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劇的英語力の向上を可能にするパーソナルトレーナーの存在

3ヵ月でTOEIC800点超え続出の英語パーソナルジムの極意とは?

2017年12月21日 11時00分更新

文● 飯島秀明 編集●飯島恵里子/ASCII 撮影●髙橋 智

提供: 恵学社

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大卒後20年近く英語から離れていたAさんの場合
パーソナルトレーナー 山根千鶴氏

山根千鶴トレーナー/市の代表としてカナダに交換留学して以来、英語学習の面白さに目覚める、大学ではドイツ語を専攻し、留学も経験。卒業後は大手英会話学校で勤務後、英語力向上のため留学

 受講生Aさんは、コンサルタント業界に身を置く40代の男性。仕事で英文の書類を読まなければならないことはあるものの、大学卒業以来20年近く、英語にはほとんど触れてこなかったという。急を要するわけではないが、後々のために英語を身に付けたいとの想いからENGLISH COMPANYに入学。

 トレーニングは受講生が自覚のないまま抱えている、英語学習上の課題を掘り起こすことから始まる。課題はひとつとは限らない。とりわけ、入学当初は多数の課題を抱えていることが珍しくない。Aさんも複数の課題を抱えていた。その中からどの課題を優先して解決すれば、限られた時間のなかで最大効果を得られるか? トレーナーの山根さんは、色々なメソッドをひと通り組み込んだ課題発見のためのメソッドを使って、始めに取り組むべきAさんの課題が「音声認識」であることを発見する。

 「始めに30〜40秒程度、英語の音源を聞いていただくのですが、Aさんは音源を聞いても意味が全く取れない状態でした。聞いていただいた後に当該の英文をお見せしたところ『なぜ、こんなに簡単な英文が聞き取れないのだろう?』とご本人も不思議がるほどでした」

文の中で一部の音が抜け落ちる脱落、前後の単語が繋がって発音される連結といった音声変化の例

 なぜ英語の音声が聞き取れないのか? 理由は様々だ。Aさんの場合は音声変化だった。ネイティブが話す時、ひと連なりの文の中で一部の音が抜け落ちたり(脱落)、前後の単語が繋がって発音されたり(連結)といった音声変化が起こる。音声変化にはルールがあるが、大半の日本人はそれを知らない。Aさんも同様だ。それゆえ、音声変化に耳が付いていけないのである。

 「音声変化の中でもどの変化に弱いのか。これを日々行うシャドーイングを通じて見極めていきました。シャドーイングとは、聞き取った英文を即座に復唱するトレーニングですが、苦手な箇所ではどうしても発声が遅くなります。どこで発声が遅くなったかを確認しながら、連結に特化したり脱落に特化したりしながら、段階的にトレーニングを行っていきました。明示的にルールを示しながらトレーニングを行うことで音声知覚の課題は早期に解決、次の課題への対応に移ることができました」

 受講生は3ヵ月の間、スタジオでのトレーニングとホームプログラム(自宅学習)に取り組む。スタジオでのトレーニングは週2回、各90分間。トレーナーと直接対面できる貴重な機会だ。さらにそれと匹敵するぐらい重要なのが、残り5日間のホームプログラムだ。ホームプログラムにどう取り組んだかで、3ヵ月後の成果がまるで違ってくるからだ。

 パーソナルトレーナーは、受講生が効率よく効果的にホームプログラムに取り組めるように、彼らのライフスタイルまで念頭に置きながら指導にあたるのだと山根さんは言う。

どの時間帯にどんなトレーニングが有効かを見極める

 「受講生には初回のトレーニングでどのようなライフスタイルなのかお伺いしています。Aさんの場合は、お仕事が非常に忙しく、夜は疲れ果ててしまい、とても頭を使うプログラムができる状況にはないとのことでしたので、朝、お仕事前に時間を作っていただきました。頭を使うプログラムは朝行うようにして、夜は疲れていてもできる発声系のプログラムに取り組んでいただきました」

 受講生は毎日、SNSアプリのLINEを介して、トレーナーに学習進捗を報告することが決まりだ。トレーナーはスタンプなども使いながら、受講生とコミュニケーションを図る。そこで学習進捗がはかばかしくないと判断されれば、すぐに軌道修正が行われる。週5日のホームプログラムでも、トレーナーとのマンツーマン体制が維持されているのだ。ただし、3ヵ月は短いようで長い。途中でダレたり、心が折れそうになったりする受講生もいるという。

日々の発音トレーニングの報告に、LINEの音声メッセージを活用

 「無理にモチベーションを上げるようなことはしません。モチベーションに頼るのではなく、むしろ淡々と、毎朝歯を磨くように英語学習を習慣化していただけるようにお手伝いしています。また、効果を感じていただくことが継続の力になるので、課題の発見とその解決をご本人にいかに実感していただけるか、についても考えるようにしています」

 入学直後は音声の認識を苦手としていたAさん。英文を音読するのもままならないほどだった。シャドーイングも始めは音源のスピードをかなり緩めないと復唱できなかった。ところが、連結・脱落といった音声変化のルールが、本人の中ですべてクリアになると間もなく、スピードを緩めなくともリズムに乗ってシャドーイングができるようになった。この時、Aさんが実感した達成感たるや、いかばかりだっただろう。

 「始めはシャドーイングが辛かったけれど、それがだんだん楽しくなってきたと仰ってくださいました。仕事でも英文の資料を読むスピードも格段に上がったと仰っていました。トレーニングでは、効率よく効果を出すことにこだわったつもりでしたので、90日間で20年間のブランクを埋められて、さらにそれ以上の効果を実感していただけたことは、トレーナーとしても非常に嬉しく思います」

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