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「大人の学び直し」で人気の学習アプリと塾はどこがすごいのか

2017年11月27日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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学習塾といえば、小中高生向けというイメージが強いだろう。だが、実は大人の需要も高い。近年学習アプリや社会人コースの登場で、気軽にいつでも学べる“環境”と“情報”が手に入りやすくなった。その結果、さらに大人の学び直しに拍車がかかっているのだ。(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 西田浩史)

「有名芸人が青山学院大学の一般入試合格を100日で目指す」という挑戦が話題になっているが、こうした“大人の学び直し”や“大人の猛勉強”が一般の社会人の間で広がっている

 有名芸人がほぼ知識ゼロから青山学院大学の“一般入試”合格を100日で目指すという挑戦が話題となっている。

 東京都のある大手塾職員によれば「中学の基礎学力に穴がある場合、成功率はかなり低い。GMARCHなら最低2年、早慶上理はそれ以上かかるのではないか」と厳し目の予想だ。はたして、春に桜は咲くのだろうか。

 実は今、この手の “大人の学び直し”や“大人の猛勉強”が一般の社会人の間で広がっている。

 スマートフォンのアプリで小中高のカリキュラムが学べる「スタディサプリ」は、高校生の間では必須アイテムだ。

 ところが、同アプリを運営するリクルートマーケティングパートナーズ経営企画部の広報グループ平畑瑛弥子氏によれば「約1万人超が学生以外の会員」だという。

 平畑氏は「当初は学生の需要がほとんどだと思っていた。調査をしたら学生以外の登録者がとても多かった。特に予備校がない地方で需要が高かったのは想定外」と話す。

 社会人の学習ニーズは潜在的にかなり高いといえるのだ。

 その目的は、いくつかある。まずは、小中高で習うべき内容を教養としておさらいしたい層。これは言ってみれば、ライトな学び直し層だ。

 次に、そこから一歩踏み込んで大学受験を目指し直す層。三つ目は、語学試験や国家資格を狙う層などだ。この二つは“猛勉強派”と言っていい。

 いずれの層も増えていて、そこをめがけて予備校の新コースやアプリなどが続々投入されつつあるのだ。

 では、大人が学び直しや猛勉強をする場合、どういう方法が良いのだろうか。

学習塾が驚愕する“質とコスパ”

 トップバッターはなんといっても、前出のスタディサプリ。大学受験や英語の資格受験に利用できる。

 スマホで“スキマ時間”の活用ができるという点が、社会人の学び需要を喚起した側面があり、ブームの火付け役とも言える。

 さらに、同アプリは小中高生向けだけではなく、大人向けのTOEIC講座もある。他にも、AIが英語の発音、表現を分析するアプリ「テラトーク」は、段階別に大人の留学や検定、日常会話対策ができる。様々な英会話シーンを想定したコースが多く用意されているのが特徴だ。未成年にだけ使わせておくのは、もったいない。

 なにしろ、このスタディサプリは学習塾でも導入されている。

 早慶受験に定評のある慶應受験会代表の菅谷隆臣氏は、スタディアプリを実際に塾で活用している。超基礎から最難関大学受験レベルまで、自由に講座を選べる。その割に金額も安く、内容、質ともかなり高い。「1講座20分前後と授業が短く、復習しやすい」と、菅谷氏も太鼓判を押す。

 一方、未成年のものという意味では、「公文」のイメージが強い。多くの日本人の頭の中では、公文といえば小学生が通う風景が思い浮かぶのではないだろうか。

 ところが、なんと今、公文の通信コースの約25%は、社会人を含む大人で、その多くが小中高レベルの学び直しと大学受験を目的としているという。段階的に多くの問題を解く学習手法が、公文の強みのようだ。

社会人対応の塾も増加中

 ここまではアプリと通信制を紹介したが、もちろん時間に余裕があるのなら、通学がいいだろう。というのも、自習室の利用、小テストの実施や直接指導で、やる気を維持しやすいからだ。

 大学受験で、社会人対応の塾は少なかったが、徐々に増えつつある。大手と呼ばれる河合塾、駿台、代ゼミの他、特に四谷学院はホームページで社会人の合格者を紹介している。55段階の個別指導がウリだ。

 医学部編入の場合は河合塾KALS(通信も人気)、社会人入試と大学編入では中央ゼミナール、ECC編入学院が有名だ。大学院入試は青山IGC学院、日本編入学院などだ。さらに、トライには社会人向けの家庭教師のコースもある。

 大学受験や語学試験、国家資格受験などを目的に塾・予備校などを選ぶポイントは何か。「大学受験、語学試験を狙うなら、学生時代に勉強してからブランクがある。そこで、どの学力層でも対応しやすく、レベル別に講座が細かく用意、選択できる学校がいい」と話すのは、前出の菅谷氏だ。

 さらに社会人でも東京大学、早慶上理、MARCH、関関同立などの難関大学を目指したいのなら、かなりハイレベルな記述対策も必要だ。社会人向けの通信コースを準備する白藍塾やZ会などの併用も考えられる。

 最後に、難関資格取得ならまだまだ通学が強い。鹿児島の不動産会社、川商ハウスに勤める西田英子氏は難関の宅建資格を社会人になってから勉強を始め、短期間で合格した。西田氏によれば、「他の短期合格者を見ても、独学より日建学院、TAC、LECなど大手資格予備校に通うケースがほとんどだった」という。

 ライトな教養の学び直しなのか、それとも猛勉強なのか。あるいは、どの資格を目指すのか。自分の目的に合わせて、アプリ・通信・通学を選択、あるいは併用すればよい。いずれにせよ、選択肢がかなり増えたことは間違いがなく、学びたい社会人にとってこれほど恵まれた時代はないだろう。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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