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みんなの確定申告:

確定申告 知らずに控除漏れで大損した話

2018年02月02日 11時00分更新

文● G. Raymond

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 みなさんの確定申告体験から価値ある知識をシェアする「みんなの確定申告」。44歳の青木さん(仮)は体をこわしたとき、父親に社会保険料や医療費を肩代わりしてもらいました。しかし個人事業主の父親は肩代わりした社会保険料などが控除対象になることを知らずに確定申告をしていて、合計180万円の控除申告をしませんでした。

 私は平成16年から平成23年にかけて体をこわし入退院と自宅療養を繰り返していました。その間、父が扶養家族である私の国民年金を代わりに支払っていました。

 以前から社会保険料が控除対象になることは知っていましたが、父が確定申告するとき、私(扶養家族)の国民年金保険料の控除を申告できたことを最近になって知りました。しまっていた国民年金の納付書を見つけ、父に渡しておけばよかったと後悔しました。

●国民年金納付履歴
平成16年4月~平成17年3月 1万3300円×12ヵ月分=15万9600円
平成17年4月~平成18年3月 1万3580円×12ヵ月分=16万2960円
平成18年4月~平成19年3月 1万3860円×12ヵ月分=16万6320円
平成19年4月~平成20年3月 1万4100円×12ヵ月分=16万9200円
平成20年4月~平成21年3月 1万4410円×12ヵ月分=17万2920円
平成21年4月~平成22年3月 1万4660円×12ヵ月分=17万5920円
平成22年4月~平成23年3月 1万5100円×12ヵ月分=18万1200円

 なんと、7年間で合計118万8120円分の控除を受けられたのです。

 税額を実際より多く申告していた場合、「更正の請求書」に必要事項を記入することで更正を請求できます。請求内容が正当と認められれば、納めすぎた税金が還付されます。

 ただし、更正の請求ができる期間は原則として法定申告期限から5年以内(平成23年3月申告分までは1年以内)に限られます。今回の場合、最後の平成24年3月申告分は平成29年3月15日までに更正の請求をする必要がありました。今年は平成30年なのでもう更正の申告はできません。

 税務署に確認しましたが、やはり平成29年までに私を扶養していた父の名前で更正の請求をしなければならなかったという回答でした。

 加えて、当時の医療費も本来は控除対象になるものでした。確定申告する人と生計を一にする配偶者やその他の親族の分を支払った医療費も、確定申告時に控除の申告が認められます。

●医療費控除
実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額-10万円

※総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額をマイナス

 私は平成16年~平成23年に計4回入院していて、民間の保険に入っていませんでした。父の合計所得金額等は200万円を超えていたため、

●入院費(1000円以下切り下げ)
1回目32万円-10万円=22万円
2回目24万円-10万円=14万円
3回目18万円-10万円=8万円
4回目28万円-10万円=18万円

 合計62万円分の控除が申告できたのです。

 通院時のバス、電車など公共交通機関を使用した場合の通院費も医療費控除の対象になるため、申告していればおそらくもっと控除の金額は増えていたでしょう。

 結局、社会保険料控除と医療費控除を合わせて118万円+62万円で約180万円。仮に父の所得が500万円で、1年あたり30万円の控除漏れだったとすると、所得税と住民税で年間10万円近く税金が違ってしまったわけです。

 最近、節税対策の本を読み始めましたが、もっと早くから情報を集めておけばよかったと思いました。父のように扶養家族の社会保険料や医療費を支払っている人には、かならず控除申告をしてもらいたいです。


【参考】社会保険料控除

 納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。これを社会保険料控除といいます。控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1130.htm

(税理士監修)

※訂正:控除漏れによる損について誤解を招きかねない表現があったため、本文・見出しともに訂正しています。(3月2日)

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