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10ギガアップリンクも搭載でボトルネック解消、ネットギアの法人向けL2+スマートスイッチ

ケーブルそのままで2.5/5Gに高速化、マルチギガスイッチ新機種

2017年11月29日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ネットギアジャパンは11月29日、10Gアップリンクを搭載した法人向けレイヤー2+(L2+)スマートスイッチの「MS510TX」と、PoE+にも対応した「MS510TXPP」を発表した。大半のオフィスや施設で敷設済みのCat5e/Cat6規格LANケーブルを使い、2.5G/5Gの通信速度を実現する「マルチギガビットEthernet(IEEE 802.3bz)」に対応した新モデルとなる。12月4日発売。

ネットギアのマルチギガスイッチ新機種「MS510TX」(上)とPoE+対応の「MS510TXPP」(下)

 MS510TXは、10M/100M/1G×4ポート、100M/1G/2.5G×2ポート、100M/1G/2.5G/5G×2ポートと、アップリンク用の100M/1G/2.5G/5G/10G×1ポート、SFP+スロット×1ポートを搭載した、マルチギガ対応のL2+スマートスイッチ。MS510TXPPは、そのPoE+対応モデルとなる(8ポート合計で180Wまで)。定価(税抜)は、MS510TXが7万8000円、MS510TXPPが12万円。

 ネットギアによると、全世界で敷設されているLANケーブルの75%は「Cat5e/6」カテゴリのケーブルであり、最大伝送速度はこれまで1Gbpsだった。そのため、802.11acアクセスポイントやSSD搭載ストレージなどを接続したり、4Kビデオを配信したりする場合に1Gネットワークがボトルネックとなり、企業ネットワークにおいて新しい技術の能力を発揮できなかった。

 一方で、企業内のネットワークを10G(10ギガビットEthernet)にアップグレードするためにはあらためて「Cat6A/7」カテゴリのケーブルを敷設し直す必要があり、オフィス環境などではその更新は困難だった。

 今回のマルチギガ対応スマートスイッチは、既設のCat5e/6ケーブルをそのまま使い、スイッチを入れ替えるだけで5倍(または2.5倍)の伝送速度を実現する。これにより、802.11acアクセスポイントやSSDストレージなどの能力を発揮できる企業ネットワークを、ケーブル再敷設のコストなしで構築できる。また、アップリンク用に10GBase-TとSFP+ポートを備えており、サーバー接続やフロア間接続にも利用できる。

 なおネットギアでは今年10月、マルチギガ対応アンマネージスイッチの「XS505M」「XS508M」を発売している。これらの機種は管理機能を備えていないシンプルな機種だが、今回のMS510TX/MS510TXPPはL2+スマートスイッチであり、中小規模ネットワーク向けのVLANや802.1xといった機能をWebブラウザから管理設定でき、スタティックルーティングにも対応している。

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