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クリスマスに欲っしいカメラはコレだっ!!

ついに発売 PowerShot G1X MarkIII 製品版試用レポート

2017年11月29日 10時00分更新

文● 編集長みやの(@E_Minazou)+ アスキーおカメラ部

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 キヤノンのコンパクトカメラ最上位モデル「G1X MarkIII」が11月30日ついに発売となる.APS-Cサイズの大型センサーにEVF、ズームレンズを搭載して超コンパクトというのが大きな魅力だ.出荷直前の製品版を試用できたのでレポートしていこう.

 そもそもキヤノンの「G」は、2000年から発売が開始された高級コンパクトカメラ一家で、2012年以降は大型センサーを搭載したGXシリーズとして展開してきた.

 2012年3月に発売となったG1Xは初の1.5型撮像素子を搭載.2014年3月に発売となったG1XのMarkIIは同じ1.5型ながらレンズが28-112mmから24-120mmと倍率を広げた.

 それから3年半という長い時間を経て,2017年10月に発表となったのがMarkIII(以下G1X3)で、最大の進化は撮像素子が1.5型から一気にAPS-Cサイズへと大型化したことである.

 ちなみに現在のGXファミリーはどうなっているかというと、G3XからG9Xまではすべて1型センサーを搭載.G3Xは高倍率ズームモデルで24-600mm F2.8-5.6という25倍ズームを搭載.G5XはEVFを内蔵し24-100mm F1.8-2.8を搭載.G7Xは現在MarkIIとなっておりG5からEVFを外したコンパクトモデルで24-100mm F1.4-2.8を搭載.G9Xはさらに小型軽量化をめざしたモデルで28-84mm F2.0-4.9を搭載して206グラムを実現している.

APS-Cサイズセンサー搭載で
399グラムを実現したのがエラい!!

 さて、この新しいG1X3が搭載してる撮像素子は、APS-Cサイズの2420万画素CMOSである.実際は約22×15ミリで縦横比は3対2で35ミリフィルムと同じ.

 面積比でいうと1/2.3型が30平方ミリ、1型が約117平方ミリ、4/3型が238、1.5型が234、APS-Cが約330でフルサイズが864となる.つまり、APS-Cサイズのセンサーは1型センサーの約2.8倍の面積があるわけで、同じ画素数なら、1画素あたりの面積も2.8倍となるのだ.

センサーサイズの比較.APS-Cの面積は1型の約3倍ある.

 この2420万画素のAPS-Cセンサーは、「デュアルピクセルCMOS」という独自の構造を持ち、センサー面積の約65%の範囲のドットで「位相差AF」が可能となっている.と聞いて「ムムッ」となるアナタはカメラオタクです.そうです、キヤノンの一眼レフEOS 80Dや 9000D、ミラーレスのEOS M5/M6が搭載しているのと同じセンサーだから、同じ写真が撮れるはずなのだ.

写真でみると一眼レフのように見えるが、実際は幅115ミリ、高さは78ミリしかないのでミニチュアのような感じなのだ.

 EOS M5のサイズは約116×89×61ミリで427グラム.G1X3は115×78×51ミリで399グラムで、ありま変わらないじゃんと思うヒトもいるかもですが、M5のほうはレンズのない状態ですから、これにレンズぶんの奥行きと重さが加わります.コンパクトズームのEF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STMは全長約45ミリで重さ130グラムですから、合計で約560グラム.G1X3はミラーレスと比べて3割軽量となっていることになる(レンズの明るさを揃えるともっと差が出ますが).

 前モデルの1.5型センサー搭載G1X2は553グラムもあったので、センサーが大型化しながら154グラムも軽量化したのはとてもうれしいですね.

コンパクトだけど
操作はEOSなみにエラいっ

 G1X3のデザインは、中央にファインダーが鎮座した、いわゆる「軍艦部」のある一眼レフ型で、実はM5も似ている.自分はどちらかというとファインダーが左端にある四角形フラット型のほうが好きなのだが、使っているとレンズの真上にファインダーがあるこのカタチも視差がなくてキモチいい.

おなじみの操作系で、左右のダイヤルは赤いアクセントが高級感を醸しだしている.液晶はタッチ操作も可能だ.

 さらに、自分は左目でファインダーをのぞくので、EVFをのぞくと背面液晶に鼻が当たりがちなのだが、G1X3のEVFのラバーフードは、コンパクトカメラとしてはかなり立派で、メガネをかけていてもぐっと密着して構えられる.アイポイントは22ミリと長めなのもメガネ派にはうれしい.

