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SXSW 2018レポート第1回

「飛躍 Next Enterprise」オースティンレポート前編

導電シルクから電玉新作まで 多彩な企業が米国出展

2018年04月04日 09時00分更新

文● 北島幹雄/ASCII STARTUP 撮影協力●DJI(Osmo Mobile 2利用)

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 日本全国から高い技術力や優れた事業アイディアを持つ中堅・中小・ベンチャー企業等を募り、シリコンバレーをはじめとする世界各地へ派遣を行なう「飛躍 Next Enterprise」(経済産業省)の2期目が展開されている。

 中でもオースティン派遣コースでは、毎年3月に開催される全米最大級のビジネスイベントであるサウスバイサウスウェスト(SXSW)での「Trade Show」でのブース出展が無料で提供される。今回選ばれた7社は現地でどのような出会いや気づきを得たのか。各社からは展示の手ごたえを動画とともに前後編のレポートでお届けする。

期間中のトレードショーブース内では、アルコールなどもふるまう「ジャパンナイト meet up」も開催された

さまざまな用途が見込める”電気が通るシルク”

 エーアイシルク株式会社は、電気を伝えるシルク(絹)電極の製造販売を行なっている東北大学発のスタートアップ。

 既存の生体用電極と比較し、肌触りがよく、長時間身に付けても肌荒れやストレスを感じないのが特徴。既存商品と比較し、導電効率が高いため、汗をかいたり、動いたりしても問題なく生体情報を取得できる。

 導電性の高分子をコーティングした”電気が通るシルク”の生成がコア技術。同様の繊維は多数あるが、化学反応で繊維を早く作って、完成時の抵抗値も低い。すでにクラレとともに量産化技術も研究を進めている。

布に触ると導電がわかるデモ

 最大のポイントは、抵抗値を抑えたファイバーである点にある。従来の生体用の導電繊維は金属やカーボンでできていたものが多く、抵抗値が高く、ごわごわした触覚で、ジュール熱も発生していた。抵抗値が低くなることで、ノイズの低い綺麗なセンシングが可能となる。

 将来はヘルスケアからスポーツ、介護、自動車、宇宙、アパレルまで、幅広い範囲への応用を目指している。直近でのアウトプットとしてはスポーツウェアでの利用が予定されているという。そのほか、スポーツセンターで鍛えたい部位に対して適切な動きができているかのチェックで効率的なトレーニングなども想定できるという。

 エーアイシルク株式会社 岡野秀生代表取締役CEO

グローバルなパートナーと展開する見守りサービス

 ジョージ・アンド・ショーン合同会社は、無線通信技術とAI技術をコアとした先進の見守りサービス”biblle(ビブル)”を展示。

 自社アプリで張り巡らされたネットワークから吸い上げる日間40万件のデータ分析をもとに、グローバルなパートナー企業と高齢者・子供迷子捜索、地域観光情報配信のサービスを展開している。

 提供するハードは、高齢者や子供の利用を意識したセンサーっぽくない見た目の端末。アプリと連携するロケーショントラックができるデバイスで、本体からブザーが鳴るだけでなくデバイス側からスマホの音を鳴らしたりできる。

試験的にロボホンの利用。帰ってきた子供の存在を検知するなど
LED発光でのライティングパターンデモ

 B2Bのサービスとしてさまざまな企業とコラボをした展開が特徴だ。たとえば、NTT光BOXでは高齢者施設で1日のライフログをとるソリューションをすでに提供。またハワイ州観光局と地球の歩き方とのコラボでは、ハワイのワイキキビーチに設置されたbiblleからクーポンを出すだけでなく、現地での見守りサービスとして実施している。

 会社の成り立ちとしては、今後増えていくであろう企業の副業から生まれたスタートアップ。代表の井上氏は本業ではオラクルのサーバーサイドを担当するエンジニア。ハードの展開を中心にする個別サービスではなく、特定のパートナーと組んだ形での共同展開を意識している。

 ジョージ・アンド・ショーン合同会社 井上憲 共同創業者・代表

センシング進化で死角なし「電玉」新バージョン!

 株式会社電玉は、最新IoTけん玉「電玉」を展示。

 すでに旧バージョンは量産販売を行なっているが、今回はSXSWに合わせて新バージョンを会場で初お披露目していた。最大の特徴は、実際のけん玉に近づいた点にある。

 そもそも電玉は、これまでアナログだったけん玉をスマホアプリを介してネットに接続するIoTトイ。インタラクティブな反応や、はなれた場所での同時対戦などが可能となっている。いまやグローバルな人気を持つけん玉をIoT化することで、世界中の人と一緒につながり国や世代を超えて誰もが遊ぶことができる。

会場で展示していた見本。左から、新型の電玉・実際のけん玉・旧電玉。接合のためのねじ穴もなくなったほか、LEDの発光なども進化した

 ハードの刷新のほか、センシングの方法も変わったことで、できないけん玉技はほぼなくなっている。これまでデジタルに置き換えていたけんと玉での反応を、アナログ値のままセンシングが可能になった。これによって、剣先・皿など各部位からの距離がリアルタイムで判別できるため、特徴的なけん玉技が判別できる。

月面・うぐいすなどが可能に
「極意」系の際の位置に玉を乗せる技もセンシング可能に

 新型はプロからの反応も上々。

 株式会社電玉 大谷宜央CEO

 米国ではけん玉自体を知っている来場者が多いため、大変興味を持たれた電玉。今後は新バージョンをUS、EU、カナダでまずはリリースする想定。世界大会も実施予定だという。

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