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FinTechより盛り上がるLegalTechの先駆者が語るAWS

紙とはんこをなくす「クラウドサイン」はセキュリティ重視のAWS活用

2018年02月05日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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さまざまな業界でのAWS活用を語る第1回 X-Tech JAWSのトリは、LegalTech代表の弁護士ドットコム CTOの市橋立さん。紙とはんこをなくす電子署名サービス「クラウドサイン」でのAWS活用は、セキュリティ対策と監査対応をきちんとセットにしているという。

FinTechの次に盛り上がるLegalTech

 最新の業界動向とAWS活用をセットで聞けるお得な初回X-Tech JAWSのトリを飾るのは、LegalTech代表の立場で語る弁護士ドットコムCTOの市橋 立さん。「セッションが長くなって疲れてきた最後に『法律』という固めのテーマですいません(笑)」と切り出す市橋さんは、LegalTechと自身が所属する弁護士ドットコムについて説明する。

弁護士ドットコム 執行役員 CTO、LegalTech Lab所長 市橋 立さん

 今回のテーマであるLegalTechは文字通り法律業務の効率化を図るX-Tech。「米国ではFinTechに続くのはLegalTechとまで言われており、現時点でも市場規模は5000億円。今後急成長していくとみられている」(市橋さん)。具体的には、契約締結や判例の検索、E-ディスカバリ、特許の確認・申請、さまざまな処理がサービス化されている。

さまざまなLegalTechの分類

 2005年にローンチされた弁護士ドットコムは公開での無料法律相談や登録された約1万5000人の弁護士検索のほか、依頼前に確認できる弁護士プロフィール、オウンドメディアである「弁護士ドットコムニュース」などを提供しており、弁護士検索など米国企業に先んじて提供してきた機能もある。「ネットで弁護士を探すというのは今でこそ当たり前ですが、弁護士の先生やユーザーの方々に浸透するまでには大変時間がかかり、立ち上げから8年間は赤字という状況でした」(市橋さん)が、現在は黒字化して、2014年には東証マザーズへの上場まで果した。

 従来は弁護士を検索できるサービスがメインだったが、現在注力しているのが、契約締結業務をサポートする「クラウドサイン」。印鑑や紙なしで、契約作業をPCだけで完結させるいわゆる電子署名のクラウドサービスだ。

契約書を扱うクラウドサインはセキュリティ対策重視

 契約書の締結は非常に面倒くさい。市橋さんは、「従来の紙の契約書の場合、印刷して、製本して、捺印して、郵送するといった一連の作業が発生します。印刷がずれていると作り直しだし、捺印もきちんと割り印にならないとダメ」と指摘する。

 これに対してクラウドサインは契約締結までの時間を圧倒的に短縮できるほか、郵送代や紙、インク代などのコストを削減することが可能。さらに契約書を会社で一元管理できるため、コンプライアンス上もメリットがある。2015年10月にスタートしたサービスだが、導入企業社数は2018年1月時点で1万6千社を突破しているという。

紙と印鑑をクラウド化したクラウドサインのメリット

 AWSを採用するクラウドサインは、サービスの成長にあわせて拡張できるエラスティック(柔軟さ)とセキュリティという点でサービスに寄与している。開始当初はEC2、RDS、S3という最低限のパッケージからスタートし、顧客の増加とともにMulti AZ対応やElastic Searchの導入など拡張を進めてきた。

 顧客の契約書を扱う関係上、特に重視しているのはセキュリティ。米国では大規模な情報漏えい事件も起こっているが、弁護士ドットコムではセキュリティ対策と監査対応を両方進めることで、初めてプロダクションレベルに至るという。一例としては、AWS Configのマネージドルールで、セキュアではないS3バケットを検知できるよう設定したり、Amazon Inspectorを活用することで、パッチ未適用の脆弱性などを検出しているという。

 最後、市橋氏は、「法律や契約が絡まない会社はないので、幅広くいろいろな会社とコラボしたいと思っています!」と語り、第1回 X-Tech JAWSの最終セッションを締めた。

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