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100トラックでも余裕の動作

音楽制作ソフトでiMac Proのハンパじゃない処理性能を実感

2018年01月28日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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通常のiMacと異なり、スタンドの下の部分に排熱用の穴が開いている

iMac Proの処理性能はやはり半端じゃない

 Logic Pro XをiMac Proでテストしてみた。

 基準がわかりにくいと思うが、たとえばCore i7、16GBメモリーのMacBook Proで動かす場合、プラグインを5つ使用したトラックを50個程度同時に再生するあたりから、動作が怪しくなっていく。再生されるまでに微妙なタイムラグが発生したり、少々の待ち時間の後に再生されたりするようになる。

 特に数十のトラックが同時に鳴るような部分で、負荷の大きいプラグインの処理が重なると、ときに再生が停止してしまうこともある。

 今回実施したテストは、100トラックのオーディオファイルを用意し、それぞれに5つのプラグインを適用したうえで、再生するというもの。

適用したプラグイン(画像左端のブロック状のアイコン)

 結論から言えば、iMac Proは、この状態でも余裕がありすぎるくらいの動作ですべてのトラックを問題なく再生し、また、ディスプレーにリアルタイムで表示されるボリュームやプラグインのメーターも非常になめらかだった。

さまざまなウィンドウを開いても、27型の大画面は使いやすい

100のオーディオトラックを再生しているところ。メーターが動いている

 100トラックとはどれくらいの情報量なのか。一般的なポップスに例えて考えてみよう。「ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、そのほか効果音」などで6トラックだ。ドラムをマルチトラックでレコーディングして、「シンバル、スネアドラム、ハイタム、ミッドタム、ロータム、ハイハット、バスドラム」にばらしても、12トラック。ギターのパートが増えて2本になったとして、13トラック。

 それぞれに倍音(同じキーで、異なる周波数の波形を足して、音の厚みを増す処理をすることがある)のトラックを1つずつ付けたとしても、26トラック。このくらいのトラックを使用するのが、平均的だろうか。

 さまざまな音を少しずつ使ったり、曲のセクションごとに異なる楽器を大量に使ったりして、100トラックくらいのトラックを使う作曲家もそれなりにいるらしいが、100トラックというのは、十分な情報量と言えるだろう。

 100トラック(×プラグイン5=500のプラグイン)同時再生でも、余裕で処理できるiMac Proはまさしくプロユースにふさわしいモデル。

 手間がかかりすぎるため試していないが、感触的には、100トラックの再生でもまったく処理が鈍る気配がなかった。つまり、100トラックくらいの処理では、iMac Proの真価はまだまだ発揮できていないように思えた。

 そこで、プロセッサーやメモリーなどの負荷状況をリアルタイムで表示するmacOSの標準ソフト「アクティビティモニタ」を立ち上げてみると、プロセッサの使用率は「512%」で、メモリプレッシャーは3.12GBだった。

 インテルXeon Wは8コアなので、プロセッサー使用率のマックスは800%。つまり、これだけの処理をしても、まだ3/8はプロセッサーに余裕があるということになる。

 端数は省略して、おおむねの値を出してみる。100トラックでおよそ500%ということは、およそ20トラックで100%、理論上は、あと60トラック程度を開き、同じ処理をして再生する程度までは問題なく動くということになる。

今回のテストで適用した「リヴァーブ」というプラグインは、マシンにかかる負荷が非常に大きい

 付け加えておくと、今回のテストで適用した「リヴァーブ」というプラグインは、音を処理して、広い空間で鳴っている響きを付加する役割があり、マシンにかかる負荷が多いため、通常は、トラックごとにかけるのではなく、複数のトラックをまとめてひとつのリヴァーブに通すという処理をする。

 このため、今回のテストでは100のリヴァーブを同時に処理していることになるが、実利用では、100トラックに対して、使っても10〜20くらいになると思われ、200トラックあたりまでは余裕、処理の軽いトラックの数が多ければ、300トラックとか、400トラックとか、そういった数字になっても動作するのではないだろうか。

 フラッグシップモデルだけあって、処理性能の高さはやはりコンシューマー機のiMacやMacBookとは段違いに異なる。

 マシンに大きな負荷のかかる処理を日常的に実施するユーザーにこそ使ってほしいモデルだ。

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