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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第266回

モンゴルでエンジニアの卵と触れあったり家電量販店を回ってみた

2017年12月02日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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 続いて、モンゴル科学技術大学へ向かう。ここではJICAによる「高等専門学校留学プログラム」が行なわれている。5期にわたって、200人ずつの留学生を日本各地の高専で受け入れ、1000人のエンジニアを育成しようという活動だ。そして、ここの数学の授業を田村さんのご主人、田村幸雄さんが担当していたのだ。

 本来は、10代の彼らに簡単にインタビューしようかと考えていたのだが、日本のITライターが来ると言うことで、急遽2クラスの授業の代わりに話すことになった。何の準備もしてきていないので、質問を交えながら進めることに。

モンゴル科学技術大学

3階に高専留学プログラムの教室が用意されていた

 教室に入って挨拶すると、いきなり「きりーつ」と声が上がり、全員がいきなり立ち上がり、「礼、着席」と続いた。もちろん、日本語だ。あー、そんなのあったなぁと懐かしくなる。筆者はモンゴル語を一切話せないので、日本語で自己紹介からのインタビュー開始。1クラス15人くらいいるが、全員スマホを持っている。しかし、手を上げてもらったところ、iPhoneはクラスに1~2人だけ。なぜかと聞くと、当然iPhoneが欲しいが、金額的な理由でAndroidを使っているとのこと。AndroidではGalaxyが人気で、次点がLGの端末だった。通訳さんにiPhoneとAndroidの比率が半々と言われたというと、お金に余裕がある大人になればiPhoneの比率が上がるという。

数学とC言語の授業だったが、急遽筆者がITに関する話をすることに

 スマホをいじるのは1日1~2時間程度とのこと。何をしているのかと尋ねるとFacebookと即答した。また、全世界の流れと同様、若い人たちの間ではInstagramも流行っているという。ちなみに、Twitterは誰もやっておらず、スマホゲームもそれほどしないみたいだ。ただし、PCゲームは相当メジャーらしい。

 その後、なんでも質問に答えますと言うと、我先に手を挙げて質問してくる。日本語は支障なく上手。日本語を本格的に勉強して、たった1年半だというから恐れ入る。

 学ぶべきプログラム言語は何か、AIが人類を滅ぼすのは本当か、といった質問が次々と。イーロン・マスク氏やスティーブン・ホーキング博士の意見を紹介しつつも、個人的な意見として別に今AIは危険とは考えていないこと、AIと言う言葉の印象と現実は乖離していることなどを説明した。

 注目されているカテゴリーは何か、と聞かれたので、取材したことのあるベンチャーキャピタルが注力していると言っていた、AI、ブロックチェーン、バイオ、VR、IoT、ヘルステックと受け売りで回答。すると、ビットコインについてどう思うか、AI技術者になるにはどうすればいいか、など質問攻め。流石に答えきれないことも出てきた。

 この日は、編入試験を受けたあと合格発表前というタイミングで、みんなそわそわしている。合格すれば、来年の4月には来日し、全国の高専の3年生として編入する。どこに来たいか聞いてみると、北海道がダントツ人気。理由は、気候が似てるからとのことで笑ってしまった。次点が広島だった。

 もちろん、みんな18~19歳なので現時点でハイレベルなスキルを持っているわけではないが、向上心が強く、まじめそう。実際、日本の高専に来て、日本人の中でもトップの成績をとる子もいるそうだ。個人的にもこの活動は支援していきたいと思う。

すごくまじめでいい子たちだった。向上心がすごい

先生は真ん中でと言われて撮影した別クラス。隠れてしまった

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