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三井物産vs伊藤忠、通期決算で商社2位争いの熱い戦い

2018年02月14日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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資源事業の好調などで業績見通しを上方修正した三井物産。だが、2位復帰のためには課題も Photo:REUTERS/AFLO

過去最高益を更新
通期見通しを上方修正

「当社の資源・エネルギー分野の力強さを改めて示した」(松原圭吾・三井物産最高財務責任者[CFO])

 三井物産は2月2日、2018年3月期の第3四半期決算を発表。連結純利益は3768億円と過去最高益を更新するとともに、通期見通しを当初の4000億円から4400億円へ上方修正した。

 一方、同日に決算発表を行った伊藤忠商事も、第3四半期の連結純利益は過去最高益を更新したものの、三井物産を下回る3571億円。通期見通しも、当初からの4000億円に据え置いたため、三井物産を下回ることになった。

 三井物産は16年3月期に創業来初の赤字に転落後、三菱商事、伊藤忠に次ぐ業界3位に低迷してきたが、見込み通りなら、久しぶりに2位へと返り咲くことになる。

 三井物産は今回の業績上方修正に伴い、年間配当金の増配や自社株買い・消却など、年間総額1725億円という“太っ腹”な株主還元も公表。同日の株価は4%超値上がりし、時価総額は約3兆6500億円と、伊藤忠の3兆6300億円をわずかながらも上回った。

余力残した伊藤忠
年度末に再逆転の可能性も

 だが、三井物産がこのまま通期業績で2位を奪還できるかは不透明だ。

 伊藤忠は第3四半期で大幅増益になった金属事業と食料事業の通期純利益見通しを合計230億円上方修正したものの、同額を「その他及び修正消去」のセグメントで調整することで、先述の通り、通期見通しを変更しなかった。

 しかし、伊藤忠の鉢村剛CFOは「(上方修正の開示基準となる)当初業績予想からの振れ幅が30%超にまで至っておらず、上振れする可能性もあるので、年度末に株主還元も含めて一括して判断したほうがいい」と語っている。今後、業績が上振れする余地は十分にある。

 さらに、三井物産が来期以降も2位争いをするためには課題もある。

 その一つが資源事業の依存度の高さだ。長らく「資源一本足打法」と言われてきた三井物産は、資源価格急落で赤字に転落したことの反省から、非資源事業を伸ばし、20年3月期の連結純利益に占める資源事業の比率を55%とする方針を打ち出した。だが、足元の資源事業(金属資源・エネルギー事業)の比率は70.1%。一方、伊藤忠は17.2%、三菱商事でも44.9%であり、三井物産の資源偏重ぶりが際立つ。

 また、第3四半期で金属資源事業は前年同期比1293億円の増益となったが、その中味を見ると、ブラジルの資源大手であるヴァーレへの出資形態を直接出資に変更したことに伴う評価益893億円という一過性の利益が大きく寄与している。それがなくなる来期以降は、再び伊藤忠との差が広がる可能性もある。三井物産が再び2位の座を“指定席”とするためには、同社が新たな成長分野に据えるリテールやヘルスケアなどの非資源事業の強化が欠かせない。

 いずれにせよ、まずは今年度末に向けて、業界2位を巡る両社の争いが熾烈化しそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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