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シャープ、後継社長選びで鮮明化した「鴻海依存体質」

2018年01月10日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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共同CEOの4人。左から、石田氏、戴社長、野村氏、高山氏。2017年12月7日の東証1部復帰会見では、そろいの帽子をかぶって登場。これも戴社長のアイデアだ Photo:JIJI

「今までは私一人が何でも決めてきたが、これからは共同CEO(最高経営責任者)でやっていきたい」。台湾の鴻海精密工業傘下のシャープが1月1日付で、戴正呉社長(66)の後継選びの体制を始動させた。

 昨年12月7日に、東証1部へのスピード復帰と併せて、戴社長が後任選びを宣言してから1カ月もたたずに実行に移した格好だ。

 共同CEOに選ばれたのは、野村勝明(60)、高山俊明(42)両代表取締役と石田佳久(58)副社長で、この3人が戴社長の権限の一部を譲り受けながら、後継の座を競い合うことになった。

 だが、この人選は戴社長のスピードを印象付けただけで、シャープ社内では、実質的な後継候補として認められているとは言い難い。「社長は戴さんの他には考えられない」(シャープ中堅幹部)のが社員の本音だからだ。

 戴社長はかねて「次期社長は日本人にしたい」と述べており、この3人は、鴻海のシャープ買収完了とともに戴社長の側近になった日本人幹部である。しかし、いずれも戴社長のように鴻海グループ中枢からシャープを動かせる人材ではない。

 生え抜きの野村氏は、2012年に鴻海が資本参加した液晶会社、SDPの会長を務めたことで郭台銘・鴻海会長の目に留まり、鴻海の傘下に入ったシャープの代表取締役になった。

 高山氏は、鴻海の日本法人トップを務めた経験があり、郭会長とは縁戚関係にあるが、鴻海中枢を知り尽くしているとは言い難い。郭会長の通訳としてシャープ買収の交渉団の一人となり、買収後にシャープ代表取締役に就いた。

 そして石田氏は元ソニー幹部。ソニーがパソコンやテレビの生産を鴻海に委託したときの責任者で、それを受託する鴻海の日本担当を務めていたのが戴社長。そうした「縁」から鴻海傘下のシャープ経営陣に食い込んでいる。

テレビも液晶も鴻海頼み

 シャープが劇的に業績を改善させた背景には、テレビ事業の損失を移転したSDPをシャープから切り離すという鴻海グループ挙げての支援がある。

 4年ぶりの最終黒字を計画する今期は、液晶テレビの販売増加が寄与しているが、これも中国向け液晶テレビを鴻海が買い取っているのが実態だ。

 鴻海は買収から1年半もたたずに、シャープを鴻海依存の体質に変えた。実際、シャープの業績は鴻海のグループ内取引で大きく変動する。それ故、シャープ社員の最大の関心事は、次の社長が日本人であることよりも、台湾本社との交渉力があるかどうかだ。

 とはいえ、後継レースが本格化するのはまだまだ先だ。戴社長は20年3月期まで経営に関与する方針で、「外部人材」も後継候補とする可能性を示している。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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