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柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた 第50回

Adobe Scanで紙資料をPDF化し、文字を入れて印刷し直してみる

2018年03月27日 11時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●ASCII

提供: アドビ

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本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第50回は、紙資料をスキャンして文字を入れて印刷し直してみる。

 アンケートやチェックシートといった配布された紙資料に何かを記入する際、フォーマットが使いにくいと感じることがよくある。1回限りなら我慢すればいいだけだが、何度も利用するならなんとかしたいところ。

 たとえば、定型の回答なのに、毎回手書きで内容を書かなければいけないのは効率が悪い。選択肢を用意して、○を付ける方が手軽だ。とはいえ、運営している人に「元データをください」と気軽に言えないケースも多いだろう。そんな時は、紙資料をスキャンしてPDF化し、使いやすいように文字を入れて再印刷すればいい。自分だけの効率的な用紙を手軽に作れるのだ。

使いにくい紙資料はAcrobat DCでカスタマイズしてしまおう

「Adobe Scan」で紙資料をPDF化

 まずは、「Adobe Scan」やスキャナーを利用して、紙資料をPDF化する。再印刷するなら、品質の設定で「高画質」にしておくと見栄えが良くなるのでお勧め。検索する必要がないなら、「テキスト認識」はオフにしてもいい。画像として取り込んだら、「ツール」→「スキャン補正」をクリック。第2ツールバーの「補正」から「スキャンした文書」を選択しよう。歪みやモアレを除去したり、文字を読みやすくできる。

「Adobe Scan」で紙資料を撮影する

手軽にPDF化され、Document Cloudに保存される

スキャナーから読み込む場合は、「ファイル」メニューから「作成」→「スキャナーからPDF」を選択する

スキャナーを選択し、設定を変更する。「スキャン」をクリックすれば、読み込みが始まる

再印刷するのであれば、高画質設定にしておくといい

紙文書を取り込んだら、「ツール」→「スキャン補正」→「補正」→「スキャンした文書」をクリックする

「最適化オプション」を「高品質」にして「編集」をクリック

補正機能のオンオフや強度を選択する

用紙の準備ができた

テキストを入力していく

 続いて「ツール」から「PDFを編集」を開き、テキストを入力していこう。今回は、ワインをテイスティングする際のチェックシートを例に作業してみる。ワインのテイスティングは「凝縮感のある」とか「しっかりとした」など、ある程度使う言葉が決まっている。毎回、手書きするのは手間がかかるのだ。そんな時は、選択肢をあらかじめ印刷しておき、○を付けるだけにしておくと効率的。短時間でたくさんテイスティングする場合は、時間の短縮というメリットもある。

 「テキストを追加」をクリックし、任意の部分に入力していけばいい。右側のパネルでフォントの種類やサイズを調整し、枠内ぴったりに表示させよう。文字間隔や配列などもカスタマイズできる。

「ツール」から「PDFを編集」を開き、「テキストを追加」をクリックする

「形式」のプルダウンメニューから入力するテキストのフォントを選択できる

テキストを入力できた。文字が大きいようであればテキストを選択肢、数字をクリック

フォントのサイズを変更できる

入力したテキストをまとめてコピーすることもできる

選択肢のテキストを追加できた

どうせなら、日付などの細かい部分にもこだわって効率化を図ろう

 テキスト入れが完了したら、プレビューを確認し、問題ないようであれば印刷しよう。その際、たとえば元の文書の余白が大きすぎるなら狭くしたり、ページ数やフッターがないなら入れるといったカスタマイズも可能だ。

 効率的に書き込めるようになれば、余った時間を他の作業に回せるようになる。たとえば、ワインのチェックなら、書き込む時間を短縮し、よりテイスティングに集中できるようになるのだ。普段使っている紙資料が使いにくいと感じたら、Acrobat DCでカスタマイズすることをオススメする。

できあがったチェックシートを印刷する

手軽に書き込めるシートが完成した

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