EVFのラバーフードは後ろに飛び出しているカタチ.レンズの根元にあるリングはユーザーが機能設定することもできる.

 EVFはXGA(1024×768ドット)の236万ドットで、明るさもコントラストも表示速度もストレスはない.シビアなピント合わせのために、合焦した部分に色をつけて表示する「MFピーキング」もAPS-Cセンサーモデルではうれしい機能だ.

ファインダー像は明るくて解像度も十分.表示サイズを2種から選べるのもメガネ派にはうれしい.

 電源はプッシュ型スイッチで、押すとレンズがミーンと、予想以上に出てくる.そのかわり、ズームレバーで望遠端にしてもレンズの長さはあまり変わらない.

電源を入れるとここまでレンズが出る.望遠側にしても長さはほとんど変わらない設計である.

シャッターボタンの
感触にうっとりですよ

 シャッターボタンの押し心地は、コンパクトカメラとしては重めで、オレ的には「半押しするはずが全押しする間違い」がなくて、非常によい.連写も高速で、もたつき感はない.

右肩にはシャッターと露出補正ダイヤルが並ぶ.背面右上の凸部に親指をかけて安定操作ができるデザインだ.

 自分は取材ではブラケット撮影をよく使う.G3Xでは3枚連写が可能で、指定したぶんの露出をずらして「標準-プラス-マイナス」の順で撮影される.これは完全にオレの趣味なのだが、「マイナス-標準-プラス」も選べるようにしてほしいし、できれば5枚撮りも指定できるとありがたい.

 本体にはバッテリーチャージャーが付属するが、いまどき本体充電のほうが主流だ.旅行中もスマホの充電器を持ち歩かないヒトはいないから、兼用したいのである.

バッテリーチャージャーが本体に付属するのも一眼レフなみだけど本体で充電するので、チャージャーではなくレンズフードを標準添付してほしいかな~

 G1X3は別体のチャージャーだけでなく、カメラ本体のマイクロUSB端子からも充電できる仕様のだが、他社製のACアダプターでは充電できるものとできないものがあった.

本体右側のフタをあけると、リモコン、USB、HDMI端子が内蔵されている.その下にWiFiボタン.

 バッテリーはNB-13Lで3.6V 1250mAhで容量は4.5Whとやや小さめだ.持ち歩いて撮りまくっていると1日もたない.パナソニックのTX1はコンパクトながら7.4Whという大型のバッテリーを採用しているから、それくらいにはしてほしいところだ.

多彩なユーザー設定と
処理機能が楽しい

 撮影操作のカスタマイズも自由度が高く、レンズの根元のリングと、シャッターの前側についているリング、そして液晶右のリングは、どの撮影モード(MとかAvとか)のときに、どの機能を割り当てたいかをカンタンに指定できる.

 露出補正はそれらとは別に右肩に専用ダイヤルがあり直接指定することになる.間違いなしでいいのだが、この方式だと、静止画と動画撮影時で同じ露出補正をすることになる.自分は静止画はマイナス補正をするクセがあるのだが、動画は補正なしで撮りたい派なのでちょっと面倒だ(ダイヤルでなくても問答無用で同じ設定で撮影するカメラは多いのだが....).

 ピクチャースタイルはポートレートや風景などがそろっているが、自分で好みの設定も指定できる.シャープネスとコントラストをアゲアゲにしたポジフィルム調なども設定できるのは楽しい.

-1補正のPモードで撮影.ハイライトからシャドーまでカッチリ撮れている.

 NDフィルター(3段分)を内蔵しており,オートONにしておくと明るすぎのときにかぶせてくれる.常に絞りは開放でISOは固定で撮らないと気がすまないオレのようなユーザーにはとてもありがたいのである.

 おなじみHDRはいわゆる「シーンモード」のひとつとして組み込まれている.特殊な画像を必要とするならそれでもいいのだが、通常撮影の途中でDLを圧縮したい場合もあり(このカメラではHDRのナチュラルという)、A/S/Pといった通常の撮影モードで、ON/OFFできるようにしてほしい(HDRオタクなものですいません).

HDRは左肩にある撮影モードのSCNの中にある.
曇り空だが、HDRで撮影.画面下の道路の細部からビルのハイライトまできちんと描画されている.

 とはいえ、HDR撮影とは別に、明暗差の自動コントロールは「オートライティングオプチマイザ」という機能を搭載している.こちらはどのモードでも指定でき、暗部を自動的に持ち上げたり、コントラストを補正してくれるので、逆光で両方を表現したい場合には効く.

