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21世紀の真空管「Nutube」搭載でおもしろい製品が出てきた

2018年01月27日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 おーい、NAMMが来たぞー!

 毎年恒例、世界最大の楽器見本市「The NAMM Show 2018」がついに始まった。アナハイムのコンベンションセンターで、今年は1月25日から28日の4日間に渡って開催される。

 楽器業界全体のトレンドが読め、年間物欲方針を策定する年次イベントとして、毎年ネットウォッチで忙しくなるシーズン。恐らくは現地に行けていない大多数の皆さんと同じように、私もブラウザーにタブを立てまくって注目している。

 今回は2015年のNAMMショーで発表された新型真空管「Nutube」の新展開。ついに本家以外から Nutube 搭載機が登場した。

コルグとノリタケ伊勢電子が共同開発した新型真空管「Nutube」。ノリタケ伊勢電子の蛍光表示板の技術を使って、低消費電力、低発熱、長寿命と、これまでの真空管の欠点を克服した

本物の真空管が載ったIbanez「Nu TubeScreamer」

製品サイトより

 コンパクトエフェクターの王道にしてオーバードライブのメルクマール、単に「緑のアレ」と略されるくらいの基本エフェクター、あのチューブスクリーマーが「Nu TubeScreamer」となってやって来た。

 国内販売店が付けた価格は2万7648円。ちょっとお高い。しかも当初、発売は1月17日とアナウンスされていたが、2018年夏以降に延期された。残念。

 しかし、このエフェクターには、新しいのが出たら試してやろうと待ち構えている人たちが大勢いる。チューブスクリーマーとはそういうエフェクターである。「TS系」と括られ、派生品、類似品、魔改造を施された少々インチキ臭いものまで含めて、無数と言っていいバリエーションが存在する。

 で、Reverbのような楽器サイトには、すでにデモ動画が上がっていた。

 さまざまな解釈で、さまざまに使えるエフェクターだが、スティーヴィー・レイ・ヴォーン以降、真空管アンプにミッドレンジブースターとして使う解釈が広まり、以降、定番としての地位を確立。今は本物の真空管アンプが1万円代から買えるわけで、チューブスクリーマー大活躍の時代である。

 そのチューブをスクリームさせる箱自身にチューブが載ったのが「Nu TubeScreamer」。まずそこが新しい。そして今までと違うのは、9VのバッテリーやDCアダプターに加えて、18Vアダプターも使えること。これでダイナミックレンジが拡大すれば、よりニュアンスが豊富になる。「MIX」という新しいノブも増えた。これはオーバードライブと生音のバランスを調整するもの。おそらくブーストした際の歪み感と、ピッキングニュアンスの調整ができるはず。

 大期待である。早く夏になるといい。

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