黒テレビや洗濯機、冷蔵庫などの第1号製品、歴史に残るエポックメイキングな商品など、550点の商品を展示しながら、パナソニックのものづくりのDNAを探ることができる「ものづくりイズム館」。そして、190本のソメイヨシノが植樹され、一般に開放している「さくら広場」だ。

創業期のヒット商品の二股ソケット
パナソニックのエポックメイキングな商品が一堂に展示されている

 さまざまな役割も担っている。同社社員に対して、創業者の理念を継承し、学んでいく場であることに加え、ビジネスパートナーや得意先にパナソニックの考え方やDNAを伝えて共有する場であること。世界中の多くのパナソニックユーザーやファンに、創業者の考え方を理解してもらう場とすること。そして、地域に開かれた場として、地域の発展に貢献すること。社会科見学にも積極的に利用してもらうほか、ものづくりのおもしろさに触れる校外学習向けプログラムや、一般向け各種ワークショップなども開催する予定だ。

 パナソニック 常務執行役員の石井純氏は「創業者は、企業は社会の公器であると言ってきた。パナソニックミュージアムも、その役割を果たすことになる。パナソニックは、次の100年も成長を続け、発展し、世の中に貢献したい」と語る。

 パナソニック ミュージアムの開館時間は午前9時~午後5時。休館日は日曜日および年末年始。入場は無料。住所は、大阪府門真市大字門真1006。

パナソニックミュージアムの場所は当時の本社跡地

 パナソニックは、経営の神様といわれる松下幸之助氏が、大阪市大開町にアタッチメントプラグの製造工場として、松下電気器具製作所を設立したのが始まりだ。その後、二股ソケットなどのヒット商品によって事業を拡大し、1927年には初めてナショナルブランドを使用した角形ランプを発売。1951年には、洗濯機の生産を開始して家電事業に本格的に参入した。パナソニックの津賀一宏社長はいまも「家電事業は、パナソニックのDNA」と位置づける。

ナショナルブランドを初めてつけた角形ランプ

 1989年に松下幸之助氏が死去。2008年には社名を松下電器産業からパナソニックに変更。さらにブランドをパナソニックに統一していた。

 今回のパナソニックミュージアムのオープンにあわせて、新たに竣工した松下幸之助歴史館の建屋は、大開町から門真市に本社移転した1933年に竣工した第3次本店とまったく同じ場所に、当時と同じ建物外観で復元したものだ。

松下幸之助歴史館はかつての本社を忠実に再現した

 設計図が残っていなかったことから、写真をもとに設計図を作ったり、色を復元したりといった最新技術を用いて新築復元したという。

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