 さらに、これとは別に「高輝度階調優先」という機能もあって、明るい側を表現したいときはこちらをONにすると、オートライティングオプチマイザのほうは自動的にOFFになる.露出補正ではなく明るい部分だけ落としたいときはこちらを使えばいい.

さすがAPS-Cセンサー
なによりボケ味がスゴい

 気になる写りはどうなけのかというと、さすがにAPS-Cサイズ2400万画素という、一眼レフなみのスペックを持つだけに、解像感は文句なし.さらに1ピクセルのサイズも大きいのでダイナミックレンジも広く、白飛びや黒潰れにも強い.

オートライティングオプチマイザのおかげで、晴天下の日陰も潰れずに描写される.

 そしてなによりいちばんセンサーサイズの大きさを感じたのが「美しいボケ」である.フィルムの時代もそうだったが、フィルム面積が広くなるほど、同じ画角を得るためのレンズの焦点距離は長くなり、被写界震度は浅くなる.この法則はもちろんデジタルカメラでも同様で、コンパクトカメラながら、1/1.7型や1型に比べて、APS-CサイズのG1X3はボケやすくてそれがキレイなのだ.

 レンズのワイド端の焦点距離をみてみると、G5XとG1X3ともに35ミリ換算で24ミリ相当だが、センサーが1型のG5Xは実際についているレンズの焦点距離は8.8ミリなのに対してG1X3のレンズのワイド端は15ミリと、約2倍の焦点距離がある.それだけ被写界深度は狭くなり、ボケやすい.

 実際に近接撮影をしてみたが、絞り開放で撮ると、被写界深度が非常に狭い.お食事を最接近して撮影する場合など、ちょっと絞らないとなんだかわからないくらいである.

 ボケの質も、さすがキヤノンの光学技術と感心する美しさ.コンパクトカメラとは思えないくらい、とても自然でキレイなボケを得ることができる.

F2.8の開放で中央の招き猫の目に焦点を合わせた.口の部分はボケていて、被写界深度の狭さがよくわかる.背景のボケもキレイだ.

 近接で思い出したが、最接近撮影距離は、ワイド端でレンズ前10センチ、望遠端で30センチである.ワイド端で約15×10センチの画角を撮影することになる.焦点距離24ミリだと10センチでは少し寄り足りないので半分の5センチを目指していただけるとありがたい.

最接近で幅15センチはちょっと広めなのでもう一歩寄れる設計を希望します~

 暗い場所でありがたい(というかもうコレなしではだめ)な光学式の手ブレ補正は、約4段分とこれも強力.通常のジャイロセンサーによるブレ感知とともに、撮像センサー上での画像ブレも検知して、両方の情報から補正をおこなうのでより正確なのである.

同梱のストラップアダプターとネックストラップ.コンパクトカメラは他社でもこのカタチが多いが、2段階にする意味がわからない.ぜひストラップを直接つけられる設計にしていただきたい.
オプションのレンズフードは必ず買いましょう.専用レンズキャップも付いてきます.(写真下は標準付属のキャップ)
水中ハウジングは水深40メートル防水の強さです.ダイヤルがきちんと操作できるしくみになっています.

新世代のAPS-Cコンパクト
超高画質実用機だっ

 G1X3の最大の魅力は、EOSシリーズの一眼レフやミラーレスMシリーズと同等のAPS-CセンサーとDIGIC7の高速処理を、このサイズで持ち歩けるコト.そして、大型センサーといいレンズが生み出す美しいボケも大きな魅力だ.

 もちろんフジのX100FやリコーのGR2、シグマのdp、ライカのXといったAPS-Cセンサーを搭載したコンパクトカメラはすでに存在する.さらに上位としてはソニーのRX1やライカのQなど、フルサイズセンサー搭載コンパクトもある.

 ただ、これまでの大型センサー搭載コンパクトはすべてレンズが固定焦点だった.35ミリ相当や28ミリの明るいレンズで最上級の写真を撮るというコンセプトである.そんな中で、G1X3はコンパクト設計のズームをのせたことによって、これまでの趣味寄りの高級コンパクトを、実用カメラへと変化させたのだ.

 日常、カバンに入れて、取材にもゴハン撮りにも使うカメラがAPS-Cであるというのは、とてもリッチな気分だ.いまイチバン買っていいコンパクトカメラなのである.

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