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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」第194回

2018年も引き続き、スマートフォンの時代を過ごす

2018年01月11日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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 新年1本目の原稿となります。引き続きのご愛読、よろしくお願いいたします。

 この連載では、アメリカ・カリフォルニア州バークレーで過ごす筆者が見るテクノロジーやこれに関わるカルチャーなどのトレンドをご紹介してきました。コンセプトは引き続き同様に設定して、2018年も1年、色々な話題をお届けできるように努めていきたいと思います。

2017年の新たなトレンドとして話題になった「スマートスピーカー」。Apple「HomePod」も今年は発売される?

何かと不便なアメリカの生活を大きく変化させた
スマートフォン

 少し広い視野で振り返ると、筆者がバークレーに暮らし始めた2011年暮れからは、スマートフォンがアメリカでの生活における主たるネットアクセス手段へと成長する過程を見てきた格好となりました。スマートフォンには、通常のPCでのアクセスに加えて、付加的な価値が加わっています。代表的なものは、即時性、そして位置情報です。

 スマートフォンは使う人が常に持ち歩いているデバイスであるため、その人が使いたい時にすぐに利用できます。また、電話という特性上、アクセスしたい自分以外の人からの「着信」があれば、それにすぐに応えるという関係性もあります。加えて、GPSの内蔵で、その人のいる場所が情報化されました。

 これによって、その時、その場所にいる人に向けたサービスが可能となり、都市の機能を補う問題解決の手段として台頭してきた経緯は、本連載でもご紹介してきたとおりです。Uberなどの移動、モバイル決済などは、スマートフォンをインフラとして活用し、アメリカでなかなか解決されてこなかった都市の問題に切り込んでいる分野、と見ることができます。

 また、スマートウォッチの普及で、人々の健康や医療に関する情報も、スマートフォンに集めることができるようになりました。新たな情報がスマートフォンに入ることによって、そのデータを活用するアプリが発展し、我々に新しい価値を与える道筋をつけてくれるようになります。

 多くの人々が解決を望んでいる都市の問題から、個人的な健康や医療の問題まで、スマートフォンは1つのデバイスで、様々なサイズの問題を解決する「手段」となりました。

 そこまで堅苦しいことを考えなくても、スマートフォンに搭載されている機能はインフラとして活用されていきます。

 たとえばカメラは、文字通りカメラとして写真やビデオを撮影する手段として活用され始めましたが、バーコードリーダーとして情報を読み出す用途として早くから使われるようになり、最新の使い方では拡張現実(AR)を行うために、人の顔や風景を取り込むためのツールとして使われるようになりました。

 前述の位置情報に加えて、モーションセンサー、照度センサー、高度気圧計、その他のインターネットから取得可能な様々な時刻や気象条件などの様々な情報との組み合わせから、色々なアイディアが生み出されてきました。その傾向はまだまだ続いてくことになるでしょう。これが、2018年のパーソナルテクノロジーの基本的な状況だと考えています。

スマートフォンとアクセサリの進化の方法

 スマートフォンには、活用できるできないを別に、さまざまな情報が取得され、格納されています。健康に関するデータが、最も新しい切り口と言えますが、これらはすでに搭載されていたモーションセンサーのデータに、人の運動状況という「解釈」を与えたことで、消費カロリーや運動の時間や強度が加えられました。

 ただ、スマートフォンを常にポケットに入れてスポーツをすることは不自然ということで、スマートフォンにモーションセンサーのデータを届けられる、身につけて不自然なデバイスが「あったら良いな」ということで、スポーツトラッカーやスマートウォッチのカテゴリが生まれてきました。

 このように、スマートフォンで可能だけれど外部のデバイスがあったほうがより便利という分野に関して、新たなデバイスが追加されていきます。あるいは既存のデバイスの機能追加で、この文脈の製品として生まれ変わり、成功しているものもあります。

 たとえばカメラ。コンパクトデジタルカメラは、スマホカメラの発達で苦戦を強いられていますが、GoProはアクションカメラという分野を切り開いて地位を築いていきました。今でこそスマートフォンは防水防塵になりましたが、それでも落としたら画面は割れますので。スマホと連携できるドローンも、その文脈と解釈できます。

 少し乱暴かもしれませんが、タブレットやパソコンも、同じような文脈で捉えることができるでしょう。タブレットであれば、スマホアプリをそのまま利用できる上で画面の大きさが魅力でした。しかし昨今スマホも大画面化してきて、その魅力が薄れてしまっているかもしれません。

 これについてはどちらかといえば、2 in 1のWindows PCの方が良いポジションといえます。タッチ操作というスマホ譲りの手軽さと、大画面、強力な処理性能とグラフィックスで、スマートフォンでは体験できない仕事や遊びを実現できます。このように、既存の製品でも、スマホ時代に合わせた進化を加えることで、その目的を明確にすることができているのです。

 これらの例を見てみると、ただ単にスマホと連携すれば良いわけではなさそうだ、ということもわかります。スマホでやらないことを扱うデバイスは「連携」の対象であり、スマホでやっていることをより高めるデバイスが、新たなポジションを築いている、という分類を進めることができます。

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