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アプリとカメラを活かして賢く活用

ダイソンロボット掃除機 本当のすごさを知ってほしい

2017年11月28日 11時00分更新

文● 家電ASCII編集部 検証協力● 安蔵靖志

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 「吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機」でおなじみダイソンはロボット掃除機も作っている。「Dyson 360 Eye」だ。同社製スティック掃除機にも搭載している高出力モーター「ダイソン デジタルモーター V2」を搭載し、他社の4倍という圧倒的な吸引力を誇る“最強”のロボット掃除機だ。本体幅が23cmとズバ抜けて小さく、家具のすき間にも入っていける小回りの良さもある。見た目もメカメカしく、近未来なロボットデザインなので、ガジェット好きであれば持っていると所有感が満たされる。

同社製スティック掃除機にも搭載されているダイソン デジタルモーター V2を搭載する

 ハイパワー好きにはおすすめしたい1品だが、高価な買い物になる分、購入で気になる点はいくつかある。吸引力が強いぶん運転音が大きいのではないか。ちゃんと部屋全体を掃除してくれるのか。充電ドックに戻ってくれるのか。その点Dyson 360 Eyeは、本来の性能をうまく引き出すことで、そうした懸念とは無縁な製品であることが分かった。


●音が気になる
→「静音モード」で静かに運転できる

Dyson Link アプリから「静音モード」を設定
運転音がおさえられた。音が低くなるので話し声も聞きとりやすくなる

 まずは運転音について。通常モードで排気口の近くは76~77dB近い大きな音がした。だが、ロボット掃除機の操作や運転モードの切り替えができるアプリ「Dyson Link」から「静音モード」に設定すると70dB前半におさえられ、穏やかになった。運転音のトーンも低くなり、運転中も話し声が聞こえやすくなる。

 そもそも音が大きい理由は吸引力が強いためでもあるらしい。実際に静音モードでも吸引力は強く、問題なく掃除してくれたので、吸引力は他社よりも強そうだ。普段は静音モード、汚れがたまったときに通常モードと、使い分けをしてもいいかもしれない。もっとも理想的にはロボット掃除機は留守中に運転するものなので、ペットなど留守番係が困るといった事情を除けば、通常モードでも多くの人は問題はなさそうだ。

 ちなみにアプリは静音モード以外にも、スケジュール(運転予約)を設定したり、稼働状況(掃除マップ)を見たり、知っていれば便利に使える機能が入っている。ロボット掃除機の性能や、アプリの機能は進化している。前述の静音モードも、発売後にソフトウェアアップデートで追加された機能である。走行効率もアップデートで向上し、1回の掃除にかかる時間も発売時より短くなったそうだ。スマホとの接続はアプリの指示にしたがうだけなので簡単だ。


●ドックに帰ってこない
→カメラのはたらきで帰ってくる

実験として、Dyson 360 Eyeが充電ドックに戻らない状況をつくった。左は極端に暗い場所、右は充電ドックのマークが完全に見えないケースだ

 ロボット掃除機は掃除するだけでなく、掃除が完了したりバッテリーが切れたら自走して充電ドックに戻ってくれるので、手間いらずなのが便利な点だ。何十畳もの広いスペースを掃除する場合、掃除中何度か充電ドックに戻って、また掃除に戻る、ということを繰り返すこともある。

 そこで気になるのが、「きちんと充電ドックの位置に戻ってくれるのか」という点だ。

 Dyson 360 Eyeには、本体上面のパノラマカメラで周囲360度の環境を認識する機能がある。反面カメラが周囲を認識できなくなってしまう暗い環境には弱いのだ。出かける前にカーテンを閉めきって部屋を暗くしてしまうと、ドックに戻りにくくなる。レースカーテンだけを閉めるなど、自然光を入れるようにするなどちょっとした工夫で、問題なくドックに戻ってくる。

 人間の目が、光の量や強さによって、瞳孔を大きく開いたり、小さくしたりするのと同じで、カメラは光が強ければ絞りを絞って光が弱ければ絞りを開けている。また、光を取り込む時間も光の量によって変えている。人間の目が真っ暗闇だと何も見えなくなるのと同じように、Dyson 360 Eyeも暗闇の中では性能を最大限発揮できないのだ。

