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HPの院長紹介が長すぎる歯科医院に行かないほうがいい理由

2017年12月02日 06時00分更新

文● あまの和代(ダイヤモンド・オンライン

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日本人は歯医者選びに無関心だ。「家の近くにある」など、些細な理由だけで決めている人が多い。しかし、歯科医院は選ばなければ高い確率で損をする。実際にあった悪質な歯科医院のエピソードをもとに、良い歯科医院の選び方を、歯科衛生士でブロガーのナカタコマチ氏に聞いた。(清談社 あまの和代)

自費診療でぼったくられる
悪徳歯医者の実態

高額な自費治療を強引に勧めたり、わざと治療を長引かせるなど、悪質な歯科医も残念ながら存在する。少しの違和感も見逃さず、しっくりくる歯科医を諦めずに探す必要がある(写真はイメージです)

「自費治療でつけたばかりのクラウン(歯の被せ物)が、食事中に割れてしまったんです。治療した歯科医院に行ったら、『定期的にメンテナンスを受けに来ないと保障はきかない』と言われ、再治療として5万円を請求されました。5年間は無償で取り替えてくれるはずだったのに…」

 こう語るのは都内に住むAさん。治療した際に、メンテナンスに関する説明は一切なかったと憤る。

「説明があれば、当然行きました。でも、クラウンの治療が終わった時点で、次の診察の予約の話もなかったので通院は終わりだと思ったんです」(Aさん)

 治療から1年も経たないうちに、5万円のクラウンが割れたことについて説明を求めると、「あなたの歯並びや噛み合わせが悪いせいだ」と、まるでAさんに責任があるかのような言い方をされたという。

「メンテナンスの説明がなかったことを伝えたうえで、保障内で治療してほしいと頼みましたが、聞き入れてもらえませんでした。埒が明かないので、治療をすべて止めたいと伝えると、受付の方から『じゃあ、うちはもう何もしなくていいんですね?』と言われて終わりです。事務的な物言いに愕然としました」(Aさん)

 丸ノ内線沿線の駅から徒歩1分の場所にあるその『Z』という歯医者は、受付の態度も悪く、忙しなく動き回る歯科助手の姿が印象に残っているという。

「今考えれば、受付の態度を見た時点で、別の歯科医院に変えるべきでした。でも早く治療を進めたいあまり、家からすぐの『Z』に決めてしまったんです。ムダにお金がかかって、本当に後悔しています」(Aさん)

受付の感じが悪い歯医者は
ぼったくり医院の可能性が

 Aさんのようなケースは決して珍しくない。歯科医院のトラブルは誰にでも起こりうることなのだ。ナカタコマチさんによると、「Aさんが感じた“受付の対応が悪い”というのは、かなり大事な判断基準です」と分析する。

「電話予約の時点で、少しでも感じが悪いなと思ったら、その歯医者とは相性が悪いと判断して、別のところにするべきです。実際に足を運んでみて、受付の対応が雑だったりした場合も同様です。初診料がもったいないと思うかもしれませんが、その後も通い続けてお金を払うことを考えたら安いものです」(ナカタさん)

 今や全国に6万軒以上あると言われている歯科医院の中から、信頼できる歯科医院を選ぶのは、かなり難易度が高いことだ。しかし、慎重に選ばないと、Aさんのように、ぼったくりに近い歯科医院に当たる可能性もある。自費診療を受ける場合は特に注意が必要だ。

「たとえば最近人気のインプラント治療ですが、これは万人に適した治療というわけではありません。日常的に喫煙している人、特定の持病がある人には不向きです。にもかかわらず、メリットばかりを押し出して治療を進める歯科医はハッキリ言って危ないです」(ナカタさん)

 インプラントの場合、治療後のメンテナンスとセルフケアも必須であるため、真摯な姿勢を見せない患者には、治療を行わないという選択肢を取る歯科医もいる。だが、そうした判断ができる歯科医こそ、信頼できるとナカタさんは言う。

「自費での治療は高額になる場合がほとんどです。それを丁寧な説明もないまま進めるのは、本来ありえないことなんです。治療を受ける、受けないの選択肢は患者にあります。迷ったら一旦持ち帰って検討してください。ほかの歯科医院に相談に行くのもいいと思います」(ナカタさん)

院長の資格をズラッと列記してある
HPはなぜダメなのか?

 現実問題として、高額な自費診療を勧めたり、わざと治療を長引かせる歯科医もいるのだという。

「口の中を見れば、その人が歯にどれくらい気をつかっているかは一目瞭然です。ろくに定期検診も行っていないとわかれば、足元を見てくる歯科医も残念ながらいます。なので、患者側もできる限りのケアをしておくに越したことはありません」(ナカタさん)

 日本人の歯に対する意識は欧米諸国に比べると低い。定期検診に行く割合は、北米が80%近くあるのに対し、日本は10%にも満たないという調査結果もある。そのため、歯医者を訪れる人は今すぐ治療をしたいというケースがほとんどだ。だからこそナカタさんは、「何も問題がない状態のときこそ、歯科医を探すチャンス」という。

「新規で歯医者を探す場合は、ひとまず歯の検診をするという名目で、予約してみてください。その際に、電話対応、受付の態度、院内の雰囲気などをチェックします。また、担当医との相性も重要です。信頼して話を聞けるかどうか、それはもう自分の好みで決めていいと思います」(ナカタさん)

 あくまで手がかり程度にしかならないというが、歯科医院のHPからも判断できる場合があるという。

「院長紹介のページが長すぎる歯科医院は、あまりオススメしません。よくわからない資格がズラっと記載されていて、一見すごそうに思いますが、実際には講習会に行っただけ、セミナーに参加しただけ、というような、見せかけの資格の場合もあります。一概にダメとは言えませんが、個人的には避けるようにしています」(ナカタさん)

 歯が痛み出してから探すのでは、遅すぎる。本当に治療が必要になる前に、複数の歯医者を回って、相性の良い所を探すのがベストだ。適当なところに決めたが最後、知らないうちに相場以上の治療費を払うことになりかねないのだから。

<取材協力>
ナカタコマチ
http://www.mama-eiseishi.com/
『ママは歯科衛生士』


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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