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昼ドラが土曜深夜に復活!東海テレビが仕掛ける「夜のドラマ」

2017年11月25日 06時00分更新

文● 中村未来(ダイヤモンド・オンライン

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フジテレビ系で毎週土曜よる11時40分から放送されているドラマ『さくらの親子丼』。深夜帯にもかかわらず、どことなく昔懐かしい昼ドラのような雰囲気を醸し出していると話題になっている。それもそのはず、製作しているのはこれまで『牡丹と薔薇』など、昼ドラを半世紀以上にわたり作り続けてきた東海テレビ。昼ドラと深夜ドラマ、現場はどのように変化したのか。東海テレビの制作局次長兼東京制作部長・横田誠氏に話を聞いた。

「昼ドラの東海テレビ」が
土曜深夜ドラマの制作に鞍替え

昼ドラの名手だった東海テレビは、土曜深夜枠ドラマに活躍の場を変えた。今後、昼ドラの十八番だった「ドロドロの愛憎劇」を再び、土曜深夜向けに制作する可能性もあるという(東海テレビ「さくらの親子丼」HPより)

 2016年、52年の歴史に幕を閉じたフジテレビ系の昼ドラ枠。その製作のすべてを担っていた東海テレビは、以後『オトナの土ドラ』枠に移り、新たなドラマ製作をスタートさせている。

 ユースケ・サンタマリア主演の『火の粉』にはじまって、これまで9作品が放送されており、この10月からスタートしたのが真矢ミキ主演の『さくらの親子丼』だ。

 舞台は、東京都大田区。羽田空港にほど近い町にある古本屋「九十九堂」の奥には、“たまりば”と呼ばれる一室がある。そこに集うのは、少々ワケありの人物たち。店の女主人九十九さくら(真矢ミキ)は、たまりばに来た者なら、相手が誰であろうと無料で親子丼を作って差し出す。さくらの親子丼を食べると、不思議と心が軽くなるのだった…。

 下町を舞台に、女主人と、ワケありの少年少女たちが心を通わせていくというストーリーは、どこか昔ながらの昼ドラを想起させる。過去の同枠の作品と比べても、“昼ドラ感”がより一層濃く見えるが、東海テレビの原点回帰ということなのだろうか。

「視聴者の方々からも、『昼ドラっぽい』というご意見をいただきましたが、制作サイドがあえて昼ドラ風にしたということはありません。ただ、長年昼ドラを作ってきた我々が作ると、自然とテイストが似てくるということはあるかと思います」(横田氏、以下同)

 昼ドラのターゲットは、主婦層がメインだったが、『オトナの土ドラ』のメインターゲットは、さらに働く大人の男女が加わる。その層に刺さることを考えて製作されている。『さくらの親子丼』も、一見人情味あふれるホームドラマのように見えるが、内容はヘビーだ。

 脚本を担当しているのは、昼ドラ時代の人気作『明日の光をつかめ』シリーズを手掛けた清水有生氏。ドラマに登場するエピソードは、清水氏の徹底取材にもとづいて描かれている。

「育児に悩むシングルマザーや、殺人事件を起こしてしまった少年、摂食障害に苦しむ女性教師など、扱うテーマは重いものばかりですが、実際に生じている社会問題です。たまりばのような無料の食堂も、今や日本中に点在しています。今日明日の食事に困っている子どもは、決して珍しくありません。『さくらの親子丼』はそうした問題を真正面から捉えたドラマです」

深夜、人々が求めているのは
ヒリヒリしたサスペンスドラマ

 東海テレビが『オトナの土ドラ』を製作するようになったのは、昼ドラの終了がきっかけだったということは冒頭で触れたが、決定したのはなんと放送半年前のことだった。準備は急ピッチで進められたという。

「1年以上前に『昼ドラが終わるかもしれない』というのは打診されていたので、ある程度準備はしていたのですが、正式に決定したのは半年前だったのでやはり大変な部分はありました。放送の時間帯が昼から夜に変わるということは、視聴者層も大きく変わるので、それまで作っていた昼ドラとは別のものを目指す必要があります。就寝前の大人は、どんなドラマを求めているのか。その調査をするところから始まりました」

 独自の調査のもと、主要なジャンルとして浮かび上がったのがサスペンスだった。大人の男女が心惹かれる内容でありつつ、睡魔を吹き飛ばすようなヒリヒリした展開が楽しめるのがその理由だ。第一作に、雫井脩介原作のミステリー小説『火の粉』を選んだのには、そうした理由があった。

「もちろん、サスペンスばかりではなく、人情ドラマや、お仕事ドラマなど、視聴者が好むテーマを、順番に製作しています。なので、面白いドラマのプロットさえあれば今後、かつての昼ドラのような愛憎ドラマが復活する可能性もあります。“愛憎劇”は時代を問わず、支持されるテーマの1つだと思うので、今の時間帯でも十分戦えるジャンルです」

制作コストは少ないが
「内容で勝負できる」

 深夜にドロドロした愛憎劇もまた面白さがあるとは思うが、作品の選出にも、深夜帯ならではの悩みがあるという。

「制作にかける予算が、ゴールデン枠の約3分の1なんです。オリジナル脚本はコストがかかるため、原作ありきの作品になりがちという部分はあります。スタジオのセットや道具類なども、予算の限界は確かにあります」

 しかしその分、内容で勝負できると横田氏は言う。主演に真矢ミキを起用したのも、物語の質を上げるための挑戦だった。

「さくらを演じるのは、言葉に説得力のある方でないといけません。そうした意味で、真矢さんは女優業だけでなく、情報番組のMCも勤めてらっしゃるので、ぴったりだと思いました。キャリアウーマン役のイメージが強い真矢さんなので、下町のお母さんをどう演じるのか未知の領域でしたが、見事に演じきっていただきました。改めて、幅の広い女優さんだということを再認識させていただきました」

 オトナの土ドラは2ヵ月クール。本記事の公開日の夜に最終回を迎える。最後、物語はどのように展開していくのだろうか。

「今までよりも、辛いエピソードが増えていきます。目を背けたくなるような現実がドラマの中で描かれます。でも、最終的には前向きな気持ちになれるような終わり方を迎える予定なので、楽しみにしていただけたらと思います」

 シリアスな展開にあっても、どこかホッとさせてくれる『さくらの親子丼』。日々の仕事で疲れたビジネスマンたちの心にきっと刺さるはずだ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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