再生・転送アプリStellanovaの出来映えは出色！
専用アプリのWireless Hi-Res Player ～Stellanova～は、スマホでの再生・転送に留まらず、音楽再生プレーヤーとしての機能をひと通り備えている……というレベルを通り越して、実に高機能！ 光学ドライブやPureReadを開発してきたパイオニアのベテランエンジニアたちが、「自分たちの欲しい機能を盛り込んだプレーヤーを作ろう！」と盛り上がった末に自主開発されたものだ。
現在は、WAV（48kHz/16ビットまで）、ALAC（48kHz/16ビットまで）、AAC（320kbpsまで）となっているが、今後はハイレゾ音源への対応や音楽配信サイトの自動ダウンロード機能にも対応する予定となっている（原稿執筆時点）。おまけの無料アプリとは一線を画した作りなだけに、今後のさらなる発展に期待したい。
設定画面には、DSD再生形式やハイレゾ再生、イコライザ機能などの項目がある。これらは現在未対応だが（原稿執筆時点）、今後アップデートで対応する予定だ
Wireless Hi-Res Player ～Stellanova～の現時点での注目機能は、「おまかせスキップ」というユニークなもの。これは、独自の楽曲解説技術「MIXTRAX」を応用したもので、まずメドレーモードではワンコーラスほどの時間だけ再生して次の曲へと移動する。イメージとしては、アニメ楽曲CDのアニメOPバージョンのような按配で、次々と楽曲が流れていく感じだ。
次にサーチモード。これは楽曲のサビと思われる部分を10数秒間ずつ、次々に再生していく。曲探しをしたり、DJ風にたくさんの曲を流して聴きたいときなどに威力を発揮する。
「サビだけ次々と聴かせてくれる」サーチモードは独特の体験だ。ぜひ一度使ってみてほしい。『ほほう、そこをサビと認識したか……』などと一人ほくそ笑みながら楽しむのもオツだ
このほかにも、ライブラリーの楽曲を音の雰囲気に合わせて分類し、気分に合わせて再生できる「おすすめプレイ」という機能がある。これは、保存されている楽曲を「明るい曲」「ノリがいい曲」「静かな曲」「せつない曲」「癒される曲」に分類した上で、再生中の楽曲と同じカテゴリー20曲をおすすめ曲として表示＆プレイリストに保存するというもの。その時々の気分に応じた楽曲だけを、いちいちサーチする面倒なしに聴き続けられるわけだ。
Wireless Hi-Res Player ～Stellanova～は、音楽好きの『こんな機能が欲しいけれど、わかってくれる人いないよね……』を汲み取ってくれたプレーヤーといえる。まずはハイレゾ再生機能の追加を待ちたい
CD再生中にジャケットアートの部分をタッチすると、楽曲の情報を確認できる。オーディオ形式やデータ量など詳しい内容が表示される
MIXTRAX楽曲解説の設定画面。「おまかせスキップ」や「おすすめプレイ」を使う際は、スマホやワイヤレスユニット経由で外部ストレージに十分な楽曲を保存した上でこの機能を有効にしてみよう
このように、Wireless Hi-Res Player ～Stellanova～はなかなか多機能で、スマホでの音楽再生を快適に楽しめる。実際に使ってみても、すっきりとしたデザインで使いやすく、音楽CDの転送や再生はもちろん、さまざまな機能を簡単に使うことができた。スマホでの音楽再生はこのアプリだけでOKといっていい便利さだ。
なんといっても、いちいちPCで音楽CD読み取りをし、その楽曲データをスマホに転送という面倒なやり取りを取っ払い、「スマホとドライブを直結してタッチ操作一発！」というシンプル イズ ベストな方法を実現したことに拍手を送りたい。
音質についても、ダイレクトなCD再生は十分に高音質だし、試しに手持ちのCDから一般的なプレーヤーでは再生できないようなひどい傷のついたディスクも再生してみたが、多少の音飛びはあるものの再生できた。これはPureRead3+の優れたCD読み取り技術の証明だろう。
