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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第196回

アメリカで進むCATVの“コードカット”とストリーミング、そしてラーメンの話

2018年01月18日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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日本の番組も少しずつ楽しめるようになってきた

 前述のNetflixやHuluと少し異なるのがAmazon.comです。Amazon.comはプライム会員向けのストリーミングを提供しており、特別な契約をしなくても、多くの番組を見ることができるようになりました。

 そのAmazon.comでは、意外と日本のテレビ番組がアメリカにも配信されるようになってきました。バラエティー番組では「内村さまぁ~ず」が配信されるようになり、個人的にはうれしい対応です。そのほかにも、数多くの映画、ドラマ、アニメ作品がプライム会員向けに配信されてきました。コードカット組としては、Amazon.comをはじめとするストリーミングサービスが日本のコンテンツを充実させてくれることに期待しています。

 ちなみに、アニメのサイマル配信に力を入れているのは、本連載でもたびたびご紹介しているCrunchyroll。最近こちらで話題になっているのが、「ラーメン大好き小泉さん」というアニメです。タイトルどおりに、日本の特徴的なラーメンが毎週2~3杯登場するストーリーで初回は堂々と三田にあるラーメン二郎でした。

 日本のラーメンは、説明が難しいほど多様化しています。スープ、麺、トッピングと構成要素を分解してもそれぞれの種類が膨大。さらに好みだけでなく、その日の気分で店を選ぶという部分も米国の人々に理解してもらいにくいポイントです。「ラーメンは、ラーメンじゃないか?」と言われると、そうじゃないんだけどなあと思いつつ……。

 アニメが海外の人々に、ラーメンに関するハイコンテクストを伝えてくれるのかどうか、とても気になるところです。少なくとも、作品内で紹介されている東京近郊のラーメン屋さんに訪れる外国人が増えるかもしれませんね。

 バークレーには昨年、豚骨ラーメンの一風堂がオープンし、サンフランシスコにも進出し始めました。そのほかにもすでに、Orenchi、Menshoなど、定評のあるラーメン店が成長しています。ただいずれも人気店で行列不可避なところをみると、なかなか簡単にアクセスすることはできません。

 本連載でも筆者が取り組んでいることをお伝えしているダイエットが念頭にある手前、ラーメンにそんなに積極的になるべきじゃないかもしれませんが、やっぱりおいしいですよね。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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