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「チーム応援ライセンス」を導入してクラウドの裾野を拡大

北米のkintone基盤はAWS採用 サイボウズが事業戦略説明会で発表

2018年02月27日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2018年2月26日、サイボウズは2017年12月期の決算および2018年度の事業戦略説明会を実施。サイボウズ 代表取締役社長の青野慶久氏は、クラウド企業への完全脱皮を果したことをアピールしつつ、北米でのkintoneの基盤にAWSを採用することを発表。新たに「チーム応援ライセンス」を導入し、クラウドサービスの裾野を拡げる戦略を披露した。

サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏

クラウドの売り上げが全体の2/3に

 登壇した青野慶久氏は、2018年1月時点の各プロダクトの導入社数をまずは公表。サイボウズ Officeは5万7000社、Garoonは4600社、kintoneは8000社、メールワイズは6500社となったことをアピール。クラウド関連の売り上げは昨年対比で139.5%となり、全体の約2/3となり、名実とともにクラウド事業者になった形。2018年度は連結売り上げ100億円突破を目指すという。

クラウドの関連の売り上げは139.5%増で、来期は100億円を目指す

 続いて、各サービスの概況。まず、無料グループウェアの「Cybozu Live」が、2019年4月15日をもってサービス終了し、2月20日からユーザー名簿・イベント・掲示板・ToDoリストなどをCSV形式で出力可能になったことを改めて説明した。また、基幹製品である中小企業向けグループウェアのサイボウズ Officeは2期連続最高売り上げを更新し、ユーザーアンケートの「自社初のグループウェアが約56%」「知り合いの勧めで導入したユーザーが約36%」「60~80代の方が利用している企業が約67%」などの数字も披露され、初心者や高齢者でも安心して使えることをアピール。一方で、モバイル専用の開発チームを組織しており、デジタルネイティブ世代のニーズにも応えていくという。

高齢者や初心者にもやさしいというサイボウズ Officeのユーザーアンケート

 発売から16年目を迎えたエンタープライズ向けのGaroonは、クラウド契約・パッケージ版ともに堅調で、クラウド版Garoonユーザーの約4割がkintoneを併用しているとのこと。2月からはアクセシビリティを意識したデザインを採用するとともに、連携サービスも順調に拡大中。2018年はバックエンドのカスタマイズを前提に、REST APIを拡充していくという。

 特に注力しているkintoneは2017年12月期で昨年対比で1.7倍となる8000社を突破し、売り上げも約1.5倍まで拡大した。2018年度は昨年同様ユーザー同士の事例やノウハウを共有する「kintone hive」を各地で開催。kintoneを用いた業務の効率化や改善のスキルを見える化する認定資格制度を充実し、2018年は約300名の合格者を達成したいという。

kintoneは昨年対比で売り上げも1.5倍に拡大した

AWSの採用を発表し、2019年1月に北米のkintoneをパブリックリリース

 今後の施策についても説明が行なわれた。現在、サイボウズ製品を導入している社数は7万5000社以上だが、サイボウズとしては世界中のチームをますます応援したいという意図がある。こうした戦略の下、同社は2018年4月より特定の条件を満たす任意団体やNPO法人を対象にした「チーム応援ライセンス」の提供を開始する。Cybozu Liveからの移行も見据えたライセンス形態でサイボウズ OfficeやGaroon、kintone、メールワイズなどの同社の全クラウド製品が対象。1サービスあたり年間9900円(税抜)で最大300人まで利用できるという。詳細は2018年3月中旬以降に順次発表される。

「チーム応援ライセンス」の提供を開始する

 チームワーク向上に貢献するため、自社の取り組みをノウハウとして提供するメソッド事業に関しては、昨年社内横断組織としてサイボウズチームワーク総研を立ち上げた。2018年4月からは評価制度やリモートワーク、議論を生む場の作り方、問題解決や管理者向けコミュニケーションのメソッドなどのセミナーや研修メニューを提供する予定となっている。さらに地元の起業家を支援する「地域クラウド交流会(ちいくら)」についても紹介され、全国約40市町村で計76回を開催し、のべ参加者も1万人を超えたことが報告された。

 国内の基盤とは別にパブリッククラウドの導入を表明していたkintoneの北米展開に関しては、クラウド基盤としてAWS(Amazon Web Services)の採用を正式発表した。開発担当のサイボウズ佐藤氏によると、「マネージドサービスでの開発生産性が高い」「エコシステムとコミュニティが強い」「コンプライアンスやセキュリティ対応が充実している」といった大きく3つの理由があるとのこと。開発スピードも当初予定より早めており、2019年1月にはパブリックリリースを予定しているという。

北米でのkintoneの基盤ではAWSの採用を決定

 最後、「100人100通り」を目指す同社の働き方についても説明。2017年は20周年企画として「アリキリ」の動画や「働き方改革に関するお詫び」の全面広告などで物議を醸してきた。また、2012年より副業を許可してきた同社だが、昨年はサイボウズで仕事を複業とする人を募集。地元密着のふるさと営業グループを組織し、福岡営業所や台湾オフィス、西日本開発部も拡充した。2018年以降は「脱・東京一極集中」を打ち出し、大阪拠点の増床、広島・福岡などの開発拠点、横浜ハブ拠点などを検討していくという。

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