レースカーテンごしの光があれば大丈夫

 実際、センサーが作動しないよう暗い場所で検証したところ、充電ドックに帰れず、かわいそうに迷子になってふらふらしてしまった。ビニールテープをはがして再度動かしたところ、しっかり充電ドックまでたどりつけた。

 もう1つ、充電ドックのそばに障害物があるときもうまく戻れなくなった。ドックには白黒の市松模様のようなマークがついている。Dyson 360 Eyeはドック半径50cmの近さまで戻ったとき、このマークをカメラでとらえ、車庫入れをするようにゆっくりとドックに戻る仕組みになっている。ドック付近から家具や観葉植物など、影になるものを離すなど少し気をつかうだけでドックに戻らないというような問題とは無縁だ。


●効率的な掃除を実現する
SLAMのしくみ

アプリに残ったDyson 360 Eyeの走行軌跡。ひと筆書きで動いているのがわかる。軌跡がない部分はテーブルひとつとイス二脚が置いてあり、掃除機が避けたのだと推測できる

 そもそもダイソンがカメラを使っている理由は、効率的に室内を走行するためだ。

 ロボット掃除機の中にはランダム(でたらめ)に走行することで部屋全体を掃除する製品もあるが、Dyson 360 Eyeは出発地点を起点にらせんを描くように走行し、部屋の形に沿って一筆書きで掃除をする。吸引力が強いため同じ場所をくりかえし掃除する必要はないという考えだ。1回の清掃時間が短くなるのも利点だ。検証に使った6畳の洋室は、わずか15分間ほどで掃除が終わった。

 正確ならせん走行を実現しているのがカメラだ。

パノラマレンズで周囲の環境を把握しながら、ムダなく掃除をする

 名前のとおり360度の視界をもつパノラマレンズ搭載のライブビジョンカメラで、秒間30枚の画像を撮影して室内の全体像を作成する。さらに部屋の特徴点を認識し、そこから室内の位置を三角法で導き出す。こうして作成した地図から、いま自分がいる場所と、すでに掃除をした場所を正確に把握する仕組みだ。SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術という。

 これに加え、物体を感知する近接センサーなど複数のセンサーも搭載し、部屋の壁や家具にもぶつかりにくく、ギリギリで曲がれる。掃除途中でバッテリーが切れてしまっても、充電ドックで充電を終えたあと、ふたたびもとの位置から掃除をはじめることもできる。また、アプリからは室内をどんな経路で掃除したか正確に把握できるようになっている。


●サイドブラシは非搭載
ゴミまきちらさず掃除可能

Dyson 360 Eye本体幅と同じサイズの長いブラシが特徴だ

 Dyson 360 Eyeはほかのロボット掃除機とちがい、サイドブラシがないのも特徴だ。本体幅とおなじ長さのブラシで広い面をカバーする。サイドブラシがごみを周囲にまきちらすことがない。

 ブラシは柔らかいカーボンファイバーブラシと硬いナイロンブラシの2種類を使ったもの。カーボンファイバーがフローリングの微細なホコリを、ナイロンがカーペットのごみをかき出す仕組みだ。本体幅が小さいため、細かい家具のすき間にもなんなく入りこめるのもメリットだ。キッチンや洗面所など、収納家具が多い場所もくまなく走行していく。

 フローリング調のフロアに、ゴミに見立てた重曹を床にまき、吸わせてみたところ、周囲にまきちらすことも、溝に重曹を残すこともなく、しっかりと吸いとっていた。

ゴミに見立てた重曹を吸うDyson 360 Eye
溝にも周囲にも重曹を残すことなく吸えた

 Dyson 360 Eyeは、スタートボタンを押すだけではなく技術や機能を理解することで能力を100%引き出せる「賢者のロボット掃除機」でもある。特長であるカメラやアプリの仕組みを理解して、性能を引き出すことで、Dyson 360 Eyeは本来の性能を活かし、室内を賢く走りまわり、力強く掃除してくれるはずだ。


主な仕様
サイズ 幅230x奥行き240x高さ120mm
重量 約2.4kg
充電時間 約2時間45分
使用時間 最大40分間
カラー ニッケル/ブルー、ニッケル/フューシャ


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■関連サイト

(提供:ダイソン)

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