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仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 ― 第13回

ITコストを削減したい中堅中手企業にこそ注目してほしいフルパッケージ

全部入りで少々お安い「Microsoft 365 Business」、Windows 7からの移行はさらにお得

2017年12月05日 12時00分更新

文● 阿久津良和 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

 Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。第13回は「Microsoft 365 Business」を取り上げる。

個別契約よりも月千円コストダウン

 日本マイクロソフトが2017年11月から提供を開始したMicrosoft 365 Businessは、従業員規模300人以下の中堅中小企業を対象に、Office 365 + Windows 10 Business + EMS(Enterprise Mobility + Security)をワンパッケージにしたソリューションだ。上位版として、大企業向けにOffice 365 Enterprise + Windows 10 Enterprise + EMSをセットにしたMicrosoft 365 Enterpriseを8月から提供している。

 Office 365とMicrosoft 365の価格差だが、Office 365 Business Premiumが1ユーザーあたり1360円/月に対して、Microsoft 365 Businessは1ユーザーあたり2180円/月(2017年11月現在)。下の図1に示した表をご覧になるとお分かりのとおり、Office 365の機能に関しては大きな相違点はない。

1.Office 365 Business PremiumとMicrosoft 365 Businessの違い2.Microsoft 365 Businessのセットアップ画面。ウィザード操作で行うため、Office 365 Admin Centerに慣れた管理者ならすぐに操作を終えられる

 Microsoft 365 Businessのアドバンテージは社内のPCやスマートフォンに保護ソリューションを付与できる点だ。いまだ多くの企業がリース会社の契約タイミングなどから、Windows 7など古いOSを使い続けているケースは少なくない。数年後の2020年1月にはサポート終了が迫っているにもかかわらずだ。このようなシナリオでMicrosoft 365 Businessを必要な件数だけ契約した場合、Windows 10の永続的なライセンス付与と無償アップグレードに加えて、Office 365デスクトップ版の自動展開、クラウド経由でID&アクセスの制御、モバイルデバイスの管理が可能になる。

 EMS E3は1ユーザーあたり950円/月だが、Office 365 Business Premiumの1360円/月と合算すると、それだけでMicrosoft 365 Businessの契約費を超えてしまう。さらにWindows 10のサブスクリプションは、CSP(Cloud Solution Provider)経由で購入可能なWindows 10 Enterprise E3/E5は760円/月。SKUの差異があるため厳密な計算ではないものの、個別に購入すると約3000円/月のソリューションがMicrosoft 365 Businessは2180円/月で契約できる。つまり、Microsoft 365 Businessは「全部入り」で少々「安い」のだ。

3.Office 365 Admin Centerに用意されたWindows AutoPilot用プロファイル作成画面。執筆時点ではプライバシー情報のスキップや管理者権限に関する設定が可能だった4.「デバイスポリシー」でルール設定を付与すれば、デバイスの保護や紛失時の設定といった情報漏洩対策を付与できる

 だが、誤解を恐れずに述べれば、EMSによるデバイス・セキュリティ管理を必要とせず、既にWindows 10 PCを利用している中堅中小企業にとってMicrosoft 365 Businessは無用の長物だ。例えばWindows 10 PCを購入している場合、OSのライセンスが重複するため、お得になるとは言い難い。それでもPCの電源を入れるだけで、一連のセットアップやアプリケーションの展開などを可能にするWindows AutoPilotを使えば、デバイス管理の負担は大幅に軽減する。この点は専任のITシステム部門を持たない中堅中小企業にとって、大きなアドバンテージとなるだろう。

 つまりMicrosoft 365 Businessに注目すべきは、生産性向上を求める現場の従業員ではなく、コスト見直しなどを求める経営層だ。出先から会社支給のタブレットでSharePoint Online上のカタログデータを参照し、営業先で顧客に提示するといったワークスタイルを実現するにはデバイスの保護が欠かせない。だからといって小難しいIT保守管理のために人員を割くのが難しく、高額なコンサルティング費用の捻出も難しい状況下であれば、Microsoft 365 Businessは興味深い存在となるはずだ。

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