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ビジネスの各役割を果たすエージェント同士の取引をシミュレーション

日立、自己競争により学習を行なうAI技術を開発

2017年12月26日 17時30分更新

文● 行正和義 編集●ASCII

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AIエージェント同士の協調を学習させる学習管理機能

 日立製作所は12月25日、人の用意した実績データに頼らずに学習するビジネス向けAI技術を開発したと発表した。

 本来、ディープラーニングなどを用いたAIは大量に実績データから学習して予測や判断を行なうが、大量のデータが用意できない場合は正確な判断や予測が難しいという問題がある。囲碁などのゲームではAIが自己競争で生成したデータから学習することができるが、不確定要素の多いビジネスの問題に適用できるか不明だった。

AIエージェントを進化させる技術

 日立製作所では、複数のAIエージェントを相互接続したAI群でビジネスを表現。互いにモノや情報のやりとりを繰り返し、損失低減などの与えられたアウトカム(設定目標)に向けて有効な学習を行なう。アウトカムの劣るAI群は消滅させ、アウトカムが優れるAI群を残す自己競争を繰り返すことで、より良いAIエージェントを追求するという。

AI群による自己競争

 実験では、サプライチェーン上の複数企業によるビジネスを模したゲームを構築、小売、卸売、仲卸、工場という4つのエージェントが発注量をそれぞれ決め取り引きを行なう。予測しない需要変動を受けつつ在庫や欠品をなくすように学習させた結果、在庫や欠品による損失をおよそ1/4に低減したという。

 同社では、今回開発したAI技術のソースコードを日立グループ内で展開。電力や産業、流通、金融やヘルスケアなど幅広い分野での活用を目指すとしている。

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