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業界人の《ことば》から第277回

メルカリCEO「立場はFacebookと変わらない」

2017年12月28日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

 「これまでは、UIやUXへのこだわりや積極的なマーケティングで差別化してきたが、これからは技術で差別化するフェーズに入ってくる。メルカリは、日本を代表するテックカンパニーを目指す」(メルカリの山田進太郎代表取締役会長兼CEO)

 スマートフォン向けフリマアプリ「メルカリ」を通じて、C2Cマーケットを展開するメルカリが、研究開発組織「mercari R4D(アールフォーディー)」を設立した。

 R4Dは、外部の企業や教育機関などの共同研究パートナーによる基礎研究および応用研究、研究開発実装のほか、メルカリやソウゾウ、メルカリファンドといったグループ会社との連携による事業化を図る。さらにはそれぞれの組織の強みを生かしたスピーディーな研究開発と社会実装をすることになる。

 各領域の専門家によって構成。R4Dオフィサーにはメルカリの木村俊也氏が就任。シニアフェローには、現代アーティストのスプツニ子!氏、京都造形芸術大学の小笠原治教授が就く。

 また、共同パートナーとして企業や大学の研究室が参加する。共同パートナーと研究テーマは以下のとおり。

 シャープ研究開発事業本部「8Kを活用した多拠点コミュニケーション」
 東京大学川原研究室「無線給電によるコンセントレスオフィス」
 筑波大学落合研究室「類似画像検索のためのDeep Hashing Network」、「出品された商品画像から物体の3D形状を推定」、「商品画像から背景を自動特定」
 慶應義塾大学村井研究室「ブロックチェーンを用いたトラストフレームワーク」
 京都造形芸術大学クロカテック研究室「Internet of Thingsエコシステム」
 東北大学大関研究室「量子アニーリング技術のアート分野への応用」

IoTやAI、VRなどに取り組むことが競争力向上につながる

 メルカリ取締役CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)の濱田優貴氏は、「メルカリはこれまでにもAIや機械学習などの技術を活用したサービスを提供してきたが、新たに研究開発組織を立ち上げ、最新技術の研究成果をいち早くサービス化していくことを目指す。R4Dの名称は、調査(Research for)および開発(Development)、設計(Design)、実装(Deployment)、破壊(Disruption)の4つのDから構成されており、基礎研究や応用研究を試験、調査するだけに留まらず、外部の企業や教育機関との連携によって、社会実装を目的にしている。研究段階でも社会実装することで、早期に成果をあげることにつなげたい」とする。

 メルカリの山田会長兼CEOは「2、3年後にメルカリのビジネスに影響すると思われるIoTやAI、VR/ARといった技術に取り組んでいくことが、当社の競争力を高めることにつながるだろう」とする。

 メルカリは2013年7月にC2Cのマーケットプレイスとしてサービスを開始して以来、アプリのダウンロード数が1億を突破した。

 これまでの成長を振り返り、山田会長兼CEOは「もともとエンジニア経験がある創業経営陣で構成されたメルカリは、UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)にこだわり、使いやすさを追求してきたこと、さらに緻密なオンラインマーテケィングや大胆なテレビCMによる積極的なマーケティングにより、成功してきた。最近ではAIの活用によって、さらに使い勝手を向上させる取り組みを開始している」とする。

 AIの活用事例としては、利用者がメルカリに出品する商品の写真を撮ると、タイトルやカテゴリを自動で分類したり、適正な価格設定などを提示することで、出品率を高め、販売率をあげられたという。

 また、偽ブランドや禁止出品物などの不正な出品をリアルタイムで検知。米国では商品情報から重量を自動推定し、重量のシッピングラベルを自動で提供することで、手間の削減と配送コストの削減につなげるといった領域でAIを活用しているという。

 「これまでは、UIやUXへのこだわりや積極的なマーケティングで差別化してきたが、これからは技術で差別化するフェーズに入ってくる」と、メルカリの山田会長兼CEOは語る。

 今回のmercari R4Dの新設は、こうした背景が見逃せない。

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