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安藤ハザマと富士ソフトが共同開発

HoloLensで温度や気流分布を可視化する「環境ウォッチ」

2018年02月27日 17時30分更新

文● N/R(えぬあーる)/Mogura VR

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室内空間の気流解析結果を実空間に表示させた様子。吹出し口から伸びている円柱が空気の流れ、色が風速を示している

 安藤ハザマと富士ソフトは、MicrosoftのMRデバイス「HoloLens」を活用した室内環境可視化技術「環境ウォッチ」を共同開発したと発表した。室内の温度や気流の分布などを視覚的に確認できる。

 マイクロソフトのMRデバイス・HoloLensを使用し、温熱や空気の流れなどの事前解析結果を現実空間に重ね、実際のスケールで表示する。視覚化により専門家でなくとも理解しやすいなどさまざまな利点がある。

 空気の状態は実際に目で見ることができないため、建築などの空調設計者、施工者、建物利用者間でのイメージの共有が困難であり、建物利用者に快適な室内環境を提供するという点で課題となっていた。この状況に対して、CFD(数値流体力学)や現地計測を通じて把握された室内温熱・気流環境を、VRを含めたさまざまな手法を適用して可視化を試みたものの、現実空間と結び付けて理解することが困難だった。このような背景から今回、シースルー型のMRデバイスであるHoloLensの活用を考えたという。

 本技術は2017年11月、安藤ハザマ技術研究所で開催された「安藤ハザマ技術フェア2017」において試験適用の様子を先行公開。床吹き出し空調方式のホール(15m四方、高さ8m)を対象とし、空気も温度分布および空調の気流をARによって可視化した。ストレスのない視野の追従や、周囲に人がいる場合にも自分の位置を見失いにくいことなどを確認することができ、事前の解析と、実際に感じられる温度・気流感との差異を即座に現地にて確認できる点など高い利用評価を得たとしている。

 安藤ハザマは今後、技術の展開活用・継続開発を通じて快適性・省エネルギー性の両立した最適な温熱環境の計画・提供に役立てていきたいとしている。まずは、竣工検査時の空調設備の確認と室内温度計測支援や、建物引き渡し時の顧客とのコミュニケーションツールとして、施工現場へ積極的に展開を図る予定とのこと。

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